Tower of Power - Tower of Power

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Tower of Power - Tower of Power (1973)
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 白人黒人混合バンドは何もスライだけではなく、同じベイエリアから出てきたTower of Powerも1970年にシーンに登場して、壮大なるホーンセクションを武器にファンクソウルをグリグリと奏でるバンドで知られていった。今では総勢60名以上がバンドに在籍した事があると言われる程の大所帯且つメンバーチェンジの激しいグループだが、首謀者のベーシスト、ロッコとドラムのガリバルディが居ればバンドは前に進む。1973年にリリースされた3枚目のアルバム「Tower of Power」は冒頭を飾る「What is Hip?」がバンドの代表曲と知られてて、本作含めた以降の3枚がバンドの代表作となっている。この「What Is Hip?」の強烈なカッコ良さは時代性を見てもファンクとロックの融合に加えて、更にブルースエッセンスを多分に含んだブルース・コンテのギタープレイが強烈に刺さり、得意のホーンセクションも超絶にハマるブルース・ロックファンクな一曲でグッと心を鷲掴みにされる。

 アルバム冒頭が強烈なので全体的にドライブしたファンクな印象はあるものの、案外聴かせる曲やポップスに近いソウルナンバーもバラードもあり、幅の広い作品だ。メインがホーンセクションと捉えると賑やかでキャッチーな方向が耳につくが、エミリオ・カスティーヨの歌声が軽快に響く曲がほとんどなので、アメリカのシーンでは重宝されていたようだ。自分の古い記憶で書けば、正にこういったホーン・セクションやアレンジ、雰囲気やムードは日本の昭和歌謡時代の歌手のバックで演奏されていたアレンジや演奏と同じで、垢抜け感や乾いた感は異なれど、テレビで見る音楽番組のバックの演奏は概ねこのような感触だった気がする。もっともここまで派手にホーンセクションは鳴らなかったが。まるで見当違いの記憶が甦ったので、比べたら違うかもしれないがどこか似ている印象はある。

 A面をクリアしながらファンキーな曲とバラード的なメロウサウンドを聴いた後に出てくる「Get Yo' Feet Back on the Ground」の軽快なファンクロック曲が聴きやすくて軽快。バックでカチャカチャ鳴ってるファンキーなギタープレイに些か耳を奪われていたら突如メインのブルージーなギターソロが乾いたトーンで弾かれるカッコ良さ。しかも割と長い小節が弾かれているのでファンキーブルーススタイル。マイナーメジャー入り交えての妙なスケールを組み込んだ技巧的なトーンも気になるフレーズで一瞬ながらも強烈に目立つプレイ。脇で流れるコンガの音もずっと気になる。B面は如何にもどこかで聴いていた記憶があるような「Soul Vaccination」がご機嫌なファンキーロック曲でこちらもコンガが鳴り続けてリズムも楽しめるグイグイ来るナンバーとコーラスワークとスキがない味わいぶり。

 メロウとファンキー、実はブルースとロックとジャジーな管楽器系のアプローチとコンガの鳴り具合のオールマイティな音楽を含めて出し切っている素晴らしきアルバム。業界ではどこでも引っ張りだこの様相を示したと言われるが、それも当然の使い勝手の良さは理解しやすい。白人黒人混合は伊達ではなく、音楽的にも全てを融合させて、しかも自分たちのアルバムでそれを表現出来ているからミュージシャン。





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フレ
Posted byフレ

Comments 2

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おっさん  

ブルース・コンテ R.I.P.
レスポールを使ったカッティングが
カッコよかった!

2021/08/28 (Sat) 06:25 | EDIT | REPLY |   
フレ
フレ  
>おっさん

コレ、レスポールなんですか…。

2021/08/28 (Sat) 18:38 | EDIT | REPLY |   

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