Eric Clapton - There's One in Every Crowd
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Eric Clapton - There's One in Every Crowd (1975)

前作が「461 Ocean Boulevard」と後にはあまりにも名盤と語られるアルバムだったから、リリース枚数の多くなった後年から振り返ると随分と地味なアルバムの扱いになる「There's One in Every Crowd」は1975年リリースの作品。クラプトンと言えばどうしてもブルースギターをイメージするし、アルバムもブルース色があって当然の認識なので、そうではないアルバムだと影が薄くなる。70年代のクラプトンはレイドバックしたサウンドの出会いから始まり、やや落ち着いた感触の作風を好んでアルバム作りを進めていた。また、仲間との気軽なセッション活動も精力的でどのアルバムも知った名前が名を連ねたリラックスした作品も多い。その実ドラッグまみれの時代だったから、助けられていた側面もあり、まただからこそリラックスした作風の気怠い感じが多いとも言える。
本作「There's One in Every Crowd」はそのど真ん中の時期で、上手く言えばクラプトンがレイドバック時代からレゲエに到達した新境地の作品とも言えるが、その実マリファナがもっとも心地良いサウンドを手軽に纏めて演奏している作品とも言える両極端なアルバム。後年に聴けばこれもクラプトンの一側面で、時代的にも確かに流行していたレゲエを持ち込み、しかもクラプトンの場合は攻撃性は見られない、リラックスした作品なので英国パンク勢が持ち込んだレゲエとはやや趣を異にする。得意のギタープレイはブルースから遠ざかり、レゲエ風味に合わせたノートを奏でるプロのプレイヤーで活躍している程度で、ボーカリストと作曲編曲に注力した作品。それでも多くはスタンダードの焼き直しとカバー曲が多数含まれており、オリジナル曲はアルバム中半分程度、それもB面に集中している事から、自信の作品でもなかったようだ。その意を含んで冷静に聴けば確かにA面の心地良いレゲエ風スタイルはクラプトンの名を無視すればなかなかの傑作で、何度でも流しておけるアルバム。A面最後はエルモア・ジェイムスで知られた「The Sky is Crying」で、レイヴォーンばりの強烈な作風を期待して聴くと大きく外すレベルのレイドバック感ありありの落ち着きすぎた雰囲気が意外で残念。
アルバムのアクセント的に女性コーラスやボーカルが入れられているので、音はゆったりしているが、作風の色合いは割とカラフル感もあり珍しいトーンで、オルガンの音色が古臭いからか雰囲気はもの凄く漂っている。ガキの頃クラプトンを知って中古レコ屋に行くとこの辺りのアルバムが数枚500円くらいで放出されていて何枚か入手して聴いたが、まったく面白味を感じずに理解もしないでダメだとそのまま放置して売ってしまったが、その過去の自分の判断や感覚も納得のアルバム。今聴けばクラプトンのやりたかった世界や出したかった音も分かるが、ブルース・ロックを期待して入手したらこのアルバムなら捨てる事も納得。再度聴き直す機会が持てた事に感謝しよう。リラックスするにはかなり良いアルバムで、一部で名作と言われていた理由も理解した。

前作が「461 Ocean Boulevard」と後にはあまりにも名盤と語られるアルバムだったから、リリース枚数の多くなった後年から振り返ると随分と地味なアルバムの扱いになる「There's One in Every Crowd」は1975年リリースの作品。クラプトンと言えばどうしてもブルースギターをイメージするし、アルバムもブルース色があって当然の認識なので、そうではないアルバムだと影が薄くなる。70年代のクラプトンはレイドバックしたサウンドの出会いから始まり、やや落ち着いた感触の作風を好んでアルバム作りを進めていた。また、仲間との気軽なセッション活動も精力的でどのアルバムも知った名前が名を連ねたリラックスした作品も多い。その実ドラッグまみれの時代だったから、助けられていた側面もあり、まただからこそリラックスした作風の気怠い感じが多いとも言える。
本作「There's One in Every Crowd」はそのど真ん中の時期で、上手く言えばクラプトンがレイドバック時代からレゲエに到達した新境地の作品とも言えるが、その実マリファナがもっとも心地良いサウンドを手軽に纏めて演奏している作品とも言える両極端なアルバム。後年に聴けばこれもクラプトンの一側面で、時代的にも確かに流行していたレゲエを持ち込み、しかもクラプトンの場合は攻撃性は見られない、リラックスした作品なので英国パンク勢が持ち込んだレゲエとはやや趣を異にする。得意のギタープレイはブルースから遠ざかり、レゲエ風味に合わせたノートを奏でるプロのプレイヤーで活躍している程度で、ボーカリストと作曲編曲に注力した作品。それでも多くはスタンダードの焼き直しとカバー曲が多数含まれており、オリジナル曲はアルバム中半分程度、それもB面に集中している事から、自信の作品でもなかったようだ。その意を含んで冷静に聴けば確かにA面の心地良いレゲエ風スタイルはクラプトンの名を無視すればなかなかの傑作で、何度でも流しておけるアルバム。A面最後はエルモア・ジェイムスで知られた「The Sky is Crying」で、レイヴォーンばりの強烈な作風を期待して聴くと大きく外すレベルのレイドバック感ありありの落ち着きすぎた雰囲気が意外で残念。
アルバムのアクセント的に女性コーラスやボーカルが入れられているので、音はゆったりしているが、作風の色合いは割とカラフル感もあり珍しいトーンで、オルガンの音色が古臭いからか雰囲気はもの凄く漂っている。ガキの頃クラプトンを知って中古レコ屋に行くとこの辺りのアルバムが数枚500円くらいで放出されていて何枚か入手して聴いたが、まったく面白味を感じずに理解もしないでダメだとそのまま放置して売ってしまったが、その過去の自分の判断や感覚も納得のアルバム。今聴けばクラプトンのやりたかった世界や出したかった音も分かるが、ブルース・ロックを期待して入手したらこのアルバムなら捨てる事も納得。再度聴き直す機会が持てた事に感謝しよう。リラックスするにはかなり良いアルバムで、一部で名作と言われていた理由も理解した。
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