Dr. John - In the Right Place

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Dr. John - In the Right Place (1973)
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 ニューオーリンズサウンドからドクター・ジョンのアプローチが気にかかり、1973年にリリースされたアルバム「In the Right Place」を引っ張り出しているが、アメリカンロックのアルバムを何も知らない年齢の頃に見つけては買っていた時期以来、好みではないと判断してからは特定のアルバム以外には着手していない。幾つかトライしたがなかなか好む程の音にはならないまま時は過ぎ去ったが、最近は落ち着いて聴ける音も好ましく感じているので、試しながら再度聴き直しているアルバムやバンドも多い。ドクター・ジョンの名前も記憶に残っていたから取り出したが、改めて思い出せばライ・クーダーもドクター・ジョンもこの頃のアメリカのレイドバック系ミュージシャンは英国ロックに大いに影響を与えていたから、今自分が聴く事もあり得ると納得している。

 「In the Right Place」はミーターズが全面参加してプロデューサーにはアラン・トゥーサンを配しているので、想像通りに黒いファンクソウルなグルーブの曲が連発されるが、冒頭の「Right Place Wrong Time」はやや別立てで当時の全米ヒット曲に入っている程なので、レベルが一段上にあるが、アルバム全曲を聴けば本作自体がレベルの高い作品と気づく。今更言う事でもないが、革新的なスタイルのロック、音楽を生み出して奏でているアルバムで、単なるニューオーリンズサウンドをミックスしただけでもなく、ドクター・ジョンの独特のしゃがれ声がシャウトすれば歪んた歌声でインパクトを放ち、メロウに歌えばソウルフルに響き抜けてくる変幻自在の器用さで、ミュージシャンズ・ミュージシャンと持て囃される貴重な人材と納得する。

 ちなみに同年にマイク・ブルームフィールドとジョン・ハモンドとジョイントした「三頭政治」も録音リリースしているから充実したセッションを繰り返していた時期。これまで真面目に取り組んで聴いていなかったが、改めてニューオーリンズサウンドながらも幅の広いジャズやR&Bをベースにした白人ロック感性でユニーク。幾多の目立つセッション活動からドクター・ジョンのソロアルバムに辿り着くケースもあるし、意外なパターンで聴く機会も多い。





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フレ
Posted byフレ

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