Jeff Beck - Live (Official Bootleg USA '06)

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Jeff Beck - Live (Official Bootleg USA '06)
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 テクニカルなフュージョンジャズを聴いてから普通のロックやポップスを聴くと随分と物足りなく、また可愛らしく思えてしまい、大人の音色のジャズとは言ったものだと苦笑いしてしまったが、その隙間を縫ったジェフ・ベックのライブアルバムに参加したヴィニー・カリウタの仕事に戻ってみれば、テクニカルな楽しみと共にロックのパワーと醍醐味を味わせてくれるプレイ。時間を取りながら集中的に聴けるならジャズ・フュージョンやテクニックの応酬が繰り広げられるライブアルバムも心地良くハマれるが、そればかりでは疲れるので、合間のジェフ・ベックはナイスな選択だったが、聴けばそれでハマる魅力が大きいので結局は聴きまくっている。

 Jeff Beckが2006年に行ったツアーからのライブアルバム「 Live (Official Bootleg USA '06)」。タイトルはオフィシャルライブだがオーバーダビングも編集も一切していない意味でのブートレッグ名が付けられており、この時代でもまだ生ライブそのままをオフィシャルでリリースする事が珍しかったと言うべきか、リリースする側の認識が古いか。2006年なら既に生ライブを丸ごとリリースした作品も多かった気がするが、定かではない。この頃ジェフ・ベックが復活してアグレッシブに活動していたからオールドリスナー達は割と幸せな時代で、ライブも聴けて見れて楽しめるようになり、自分もその流れてジェフ・ベックを改めて認識してそのカッコ良さを納得して更に好きになった方が大きい。本作収録曲はいずれも新しい時代の曲が多く、テクニックとバンドのインタープレイの応酬にはぴったりの曲ばかりで往年の4ピースバンドで再現しているが、とても4人の演奏とは思えないレベルの幅広さと音数の多さがジャズ・フュージョンにはまるで見劣りしない素晴らしきプレイ。

 そこに名曲郡や聞き慣れた曲が織り込まれるから熱気は増すが、ここまでのメンツになるとフュージョンもロックもさほど変わらないように思えつつ、聴けば全く異なるアプローチが不思議。ジェフ・ベックを始め、ピノ・パラディーノもロック畑でしかないし、ヴィニー・カリウタもやはり同じくと鍵盤奏者のジェイソン・リベイロはスティングと仕事していたからヴィニー・カリウタが引っ張ってきたか、やはりポップ・ロック系に属する人で、だからこそロック色満載のインタープレイライブ。もっとも音のぶつかり合いではなく、ジェフ・ベックのギターを存分に聴かせる方が強いので、ロック色が強くなるのも当然だが。

 ヴィニー・カリウタのドラムの快活さがジェフ・ベックの粘っこいギタープレイと相反する感触が心地良く、ドラムは軽めながらギターが重い不思議と頼もしいスタンス。これまでのジェフ・ベックのドラマーは大抵重いプレイヤーだったので、この軽やかさが楽しかったとも思える。今もあまりスタンスの変わらないジェフ・ベックのライブだが、全くカッコ良いプレイ。



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フレ
Posted byフレ

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