2021-10-17

The Who - Live At The Isle of Wight Festival 1970:

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　イギリス南部の女王御用達の島、ワイト島では1968年から音楽の祭典が開かれるようになり、当初からドノヴァンやザ・フーなどのバンドは出演していたが、1969年アメリカでのウッドストックフェスティバルに触発されたのか、翌年1970年第三回目のワイト島フェスティバルはかなり気合いの入ったイベントとなり、過去最も豪勢な出演者を集めて開催された。近年になってようやくその模様が映像でリリースされ、単発ではザ・フーのワイト島フェスティバルライブとしてリリースされたりして、にわかに盛り上がりを見せたが、その映画を見ていて話に聞いていた醜聞に納得。とにかく悪名高いイベントの印象は映像でよく理解できるた。端的に言えばヒッピー文化の終焉に気付いていない聴衆とまっとうなフリをしているイベンターの格差だと云えよう。深くは語るまい…。

　そんな周辺の状況はさておきながら、やはりウッドストックと同じで数多くのバンドが出演したが現在映像やCDで見聞きできるバンドは限られていて、それだけではないトコロがある。コチラに出演バンドと簡単な紹介があるので参照してもらえるとわかるように結構色々出てたんだよね。英語サイトだけど。そしてDVDに入っているのはコチラ。出演順も編集されているので絵的に惹き付けられる面もあると云えばあるけど、やっぱカメラワーク古い。この時代の映像は、ひたすらギター弾いてるのに顔のアップが映ってたりして、とにかく顔のアップが多くてストレス溜まる映像ばかり。最近のコンマ何秒でカメラが切り替わる映像も集中して見れないので嫌いだけど。このフェスティバルの出演者がほとんどウッドストックと被るのも時代的にはやむを得ないだろうが、逆にこういうイベントに不釣り合いに見えたドアーズが新鮮に映ったり、マイルス・デイヴィスの出演が凄く刺激的だったりする。EL&Pのデビューステージも然り、フリーもここ一番の素晴らしいライブやってる。

　そうそう、DVDには収録されてないけど、フェスティバルには出ていたバンドも色々あるけど、時代的に、というか英国だからこそという面白さもある。いわゆるサイケ系バンド、ホークウィンドやブラック・ウィドー、ピンク・フェアリーズもメインステージではないけどライブやってた、とか、今では英国B級扱いのグラウンドホッグスやジューダス・ジャンプやテリー・リードも出てるし、アコースティック系では驚くことにペンタングルやラルフ・マックテル、フェアフィールド・パーラーまで出演していて、そんなのDVDじゃ全然分からないが、もしかしたら映像が残ってるかもしれない。また、恒例の如く、アメリカからやってきたスライ＆ザ・ファミリーストーンもお蔵入りになってっらしく歴史は深いのに勿体ないと思う。今となってはその辺も収録した限定での三枚組DVDでも出した方が価値あったとも思う。今更云ってもしょうがないが。

　DVDを見ての印象ではやはりフリーとEL&Pの印象が強い。EL&Pの大砲をぶっ放すシーンは面白いし、ジミはちょっとトーンダウンしてきたのは否めないか。ザ・フーはもちろんカッコ良い。それから、自分としてはこれで今までより更に嫌いになったのがジョニ・ミッチェル。云ってること分かるけど、おせっかいだって。こういう時アメリカ人はこういう言い方するんだろうな。なので、あのシチュエーションの中では単なるうるさいおばさんになっちゃうし、正しいけどちょっと引く。役割を混同していると言うか。その辺ジョーン・バエズはさすがユダヤ人、賢い。そんな風に興醒めする面があるのも事実だけど、周囲の一切を無視して好きにやってるジム・モリソンやフー、ジミヘンはやっぱ偉大なパフォーマーだな、と。ロックだね。

　…とまぁ、グチは色々あるけど、正しく英国に於けるひとつのアメリカ文化を真似てみた失敗の結果と、それでもまだ現在に至るまで続けられているイベントの断片を楽しめるのは事実。一昨年の同フェスティバルにはボウイやフーが出演し、盛り上がった様子も知られているし。