King Crimson - Beat
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King Crimson - Beat (1982)

80年代の魔力はKing Crimsonまでも虜にする。当時のクリムゾンは再結成して3部作をリリースしているが、70年代を風靡したあのKing Crimsonの面影も纏わぬまま、ポリリズムとポップの融合で新たな展開を見せてリスナーを惑わせた。今でこそクリムゾン、ロバート・フリップがこの時点で何を考えてこういう作品をリリースしてきたか、どこに向かおうとしていたかは語られて理解され、また認められて再評価されているが、周辺のバンドすべてがポップ化に進んでいた当時としばらく後まではいわゆるこのディシプリンクリムゾンはあまり理解されないままだった。90年代に入って再々度クリムゾンが再結成された頃から80年代クリムゾンは何だったか的な論評が出て来て、改めて取り組む意義ありの風潮になったが、それまでは理解されない方が大きかった。
1982年にリリースされた再結成King Crimsonの第二弾「ビート」。今聴けばとてつもなく凝りまくった演奏陣営の楽曲と超ポップな風味の歌メロのギャップが著しいまでの構築美と理解するが、エイドリアン・ブリューの歌声はどうにも好みではない。一方でブリブリと音が目立つトニー・レヴィンのベース音がカッコ良く、追随するブラッフォードのドラム、パーカッションはさすがにひと味もふた味も違いが分かるレベル。ギターはフレーズよりも効果音的な要素が強く、その異質感は80年代クリムゾンの象徴でもあるが、更に80年代の全体の音質感が当時は最先端風なので革新性はあったが、後世に聴くとモロ80年代サウンドでチープに聴こえる。ただ、クリムゾンの場合はそれに合わせて全体の音の質感を組み上げているから一概にも言えないが、シモンズが時代を物語る。
随分と久々に聴いた「ビート」は今の耳には理解しやすくカッコ良くミュージシャンシップの塊的に聴こえるプログレッシブな作品に響いた。わざわざクリムゾンがこの世界を構築する必要もなかった気はするが、作られれば高品質な曲と演奏が紡がれるから凄い。もう少しどちらかに偏ったらアンビエントかポップになるバランス感は最先端の先にある音世界。なるほど革新的で周囲にイーノやボウイが群がってくる理由も分かるポジティブなアルバム。

80年代の魔力はKing Crimsonまでも虜にする。当時のクリムゾンは再結成して3部作をリリースしているが、70年代を風靡したあのKing Crimsonの面影も纏わぬまま、ポリリズムとポップの融合で新たな展開を見せてリスナーを惑わせた。今でこそクリムゾン、ロバート・フリップがこの時点で何を考えてこういう作品をリリースしてきたか、どこに向かおうとしていたかは語られて理解され、また認められて再評価されているが、周辺のバンドすべてがポップ化に進んでいた当時としばらく後まではいわゆるこのディシプリンクリムゾンはあまり理解されないままだった。90年代に入って再々度クリムゾンが再結成された頃から80年代クリムゾンは何だったか的な論評が出て来て、改めて取り組む意義ありの風潮になったが、それまでは理解されない方が大きかった。
1982年にリリースされた再結成King Crimsonの第二弾「ビート」。今聴けばとてつもなく凝りまくった演奏陣営の楽曲と超ポップな風味の歌メロのギャップが著しいまでの構築美と理解するが、エイドリアン・ブリューの歌声はどうにも好みではない。一方でブリブリと音が目立つトニー・レヴィンのベース音がカッコ良く、追随するブラッフォードのドラム、パーカッションはさすがにひと味もふた味も違いが分かるレベル。ギターはフレーズよりも効果音的な要素が強く、その異質感は80年代クリムゾンの象徴でもあるが、更に80年代の全体の音質感が当時は最先端風なので革新性はあったが、後世に聴くとモロ80年代サウンドでチープに聴こえる。ただ、クリムゾンの場合はそれに合わせて全体の音の質感を組み上げているから一概にも言えないが、シモンズが時代を物語る。
随分と久々に聴いた「ビート」は今の耳には理解しやすくカッコ良くミュージシャンシップの塊的に聴こえるプログレッシブな作品に響いた。わざわざクリムゾンがこの世界を構築する必要もなかった気はするが、作られれば高品質な曲と演奏が紡がれるから凄い。もう少しどちらかに偏ったらアンビエントかポップになるバランス感は最先端の先にある音世界。なるほど革新的で周囲にイーノやボウイが群がってくる理由も分かるポジティブなアルバム。
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