Johnny Winter - Second Winter
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白人によるブルースのスタイルはそれだけでひとつの個性的なジャンルになってるし、それも英国人の場合とアメリカ人の場合では似て非なるスタイルに進化していったというのも面白い。英国では間接的に影響を受けてて、それを見ていた連中がまた影響を受けて、みたいな流れの進化の過程で英国らしくなっていったようだ。アメリカの場合はモロに酒場でやっている黒人ブルースメンのライブを目の前で見て盗み、自分のものにしていった変わり者の白人連中が世に出てきて、しかも若いのでエナジーを強烈に受け止めて発散するエネルギッシュなスタイルに仕上がっていった。特にテキサスブルースに代表されるアグレッシブさは個人的にもの凄く好きだね。
そんな事で同じような流れでメジャーシーンに躍り出てきたのがジョニー・ウィンター。1969年アルビノ種、そして100万ドルのギタリストとして話題になった超絶ギタリスト。この最初期でベースを弾いているのが後にスティーヴィー・レイ・ヴォーンのダブルトラブルでベースを弾くことになるトミー・シャノンで、この人実はそんな古くからブルースシーンで活躍していた人だったのかと改めて驚いた。もちろん歳食っても出来るジャンルだから不思議はないけど、そう考えるとレイ・ヴォーンって凄い恵まれた面子とバンド組んでたんだな。さて、ジョニー・ウィンターはファースト「ジョニー・ウィンター」のちょっと垢抜けないブルースアルバムよりもセカンドの「Second Winter」の方がロックファンには好まれるだろう。ブルースと言うよりもブルースロック、どっちかと言うとギター弾きまくりのギタリストアルバムで、ブルース云々はルーツの話でそれを訴えかけているモンでもない。ただただ弾きまくってるアルバムで、凄く心地良いアルバム。もっともっと聴かせろってくらいにギター弾いてるから。スタジオアルバムでここまで弾きまくるのはあまりないかもしれない。丁度過度期だったのかロックの世界がどっちに向かうのか誰も分からない時期で、激しいロックがどんどん出てきていた1970年のリリースだからこういう作品もありだったんだろう。この人の場合カバー曲でも何でも自分のモノにしてギャラギャラと弾きまくるのも常識なので、このアルバムもそんなカバー曲がいくつか入ってる。バンジョーやサックスを絡ませたご機嫌なナンバーもあってホントすっきりと楽しめる作品。
それとアナログ時代にはこのアルバム、と言うかこのアルバム以外に見た事ないけど、3面盤2枚組アルバムです。要するに2枚目のB面に溝が掘られていない珍しいリリース形態だった。レコードってホントにビニールで出来てるんだって思ったもん。CDになってからは当然一枚に収録されちゃったけど。
今じゃレガシー・エディション2枚組CDがリリースされてて、ボーナストラック2曲はともかくディスク2の1970年4月のライブが相当熱いライブで初っ端のギターの何とも言えない音色から始まり弾きまくり。やっぱこの人は弾きまくらないと気が済まないんだなと感心しながら耳を傾けてしまう。これだけ弾けたら気持ち良いいだろうよ。
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