Chick Corea, John McLaughlin - Five Peace Band Live
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Chick Corea, John McLaughlin - Five Peace Band Live (2009)

ヴィニー・カリウタの出自はザッパからだが、飛び出してからのキャリアの積み方がハンパなく、メジャーなポップスターからマイナーな日本の歌手のバックまで仕事を選ばない職人芸を披露しているからセッションドラマーで引っ張りだこ状態となった。考えられる構造には稼げる仕事と自身の高みへの挑戦とやりがい、好みのスタイルに向かうセッションと分けられるが、スティングに重宝されたドラマーの座はその両者を担ったパートナーにまで役割を上げている気がする。一方でチック・コリアにも見出されていたからエレクトリックジャズ、フュージョン界からも声がけされているが、その手前にはジェフ・ベックと演奏しているからロック畑では知られているテクニカルドラマーで軽快な人の認識。自分もこの時に改めてヴィニー・カリウタを知り、ザッパ時代を再度聴いて納得しながら味わっていた。
2009年にチック・コリアとジョン・マクラフリンが両者とも70歳を過ぎての最後の久々の邂逅共演を図ったライブセッション「Five Peace Band Live」のメンバーにヴィニー・カリウタは抜擢されており、マイルス門下生のアルトサックスのケニー・ギャレットとクリスチャン・マクブライドのベースとバンド名通りに5名でセッションを繰り広げたアルバムがリリースされている。この後ヴィニー・カリウタは来られなかったが、来日公演も果たしており、その齢を全く感じさせないアグレッシブなプレイを存分に披露していたとの評が見られる。本作を聴けばその評も納得するライブが見事に聞かれ、全くブレないエレクトリックジャズの巨匠たちの白熱したプレイを味わえる。CD2枚組もの長尺加減の通り、どの曲も10分以上、セッションが白熱すれば30分近くの演奏も収められている緊張感の高い演奏は全盛期に劣らない素晴らしさ。
序盤こそチック・コリアもジョン・マクラフリンも抑え気味で、サックスのケニー・ギャレットが心地良いメロディアスでおおらかなサックスを聴かせるシーンが多く、ゆったりとしたムードも出ているが、徐々にその流れを許さないかのようにチック・コリアが独特のエレピの音色で隙間を縫いながら白熱してくる。更にジョン・マクラフリンも人間技を超えた次元のプレイを弾きまくり、バンド全体が白熱するレベルの高みでバンドのセッションが展開される。マイルス・デイヴィス時代の曲のメロディも取り入れられ、そこにはゲストでハービー・ハンコックが参加してそのテンションを更に上げているから凄い。
アルバムジャケットは60年代のサイケデリック・ロック時代をモチーフにしているが、そんな古い連中が奏でた21世紀の5人組のライブはここまで出来ると証明して嘲笑っているようなジャケットで微笑ましい。職人ヴィニー・カリウタもこういったセッションで当然本領発揮して目立たないながら確実に抑え、シャープなプレイと間を活かしたリズムを奏でてアグレッシブなプレイに参加した鉄壁のプレイ。ロックの白熱セッションよりも高みにある楽しみ方。

ヴィニー・カリウタの出自はザッパからだが、飛び出してからのキャリアの積み方がハンパなく、メジャーなポップスターからマイナーな日本の歌手のバックまで仕事を選ばない職人芸を披露しているからセッションドラマーで引っ張りだこ状態となった。考えられる構造には稼げる仕事と自身の高みへの挑戦とやりがい、好みのスタイルに向かうセッションと分けられるが、スティングに重宝されたドラマーの座はその両者を担ったパートナーにまで役割を上げている気がする。一方でチック・コリアにも見出されていたからエレクトリックジャズ、フュージョン界からも声がけされているが、その手前にはジェフ・ベックと演奏しているからロック畑では知られているテクニカルドラマーで軽快な人の認識。自分もこの時に改めてヴィニー・カリウタを知り、ザッパ時代を再度聴いて納得しながら味わっていた。
2009年にチック・コリアとジョン・マクラフリンが両者とも70歳を過ぎての最後の久々の邂逅共演を図ったライブセッション「Five Peace Band Live」のメンバーにヴィニー・カリウタは抜擢されており、マイルス門下生のアルトサックスのケニー・ギャレットとクリスチャン・マクブライドのベースとバンド名通りに5名でセッションを繰り広げたアルバムがリリースされている。この後ヴィニー・カリウタは来られなかったが、来日公演も果たしており、その齢を全く感じさせないアグレッシブなプレイを存分に披露していたとの評が見られる。本作を聴けばその評も納得するライブが見事に聞かれ、全くブレないエレクトリックジャズの巨匠たちの白熱したプレイを味わえる。CD2枚組もの長尺加減の通り、どの曲も10分以上、セッションが白熱すれば30分近くの演奏も収められている緊張感の高い演奏は全盛期に劣らない素晴らしさ。
序盤こそチック・コリアもジョン・マクラフリンも抑え気味で、サックスのケニー・ギャレットが心地良いメロディアスでおおらかなサックスを聴かせるシーンが多く、ゆったりとしたムードも出ているが、徐々にその流れを許さないかのようにチック・コリアが独特のエレピの音色で隙間を縫いながら白熱してくる。更にジョン・マクラフリンも人間技を超えた次元のプレイを弾きまくり、バンド全体が白熱するレベルの高みでバンドのセッションが展開される。マイルス・デイヴィス時代の曲のメロディも取り入れられ、そこにはゲストでハービー・ハンコックが参加してそのテンションを更に上げているから凄い。
アルバムジャケットは60年代のサイケデリック・ロック時代をモチーフにしているが、そんな古い連中が奏でた21世紀の5人組のライブはここまで出来ると証明して嘲笑っているようなジャケットで微笑ましい。職人ヴィニー・カリウタもこういったセッションで当然本領発揮して目立たないながら確実に抑え、シャープなプレイと間を活かしたリズムを奏でてアグレッシブなプレイに参加した鉄壁のプレイ。ロックの白熱セッションよりも高みにある楽しみ方。
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