Little Feat - The Last Record Album

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Little Feat - The Last Record Album (1975)
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 リトル・フィートの捉え方も人ぞれぞれで、正当な来歴からはザッパバンドを離脱したローウェル・ジョージが自身の才能を発揮するために組んだワンマンバンド。しかもザッパと同じくアメリカの音楽を全て網羅した姿をイメージして、ニューオリンズ風味を掛けているからひとつの個性を発揮している。一方でローウェル・ジョージのスライド・ギターがギタリストの個性を発揮しているから、サザンロック系統の流れとも捉えられ、デュアン・オールマンと並列に語られるから別の角度で見られる。更に人気を博したアルバムの系統からニューオリンズ風味が強く感じられ、ニューオリンズロックの騎手とも語られるから数多い側面を持つ。おかげでジャズファンクフュージョンソウルロックに加えてニューオリンズが重なる今でも唯一無二に近い存在の音楽を残している。

 1975年にリリースされたLittle Feat5枚目のアルバム「Last Record Album」は主役のローウェル・ジョージがやや手を引きながらの作品になり、才能ある他メンバーの手腕が光る一枚。当時のバンド事情からやむを得ずローウェル・ジョージ主導からバンドメンバーが頑張った作品だが、突出していたローウェル・ジョージの才能には及ばないものの、アルバム中で数多く聴かれるメンバーの曲は過去のリトル・フィート風味を踏襲しながら、メンバーが得意としていたジャズ・フュージョン系の演奏中心のスタイルが持ち込まれて、結果ニューオリンズ風味のサウンドにジャズ・フュージョンが重なる微妙にオンリーワンなスタイルが確立されている。一方のローウェル・ジョージ曲はこれまで以上に輝きを放ち、メンバー作品とは一線を画す出来映えが流石の才能で、名曲に昇華される「Long Distance Love」やファンキーな「Mercenary Territory」でリトル・フィートの真髄を披露しているから素晴らしい。

 まったりとグリグリした感触のリズムと空気感で鳴るニューオリンズサウンドの中、時折切り裂くようなギターソロが貫かれると目が覚める程の鋭さで、ローウェル・ジョージの存在感の大きさを味わうが、バンドが熟してきたこの時期の迷作でもあり、傑作にもなるアルバムで、過去名盤とは趣が異なりつつ新たな指標へ進み始めている位置付けで、アルバムタイトルは単なるジョークと知られており、「最後」の意味ではなく「最新」の意味らしい。久々に聴くリトル・フィートは相変わらず渋くスルメアルバム的なにじみ出る音の良さを持っているので、また気分になれば何度も聴くバンド。





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フレ
Posted byフレ

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