Red Hot Chili Peppers - By the Way

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Red Hot Chili Peppers - By the Way (2002)
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 レッチリの名盤は人によってかなり異なり、バンドの歴史も同じく微妙に変化しているから当然だが、大枠で見るとレッチリはレッチリだからと思われる範疇に収まっているから大成功しているバンドだ。傍目から見れば随分と好き勝手にやっている部類に入るバンドで、売れたからこそ好きに出来ているが、そもそもがフザけたハチャメチャなバンドのスタンスは靴下アビーロードを見れば一目瞭然。元々の70年代ソウル・ファンクの世界が突出してふざけたおバカなエンタメ路線の影響下にあるから、オマージュも合わせてのパフォーマンスも強かったと後には分かる。

 2002年にリリースされたアルバム「By the Way」も16曲入りと随分と長尺なアルバムだが、自信に満ち溢れた作品集だから全ての曲が素晴らしい名盤。ジョン・フルシアンテが魂込めて作り込んだアルバムながら、得意のギタープレイやレッチリお得意のファンクパンクスタンスは大きく引っ込み、メロディ重視の歌いやすい作風が並ぶからポップ化したアルバムでもある。そのおかげで本作以降は出すアルバム全てがヒットチャートトップに並ぶビッグバンドとなり、一方でプレッシャーも強くなったが確実に全盛期を迎える。古くから聴いていたリスナーにはロックエッセンスが物足りないので、フックが弱いと称される面もあったが大人になったレッチリの音楽センスが打ち出されたアルバム。

 このアルバムから入るとレッチリの印象は随分と異なる気がする。正直ロックバンドのスタンスを感じないままにアルバムを綺麗に聴けてしまうので、元来レッチリが持つグルーブやドライブするスリリングさと自由自在に扱う楽器の上手さと強烈なアジテーションは見えない。ライブを体験すればまるで異なる驚きを味わってロックのパワーを実感するが、残念ながらスタジオ・アルバムだけでは難しい。そこを切り分けて作品作りに徹して楽曲も美しく仕上げているプロフェッショナルさが潔く、また時代に合わせたロックバンドのスタンスで流石のセンス。レッチリの本質を捉えた上で本作を聴けば、ライブの姿も浮かぶので勝手にグルーブするリズムが流れるから曲の良さを味わえる名盤。







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フレ
Posted byフレ

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