Yes - Tormato
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Yes - Tormato (1978)

かつて壮大なプログレッシブ・ロックを代表するバンドとまで呼ばれたイエスも70年代中盤までの黄金期から迷走を始め、2枚組大作でヒプノシスを器用して心機一転とばかりに相変わらずの路線を貫いたが時代は既にこの大作を求めておらず、ズレた感性にバンド側も気づいたアルバムだった。ところがバンドの音楽性を現状以外に向ける方向性にも悩み、器用なメンバーだから何でも出来るが、よりによって一番売れそうな路線に的を絞ったようで、超ポップ化路線へと舵を斬った。知られているように、バグルス組と合体してのポップ化もあり、その後は「ロンリー・ハート」期で大成するが、その前からポップ路線は敷かれており、黄金期に近いメンバーで軽々と華麗にプレイされているアルバムが1978年リリースの「Tormato」。
黄金期からドラムがアラン・ホワイトに替わっているだけで、リック・ウェイクマンも戻っているのであのイエスがこの超ポップな作品を奏でているアルバム。大作は皆無で聴きやすいメロディを軽快に歌い上げるジョン・アンダーソンの歌声が妙に可愛くマッチしているからタチが悪い。バックの音の構成はさすがにプログレッシブバンドだから全ての音が凝りまくってて、明らかに普通のポップスとは異なる素晴らしいイエス作品で成り立っている。スティーブ・ハウの多彩なギタープレイと音色の豊富さに少々安っぽく聴こえるシンセサイザーの音色とクリス・スクワイアのブリブリと飛び出す旋律は相変わらず曲のはみ出た世界を楽しませてくれる。
ポップと書いているが、曲構成は以前のプログレッシブ大作時代の組曲を組み合わせる前のバラバラな状態が一曲づつ完成品に仕上げられている感触なので、一筋縄では行かないさすがのイエス路線も収められている。単純にポップ化でもないからジョン・アンダーソンのメロディや音質に騙されてもいけないアルバムながら、当時も今も評価は高くない作品で、後追いだとほぼ聴かないアルバムにもなっている。どうしてもこれまでの作品で十分な印象が強いからだが、ここまでポップで作り込まれたアルバムの印象はなかった。黄金のプログレッシブ・ロック時代とこの後のポップ時代を繋ぐ意味では貴重な作品で、案外ロックしててカッコ良い曲が多い。

かつて壮大なプログレッシブ・ロックを代表するバンドとまで呼ばれたイエスも70年代中盤までの黄金期から迷走を始め、2枚組大作でヒプノシスを器用して心機一転とばかりに相変わらずの路線を貫いたが時代は既にこの大作を求めておらず、ズレた感性にバンド側も気づいたアルバムだった。ところがバンドの音楽性を現状以外に向ける方向性にも悩み、器用なメンバーだから何でも出来るが、よりによって一番売れそうな路線に的を絞ったようで、超ポップ化路線へと舵を斬った。知られているように、バグルス組と合体してのポップ化もあり、その後は「ロンリー・ハート」期で大成するが、その前からポップ路線は敷かれており、黄金期に近いメンバーで軽々と華麗にプレイされているアルバムが1978年リリースの「Tormato」。
黄金期からドラムがアラン・ホワイトに替わっているだけで、リック・ウェイクマンも戻っているのであのイエスがこの超ポップな作品を奏でているアルバム。大作は皆無で聴きやすいメロディを軽快に歌い上げるジョン・アンダーソンの歌声が妙に可愛くマッチしているからタチが悪い。バックの音の構成はさすがにプログレッシブバンドだから全ての音が凝りまくってて、明らかに普通のポップスとは異なる素晴らしいイエス作品で成り立っている。スティーブ・ハウの多彩なギタープレイと音色の豊富さに少々安っぽく聴こえるシンセサイザーの音色とクリス・スクワイアのブリブリと飛び出す旋律は相変わらず曲のはみ出た世界を楽しませてくれる。
ポップと書いているが、曲構成は以前のプログレッシブ大作時代の組曲を組み合わせる前のバラバラな状態が一曲づつ完成品に仕上げられている感触なので、一筋縄では行かないさすがのイエス路線も収められている。単純にポップ化でもないからジョン・アンダーソンのメロディや音質に騙されてもいけないアルバムながら、当時も今も評価は高くない作品で、後追いだとほぼ聴かないアルバムにもなっている。どうしてもこれまでの作品で十分な印象が強いからだが、ここまでポップで作り込まれたアルバムの印象はなかった。黄金のプログレッシブ・ロック時代とこの後のポップ時代を繋ぐ意味では貴重な作品で、案外ロックしててカッコ良い曲が多い。
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