Grand Funk - Survival
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Grand Funk - Survival (1971)

ロックはデカい音で聴くに限る。今はイヤフォンやヘッドフォンで聴く事が主流になっているが、昔はスピーカーで近所を顧みないで鳴らして聴くもので、ステレオセットにも余念がないマニアも多かった。ロックを楽しむにはステレオセットもそれなりのシステムだと強烈に響いた時代もあったが、昔の話。今の聴き方であの爆発的な迫力や鳥肌立つようなロックを体験出来るとも思えないが、確かに体に悪い時代だった。それでもロックはデカい音で聴くべきと思う。
1971年にリリースされたGrand Funk Railroadの4枚目のアルバム「Survival」を小さな音で聴いていてもダラダラとした印象の作品に聴こえてしまうだろう。ところがスピーカーを前にして、ちょっとだけ音を大きくして聴けば、バンドが目の前にPAを通さずに音を鳴らしているような音の定位で鳴ってくるので独占できる気分で聴ける。面白いのはドラムが左チャンネルに位置してて、ギターが右にいながらベースがど真ん中で歪ませて一番大きな領域を専有しているバランスの妙。今の機材で聴いたらもしかしたら更に立体的にボーカルやコーラスの定位も抜けたポジションで聴けるかもしれないが、そこまでは不要で、とにかくこの分厚いベースの音に耳を奪われつつ、ドン・ブリューワーのドラムのスネアの細かい技使いも聴ける心地良さ。これまでの楽曲に比べると随分大人しい印象もあり、それは更に渋みを増した深みのある曲が増えている面も大きい。オーバーダビングは最小限に留めて、トリオ編成で出来る限りのアレンジと曲展開を見事なまでに意識したロックバンドらしい音で、マーク・ファーナーの器用なギタープレイぶりと鍵盤使い、そして英国ロックに対抗出来るマイナー調で影のある楽曲はバンドのイメージとは異なり、案外哀愁感漂う作品をいくつも仕上げている。
アルバムを後から表する場合にはDave Masonの「Feelin' Alright」やストーンズの「Gimme Shelter」に話題を奪われがちだが、そこに至るまでのグランド・ファンクらしいオリジナル曲の層の厚さをもっと聴くべきとも思う。後のアメリカンなバンドイメージはまだこの時代には熟成されていないから、英国ロックに影響を受けたスリリングな作風と独自解釈をトリオで演奏する方向性で作り上げ、特徴的にドラマティックさ加減を生み出したい姿勢も見え隠れしている曲が多数実験的にも収録されているので、英国ロック好きなリスナーにこそ聴いて判断してほしいアルバム。その手助けにストーンズのカバーは強烈な印象を植え付ける位置付けで、演奏は上手いしコーラスワークもしっかりしているので、後の世代から聴く分にはなかなか手を出しにくいバンドだが、案外すんなり影のあるロックが気になる。逆に書けば、明るいアメリカン・ロックのグランド・ファンクをイメージしても本作には存在していない。個人的にはかなり見直して考え方を改めた作品。

ロックはデカい音で聴くに限る。今はイヤフォンやヘッドフォンで聴く事が主流になっているが、昔はスピーカーで近所を顧みないで鳴らして聴くもので、ステレオセットにも余念がないマニアも多かった。ロックを楽しむにはステレオセットもそれなりのシステムだと強烈に響いた時代もあったが、昔の話。今の聴き方であの爆発的な迫力や鳥肌立つようなロックを体験出来るとも思えないが、確かに体に悪い時代だった。それでもロックはデカい音で聴くべきと思う。
1971年にリリースされたGrand Funk Railroadの4枚目のアルバム「Survival」を小さな音で聴いていてもダラダラとした印象の作品に聴こえてしまうだろう。ところがスピーカーを前にして、ちょっとだけ音を大きくして聴けば、バンドが目の前にPAを通さずに音を鳴らしているような音の定位で鳴ってくるので独占できる気分で聴ける。面白いのはドラムが左チャンネルに位置してて、ギターが右にいながらベースがど真ん中で歪ませて一番大きな領域を専有しているバランスの妙。今の機材で聴いたらもしかしたら更に立体的にボーカルやコーラスの定位も抜けたポジションで聴けるかもしれないが、そこまでは不要で、とにかくこの分厚いベースの音に耳を奪われつつ、ドン・ブリューワーのドラムのスネアの細かい技使いも聴ける心地良さ。これまでの楽曲に比べると随分大人しい印象もあり、それは更に渋みを増した深みのある曲が増えている面も大きい。オーバーダビングは最小限に留めて、トリオ編成で出来る限りのアレンジと曲展開を見事なまでに意識したロックバンドらしい音で、マーク・ファーナーの器用なギタープレイぶりと鍵盤使い、そして英国ロックに対抗出来るマイナー調で影のある楽曲はバンドのイメージとは異なり、案外哀愁感漂う作品をいくつも仕上げている。
アルバムを後から表する場合にはDave Masonの「Feelin' Alright」やストーンズの「Gimme Shelter」に話題を奪われがちだが、そこに至るまでのグランド・ファンクらしいオリジナル曲の層の厚さをもっと聴くべきとも思う。後のアメリカンなバンドイメージはまだこの時代には熟成されていないから、英国ロックに影響を受けたスリリングな作風と独自解釈をトリオで演奏する方向性で作り上げ、特徴的にドラマティックさ加減を生み出したい姿勢も見え隠れしている曲が多数実験的にも収録されているので、英国ロック好きなリスナーにこそ聴いて判断してほしいアルバム。その手助けにストーンズのカバーは強烈な印象を植え付ける位置付けで、演奏は上手いしコーラスワークもしっかりしているので、後の世代から聴く分にはなかなか手を出しにくいバンドだが、案外すんなり影のあるロックが気になる。逆に書けば、明るいアメリカン・ロックのグランド・ファンクをイメージしても本作には存在していない。個人的にはかなり見直して考え方を改めた作品。
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