Frank Zappa - Tinsel Town Rebellion

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Frank Zappa - Tinsel Town Rebellion (1981)
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 プログレを探求するといつしか一人で深くハマる鬱な世界に陥るので、少々逸した方向が好ましいと思って久しぶりのザッパ。1981年リリースの「Tinsel Town Rebellion」。この頃からいくつものライブ音源を纏めて一つに仕上げていく手法を楽しんでいたようで、本作もアナログ時代は2枚組の大作ライブアルバムでリリースしていた。冒頭の「Fine Girl」だけがスタジオアルバムで、素晴らしき演奏が聴ける「Easy Meats」は各所のライブを編集した絶妙な一曲。以降はライブ寄せ集めアルバムだが、普通に聴いててライブらしさはほとんど見当たらない完璧な演奏が聴ける。

 冒頭の「FIne Girl」だけスタジオ盤と言えども、普通にドライブとグルーブしたレゲエで以降のライブ臨場感のある曲と大差ないので凄い。ライブの方は完璧な演奏でスタジオ盤と大差ないとも言えるが、珍しくどの曲も分かりやすいアレンジに仕立てられているので説明しやすい。レゲエやドゥーワップ調が中心にありながらのアクセントなハードロックやおふざけアレンジ曲で占められているから、賛否両論ありつつも聴きやすいアルバムの上位に入る。取り付きやすい名前には成人を迎えたスティーブ・ヴァイが採譜係から昇格してライブに参加している最初期の録音が聴ける。参加メンバーはいつもながら多数で、ロック畑に知られる名前ではヴィニー・カリウタ、ウォーレン・ククルロも参加しているライブ。

 音楽的にライブ的には明るく楽しもう雰囲気満載で後のビデオ「音楽にユーモアは必要か?」で見られるままだが、いつもの如くギタープレイの哲学的な信念が貫かれているザッパのギタープレイは一際浮き立った素晴らしさで飛び出してくる。ギタリスト参加はザッパ他4名連なっているので判別しにくいが、ザッパのギターは個性的すぎる。後に名を馳せるヴァイのギターはソロプレイはほぼ聴こえてこないか判別できるレベルではないので解読不能。ザッパのプレイに引き続いて出てくるプレイで怪しいのがいくつかあるが、詳細はどこかのサイトにあるだろう。

 普通にザッパ聴いてて楽しめるアルバム。歓声も入っているしMCもあるのでライブらしい臨場感はあるが、均一な音質で違和感なく、最後の「Peaches III」の新アレンジまで存分に一気に聴けて楽しる快活な作品。70年代の実験色から80年代は垢抜けた爽快感に変化し、ライブ編集の技から多数のアルバムもリリースされて日本語訳と共に笑って楽しんだアルバムが多い。勢い余ってライブボックス全てを揃えてしまった若さが懐かしい。







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フレ
Posted byフレ

Comments 2

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おっさん  

ザッパ初体験がこれでした、
2枚組レコードだったかな。
聴いていくうちにだんだん良くなって、
溯って前の音源を聴いていきました。

2021/09/21 (Tue) 06:09 | EDIT | REPLY |   
フレ
フレ  
>おっさん

ここからならザッパに偏見持たずに入れそうですね。

2021/09/26 (Sun) 20:48 | EDIT | REPLY |   

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