Al Di Meola, John McLaughlin & Paco de Lucía - The Guitar Trio

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Al Di Meola, John McLaughlin & Paco de Lucía - The Guitar Trio (1996)
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 英国のジョン・マクラフリン、アメリカのアル・ディ・メオラ、スペインのパコ・デ・ルシア、各国で突出したギタープレイヤーでリーダーバンドを持つテクニシャンが同時代にプレイしているお互いを気にしたか接点が持たれたか、夢のような話ながら三名同時に演奏する瞬間が幾度となく訪れている。最初は1980年にセッション的に行われたライブアルバムが筆頭格で、以降断続的に再開してはその強烈なスタイルを披露しているから、当人たちも同輩の指向性に共感して刺激を受けていた節もあり、またリスナーから見ても強烈でしかない超絶スタイルを様々な角度で楽しめる機会を与えられて楽しめた。

 1996年にリリースされたAl Di Meola, John McLaughlin & Paco de Lucíaの三人名義によるアルバムではライブを含めて3枚目のアルバム「The Guitar Trio」。シンプルに3名の名前が記されたジャケットながらタイトルは「The Guitar Trio」として知られているが、相変わらず本作も3名以外の音は一切入っていない純然たる三名のギターと掛け声のアルバムと聴けるが、ここまで個性が異なると概ね誰と誰のセッションとギタープレイが配置されているか分かりやすく、最も突出した個性を聴けるパコ・デ・ルシアの特徴的なプレイは、普段耳にしないスパニッシュ、フラメンコスタイルだから一発で耳に付く。また、ジョン・マクラフリンはロック寄りなスタイルに聴けるし、アル・ディ・メオラはフュージョン的スタイル。普段はエレクトリックで弾いているので、もっと分かりやすいが、本作は全てアコースティックなので音色の個性は割と排除されている状態でこの個性の突出だからさすがのスーパーギタリスト達。

 スパニッシュフラメンコ調の楽曲が一番耳に残り、またラテンノリ的なスタイルも一味違うので特徴を示すが、それも普段のプレイとは大きく異なる、アコースティックギターを前提とした曲作りとプレイと旋律にスタイルも通常と異なる取り組みが必要なため、プレイヤー側も大きな負担だったと想像出来る。ところがアルバムでその苦労はまるで垣間見れず、いとも簡単に三名ともギターを楽しく美しくアグレッシブに楽しみながら奏でている姿しか聴けないから素晴らしい。アルバム聴いているだけで拍手喝采したくなる臨場感も収められているし、細部の音使いまで聞き取れる繊細な音色も美しく味わえる。ライブアルバムと比較すれば地味に映るアルバムだが、丁寧に耳を傾けると作品の作り具合の緻密さやプレイの凄まじさが伝わってくる一枚。





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フレ
Posted byフレ

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