Barclay James Harvest - Turn of the Tide
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Barclay James Harvest - Turn of the Tide (1981)

70年代を代表するプログレッシブ・ロックバンドの皆が皆ポップ化を図って80年代に突入していくが、そこに向かう理由の大半はプログレッシブ・ロックの仰々しい世界観が既に役目を終えて時代遅れになったから、音楽家としてシーンに残っていくために売れる音を提供し続けないといけないプロの話か。それとも自身達が売れなくなっては食えないから大衆化を図って同じく収益を上げる目的のためにポップ化したか。当時プログレッシブ・ロックのままで時代を通過出来たとも思えないが、それでもこういったポップ化の方向は各バンドの多少の個性は残している場合もあるが、逆に他の連中に似てしまう場合もあり、苦労しながらも結果的には埋没した。
Barclay James Harvestの70年代は仰々しいクラシカルなオーケストラと融合を果たした壮大でファンタジックなメロトロンやムーグを中心とした作風で、その雰囲気がバンドの個性ともなって美しさが崇められた。ところがバンドメンバーの離脱やレーベルの移籍も絡み、70年代終盤には既に方向性を見失いがちとなり80年代を迎えるが、元々鍵盤至上のバンドだったから機材の古さを一新してシンセサイザーに乗り換えてからバンドの個性と武器を失ってしまい、楽曲も軽やかなポップス化に向いたから他との競争にも追いつかない状況となった。1981年にリリースされたアルバム「 Turn of the Tide」はどっちつかずな作風で、デジタル音を駆使した近代的なポップスもあれば、70年代から引き摺ったようなファンタジックで牧歌的な従来のBJH作品も収録された中途半端な内容となっている。曲は悪くなく、BJHらしい雰囲気とセンスを持った英国らしいムードもあるので、音楽の方向性さえ定まればもう少し評価された気がするが、音楽家であるがために周囲のシーンを見ていなかったか、結果的に差別化不能な普通感溢れるアレンジに留まっている。
以前はこの辺りのプログレバンドもBJHも聴かなかったので、馴染み深く聴いた印象もなく初めて聴いている世界だが、確かに聴く必要性はほとんど見当たらない消費されてしまう音楽。ただ、アルバムの品質は普通レベルを軽く超えた楽曲ばかりで、どの曲も優しさ溢れるBJHの得意な牧歌的ムードを感じられるので、リアルタイムで本アルバムを耳にしていた方は愛聴盤になっている事も分かる。BJHの歴史からは抹消されるが、世間的なアルバムのクォリティではかなり高いセンスとやるせない作品。美しく透明感溢れておおらかに聴かせるモダンな作風はBJHでなくても良いが聴ければ心地良い作品。

70年代を代表するプログレッシブ・ロックバンドの皆が皆ポップ化を図って80年代に突入していくが、そこに向かう理由の大半はプログレッシブ・ロックの仰々しい世界観が既に役目を終えて時代遅れになったから、音楽家としてシーンに残っていくために売れる音を提供し続けないといけないプロの話か。それとも自身達が売れなくなっては食えないから大衆化を図って同じく収益を上げる目的のためにポップ化したか。当時プログレッシブ・ロックのままで時代を通過出来たとも思えないが、それでもこういったポップ化の方向は各バンドの多少の個性は残している場合もあるが、逆に他の連中に似てしまう場合もあり、苦労しながらも結果的には埋没した。
Barclay James Harvestの70年代は仰々しいクラシカルなオーケストラと融合を果たした壮大でファンタジックなメロトロンやムーグを中心とした作風で、その雰囲気がバンドの個性ともなって美しさが崇められた。ところがバンドメンバーの離脱やレーベルの移籍も絡み、70年代終盤には既に方向性を見失いがちとなり80年代を迎えるが、元々鍵盤至上のバンドだったから機材の古さを一新してシンセサイザーに乗り換えてからバンドの個性と武器を失ってしまい、楽曲も軽やかなポップス化に向いたから他との競争にも追いつかない状況となった。1981年にリリースされたアルバム「 Turn of the Tide」はどっちつかずな作風で、デジタル音を駆使した近代的なポップスもあれば、70年代から引き摺ったようなファンタジックで牧歌的な従来のBJH作品も収録された中途半端な内容となっている。曲は悪くなく、BJHらしい雰囲気とセンスを持った英国らしいムードもあるので、音楽の方向性さえ定まればもう少し評価された気がするが、音楽家であるがために周囲のシーンを見ていなかったか、結果的に差別化不能な普通感溢れるアレンジに留まっている。
以前はこの辺りのプログレバンドもBJHも聴かなかったので、馴染み深く聴いた印象もなく初めて聴いている世界だが、確かに聴く必要性はほとんど見当たらない消費されてしまう音楽。ただ、アルバムの品質は普通レベルを軽く超えた楽曲ばかりで、どの曲も優しさ溢れるBJHの得意な牧歌的ムードを感じられるので、リアルタイムで本アルバムを耳にしていた方は愛聴盤になっている事も分かる。BJHの歴史からは抹消されるが、世間的なアルバムのクォリティではかなり高いセンスとやるせない作品。美しく透明感溢れておおらかに聴かせるモダンな作風はBJHでなくても良いが聴ければ心地良い作品。
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