Ry Cooder - Paradise & Lunch
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Ry Cooder - Paradise & Lunch (1974)

若い頃は情報が限られていたが、その中でもギタリストを聴くなら誰それと雑誌の特集や本で語られている記事を読みながら、レコードハントに出向いては探していたが、いつしかそれ自体が楽しくなり時間さえあればレコード屋を巡るような生活にもなるが、その初期の頃に様々なロックギタリストとその周辺を知った。多種多様で好みもあれば理解不能のギタリストあり、色々聴けたが当然好みのギタリストのバンドに比重が傾いていくから、その他は後回しになり、そのウチに好みのロックが決まってくるから更に後回しにある。それでもレコードを見かければ手に入れて聴いていたから、好みでなくとも何枚も持っているレコードもあった。
ライ・クーダーのアルバムは凄いと思って集めてはいなくて、ギタリストで知られた存在だから理解したくて集めていた。「Boomer's Story」を聴いた時にライ・クーダーの素晴らしさを実感してからは聴きやすくなったが、まだノスタルジックに大らかなカントリー風味サウンドを味わうには若すぎた。のどかなムードで気を休めるには良かったが、この空気に染まり切るにはまだ早く、ようやく今にしてこの心地良さが普通に聴けるようになったアルバム「Paradise & Lunch」。ところが聴いたらペダルスティールやギタープレイがカッコ良くて強烈なスタイルも出てくるからビートはロックではないが、ギターの良さが浮き出て気になってしょうがない。加えて軽快で口づさみやすく、疲れない音楽だからついリズムに身を委ねてギターの音色を堪能して聴いてしまう。これだけのギタリストがストーンズに入っていたら勿体なくてしょうがないから、ソロミュージシャンの選択は経済面では惜しい事したかもしれないが大正解だった。その世界の拡張バージョンのまま更にグレードアップして制作されているアルバムだ。
アメリカンミュージックの伝道者、マイク・ブルームフィールドがやりたかった姿の一部をライ・クーダーもやり遂げているが、広いアメリカ大陸で両者の出会いはなかったようで、その邂逅話は聴いた事がない。本作のクレジットを見ると、どの曲もトラッドやカバー曲のアレンジバージョンばかりで、殊更オリジナルで勝負するロックの世界とは異なり、無形文化の継承の色合いも強く改めてライ・クーダーの楽しみ方も広がった。何も気にする事なく普通に音楽を聴いて心地良くナチュラルに近い楽器の音色を楽しみ、刺激的なギターの音をアクセントに味わう。あの「It's All Over Now」ですらレゲエ風味にアレンジされてしまう意外性も飛び出し、後にはリンダ・ロンシュタットがヒットさせる「Tattler」のオリジナルも軽快に聴ける傑作。この時期のアルバムのどれもが同じコンセプトで彩られているので今の時代なら立て続けに流して聴いても面白そう。

若い頃は情報が限られていたが、その中でもギタリストを聴くなら誰それと雑誌の特集や本で語られている記事を読みながら、レコードハントに出向いては探していたが、いつしかそれ自体が楽しくなり時間さえあればレコード屋を巡るような生活にもなるが、その初期の頃に様々なロックギタリストとその周辺を知った。多種多様で好みもあれば理解不能のギタリストあり、色々聴けたが当然好みのギタリストのバンドに比重が傾いていくから、その他は後回しになり、そのウチに好みのロックが決まってくるから更に後回しにある。それでもレコードを見かければ手に入れて聴いていたから、好みでなくとも何枚も持っているレコードもあった。
ライ・クーダーのアルバムは凄いと思って集めてはいなくて、ギタリストで知られた存在だから理解したくて集めていた。「Boomer's Story」を聴いた時にライ・クーダーの素晴らしさを実感してからは聴きやすくなったが、まだノスタルジックに大らかなカントリー風味サウンドを味わうには若すぎた。のどかなムードで気を休めるには良かったが、この空気に染まり切るにはまだ早く、ようやく今にしてこの心地良さが普通に聴けるようになったアルバム「Paradise & Lunch」。ところが聴いたらペダルスティールやギタープレイがカッコ良くて強烈なスタイルも出てくるからビートはロックではないが、ギターの良さが浮き出て気になってしょうがない。加えて軽快で口づさみやすく、疲れない音楽だからついリズムに身を委ねてギターの音色を堪能して聴いてしまう。これだけのギタリストがストーンズに入っていたら勿体なくてしょうがないから、ソロミュージシャンの選択は経済面では惜しい事したかもしれないが大正解だった。その世界の拡張バージョンのまま更にグレードアップして制作されているアルバムだ。
アメリカンミュージックの伝道者、マイク・ブルームフィールドがやりたかった姿の一部をライ・クーダーもやり遂げているが、広いアメリカ大陸で両者の出会いはなかったようで、その邂逅話は聴いた事がない。本作のクレジットを見ると、どの曲もトラッドやカバー曲のアレンジバージョンばかりで、殊更オリジナルで勝負するロックの世界とは異なり、無形文化の継承の色合いも強く改めてライ・クーダーの楽しみ方も広がった。何も気にする事なく普通に音楽を聴いて心地良くナチュラルに近い楽器の音色を楽しみ、刺激的なギターの音をアクセントに味わう。あの「It's All Over Now」ですらレゲエ風味にアレンジされてしまう意外性も飛び出し、後にはリンダ・ロンシュタットがヒットさせる「Tattler」のオリジナルも軽快に聴ける傑作。この時期のアルバムのどれもが同じコンセプトで彩られているので今の時代なら立て続けに流して聴いても面白そう。
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