Caravan - Back to Front

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Caravan - Back to Front (1982)
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 1982年にリリースされたキャラバンの「Back to Front」は驚く事にキャラバン最初期のメンバーが全員揃っている。だからこそアルバムタイトルも「Back to Front」になったと思われるが、紆余曲折を経てメンバーが近い所から元の鞘に収まり80年代に入ってからもこちらは相変わらずのカンタベリーポップメロディを奏でる珠玉の作品。所々で新たなチャレンジは聴けるし、だからこそダメ出しを食らったりもする曲もあるが、それも今では可愛らしい些細な出来事で、それ以上にリチャード・シンクレアやパイ・ヘイスティングの美しき歌声とメロディの素晴らしさを楽しめる一枚。どうしても70年代中期頃までのCaravanの黄金期、素晴らしいアルバムの数々を聴いてしまうと心がそちらに傾くが、本作「Back to Front」はその続きを聴かせてくれる美しさを持つ。

 いつの時代に聴いてもあのまま軽やかなカンタベリーポップスで、更に磨きがかかっているから良質中の良質作品で、やはりリチャード・シンクレアのベースプレイもウネるような旋律を常に奏でて邪魔にならず曲の底辺を這いつくばる素晴らしさ。冒頭2曲の素晴らしさだけでこのアルバムを手にする価値は存分にあるが、更にまだ6曲もその摩天楼が見られるとは有り難いばかり。デイブ・シンクレアの粉雪のようなシンセサイザーの音色に荘厳な雰囲気も感じて80年代を一切意識しないままに聴ける素晴らしさ。アルバムジャケットにもう少し気を配れたら名盤の域に辿り着けたかもしれないが、さすがにそこまでは難しい時代。

 ただ軽やかに味わうキャラバンの世界。古き良き作品も何十回も聴いては味わったが、80年代に入った本作は聴かなかったのでここでようやく取り組んだが、ここまでの出来映えと知ってたらもっと聴いてた。以前の自分の偏見が邪魔をして聴かなかった事が悔やまれる傑作アルバム。これから存分に聴き尽くそう。





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フレ
Posted byフレ

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