Mahavishnu Orchestra - Apocalypse
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Mahavishnu Orchestra - Apocalypse (1974)

ジェフ・ベックがロックからジャズ・フュージョンにアプローチした第一人者と同様にジャズ側からフュージョンに接近した第一人者にジョン・マクラフリンは位置付けられていて、両者とも1974〜75年頃にその融合作の頂点を極めて自然と交流も出来上がっていたようだが、ジョン・マクラフリンは当時マハビシュヌ・オーケストラを率いていながら、バンドが解体していた時期ともなり、また新たな実験意欲を持っていた時にジョージ・マーティンに出会ってその妙技を実現している。
1974年にリリースされたMahavishnu Orchestraの4枚目のアルバム「Apocalypse」はジョージ・マーティンプロデュースによりロンドンシンフォニーオーケストラと共演したクラシックとジャズ・ロックの融合を目指した高みにある作品で、結果は今で言えばアグレッシブなプレイを持ったプログレッシブ・ロックに区分されるが、アプローチが異なるためジャズ・フュージョンの異色作と位置付けられる。そもそもマハビシュヌ・オーケストラの立ち位置が難しいので、ジャンル分けに意味はさほどないが、高次の世界で孤高の存在となり、ジェフ・ベックに通じる感触は同じ香りが漂う。事実本作に参加したナラダ・マイケル・ウォルデンはこの直後に録音されるジョージ・マーティン絡みでジェフ・ベックの「Wired」に流用され、またザッパの所からジャン・リュック・ポンティがバイオリンで参加。ザッパの次にマクラフリンとは贅沢なセッション仕事を行っているが、まさしくプロの仕事。
挙げ句浮遊するボーカリゼーション的な女性の歌声が聴かれる異色作だが、その歌をチック・コリアの奥方のゲイル・モランが務めているファミリー感も狭い世界の様相。ただ、アルバムの出来映えが相当に不思議な感触で、マクラフリンの白熱プレイとジャズの応酬から突如としてクラシックなオーケストラ世界に切り替えられる異質感。叙情的なストリングスを背景にギターを弾く曲もあるが、概ねプログレッシブ・ロックに近い世界にもなりアルバム全体では妙な質感が漂う。ロック畑から聴くのではなく、ジャズ・フュージョンから聴いた方が新鮮な音の融合と響きに聴けるし、あり得ない展開も楽しめるように思うが、好まれないか。ロックから聴けばここまでのテクニシャン達が揃ってプレイする斬新なロックアルバムで大いに味わえる傑作。

ジェフ・ベックがロックからジャズ・フュージョンにアプローチした第一人者と同様にジャズ側からフュージョンに接近した第一人者にジョン・マクラフリンは位置付けられていて、両者とも1974〜75年頃にその融合作の頂点を極めて自然と交流も出来上がっていたようだが、ジョン・マクラフリンは当時マハビシュヌ・オーケストラを率いていながら、バンドが解体していた時期ともなり、また新たな実験意欲を持っていた時にジョージ・マーティンに出会ってその妙技を実現している。
1974年にリリースされたMahavishnu Orchestraの4枚目のアルバム「Apocalypse」はジョージ・マーティンプロデュースによりロンドンシンフォニーオーケストラと共演したクラシックとジャズ・ロックの融合を目指した高みにある作品で、結果は今で言えばアグレッシブなプレイを持ったプログレッシブ・ロックに区分されるが、アプローチが異なるためジャズ・フュージョンの異色作と位置付けられる。そもそもマハビシュヌ・オーケストラの立ち位置が難しいので、ジャンル分けに意味はさほどないが、高次の世界で孤高の存在となり、ジェフ・ベックに通じる感触は同じ香りが漂う。事実本作に参加したナラダ・マイケル・ウォルデンはこの直後に録音されるジョージ・マーティン絡みでジェフ・ベックの「Wired」に流用され、またザッパの所からジャン・リュック・ポンティがバイオリンで参加。ザッパの次にマクラフリンとは贅沢なセッション仕事を行っているが、まさしくプロの仕事。
挙げ句浮遊するボーカリゼーション的な女性の歌声が聴かれる異色作だが、その歌をチック・コリアの奥方のゲイル・モランが務めているファミリー感も狭い世界の様相。ただ、アルバムの出来映えが相当に不思議な感触で、マクラフリンの白熱プレイとジャズの応酬から突如としてクラシックなオーケストラ世界に切り替えられる異質感。叙情的なストリングスを背景にギターを弾く曲もあるが、概ねプログレッシブ・ロックに近い世界にもなりアルバム全体では妙な質感が漂う。ロック畑から聴くのではなく、ジャズ・フュージョンから聴いた方が新鮮な音の融合と響きに聴けるし、あり得ない展開も楽しめるように思うが、好まれないか。ロックから聴けばここまでのテクニシャン達が揃ってプレイする斬新なロックアルバムで大いに味わえる傑作。
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