David Sylvian & Robert Fripp - The First Day (1993):
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ひとつのバンドが解体するとまた新しいバンドやソロアーティストが誕生する。中にはとんでもない面々がタイミングの運命によってひとつのバンドを結成する時もあり、スーパーバンドと迎えられるが往々にして長続きはしないし、また成功もしない。ソロアーティストとしてポツポツとアルバムをリリースして、バンド解体後はバンド時代の曲をプレイしないで、ソロキャリアを築き上げる。ここでファンの求めるものとギャップが生じて、ソロキャリアはセカンド辺りで終わるケースが多い。
デヴィッド・シルヴィアンもそれほど例に漏れるものでもなく、そういった傾向がファン側はあったと思う。ヨーロッパの耽美的サウンドを出していたデヴィッド・シルヴィアンと70年代プログレッシヴロックを代表するキング・クリムゾンのロバート・フリップ卿がユニットでリリースしたアルバムがかなりの傑作に仕上がっている。
80年代のミニマルビートクリムゾンを経た後、90年代に入ってクリムゾン再結成がウワサされた頃、ボーカルはデヴィッド・シルヴィアンとウワサも立ったが、そうはならず二人のユニットで世にリリースされた「The First Day」。紐解くとデヴィッド・シルヴィアンのソロ作三枚目の1986年「Gone to Earth」にフリップ卿は参加しているので、同じヴァージンレコード絡みでの繋がりで既に種は蒔かれていた。
「The First Day」は、曲を聴くと主体がどちらかは分かる。見事にユニットと機能していて、どちらも上手い具合に絡み合っている。総じてこの後復帰したクリムゾンの雰囲気を多分に持っているのは当然の結果だが、デヴィッド・シルヴィアンのボーカリストらしくない歌が流れてくると存在感を主張してくれる。歌詞にもかなり気を配っていると思う。
このユニットも来日公演ライブやってる。そのツアーのライブ盤「Damage」もリリースされているので、この超短期で終わったプロジェクトの全貌が形に残されて聴けるのは嬉しい。こうした機会でもなければこのアルバムをまた聴く事も無かっただろう。そしてフリップ卿のギターは独自の世界観を持っていると再確認する一枚。


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