It Bites - Once Around The World
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It Bites - Once Around The World (1988)

70年代プログレバンドが軒並み80年代に没落していく様を嘆く一方、Asiaの大成功を筆頭にYesもヒットを放ち、好みに関係なくシーンを彩ったが、ロックの素晴らしい所がもうひとつ、80年代後半になるとこのプログレッシブ・ロックバンドのポップ化を逆手に取ったようなプログレッシブポップハードロックバンド=通称ポンプロックも出て来て、AsiaやYesの80年代のスタンスをひとつのロックと捉えての影響からIt Bitesが表れた。
1988年にリリースされたIt Bitesのセカンド・アルバム「Once Around The World」は初期3枚で終焉を迎えたプログレッシブポップ・ロックバンド時代の傑作と知られているが、当時聴いていた自分のIt Bites評は全く好ましくなく、普通にポップスバンドとの違いも認識しないまま消え去っていた。Howard Jones達と何が違うのかさほど理解していなかったし、Duran Duranとも大して違いはなかった。ただ、楽曲の凝り具合や展開に音色とセンス、演奏と変拍子など妙にプログレッシブに展開するアレンジが多いので納得はする。それを意識させないポップサウンド作りはさすがの才能で、70年代プログレッシブ・ロックバンドの80年代サウンドにも通じるから、ここでシーンのバトンタッチが行われているようだ。以降は更に激しくシーンが入れ替わり、新たな取り組みのバンドが多数乱立してくるからそのきっかけを作ったバンドでもある。
後のネオプログレバンドの作風から見ると、元祖の音を出しているバンドにも挙げられるので革新性は持っていた。その歴史を知ってから聴く本作は明らかに90年代以降のシーンとリンクした楽曲に聴けるから面白く、当時そこまで聴いて飛びついたリスナーのセンスも先取った素晴らしさと思う。時代的にやむを得ないが、チープなデジタル的サウンドの質感が後に聴いた時に安っぽく聴かれるからバンドもその印象になるが、クォリティの高さはポップ側もプログレッシブなアレンジ側も快感を味わえるレベル。
改めて聴くと短い曲ばかりながらも素晴らしいセンスに溢れた秀逸な曲ばかりで、いくつかの曲が大作志向になり、最後のアルバムタイトル曲「Once Around The World」は15分の長尺プログレッシブ・ロック。多様な展開とポップさを融合させた実験作で後に繋がる野心溢れる曲にも感じられる、本作を傑作に仕立てているナンバー。

70年代プログレバンドが軒並み80年代に没落していく様を嘆く一方、Asiaの大成功を筆頭にYesもヒットを放ち、好みに関係なくシーンを彩ったが、ロックの素晴らしい所がもうひとつ、80年代後半になるとこのプログレッシブ・ロックバンドのポップ化を逆手に取ったようなプログレッシブポップハードロックバンド=通称ポンプロックも出て来て、AsiaやYesの80年代のスタンスをひとつのロックと捉えての影響からIt Bitesが表れた。
1988年にリリースされたIt Bitesのセカンド・アルバム「Once Around The World」は初期3枚で終焉を迎えたプログレッシブポップ・ロックバンド時代の傑作と知られているが、当時聴いていた自分のIt Bites評は全く好ましくなく、普通にポップスバンドとの違いも認識しないまま消え去っていた。Howard Jones達と何が違うのかさほど理解していなかったし、Duran Duranとも大して違いはなかった。ただ、楽曲の凝り具合や展開に音色とセンス、演奏と変拍子など妙にプログレッシブに展開するアレンジが多いので納得はする。それを意識させないポップサウンド作りはさすがの才能で、70年代プログレッシブ・ロックバンドの80年代サウンドにも通じるから、ここでシーンのバトンタッチが行われているようだ。以降は更に激しくシーンが入れ替わり、新たな取り組みのバンドが多数乱立してくるからそのきっかけを作ったバンドでもある。
後のネオプログレバンドの作風から見ると、元祖の音を出しているバンドにも挙げられるので革新性は持っていた。その歴史を知ってから聴く本作は明らかに90年代以降のシーンとリンクした楽曲に聴けるから面白く、当時そこまで聴いて飛びついたリスナーのセンスも先取った素晴らしさと思う。時代的にやむを得ないが、チープなデジタル的サウンドの質感が後に聴いた時に安っぽく聴かれるからバンドもその印象になるが、クォリティの高さはポップ側もプログレッシブなアレンジ側も快感を味わえるレベル。
改めて聴くと短い曲ばかりながらも素晴らしいセンスに溢れた秀逸な曲ばかりで、いくつかの曲が大作志向になり、最後のアルバムタイトル曲「Once Around The World」は15分の長尺プログレッシブ・ロック。多様な展開とポップさを融合させた実験作で後に繋がる野心溢れる曲にも感じられる、本作を傑作に仕立てているナンバー。
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