Lightning In A Bottle

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 2003年ブルース生誕100周年記念としてアメリカではかなりの盛り上がりを見せたイベントとなったが、まずは映画が何本も制作上映されたこと、そしてエアロスミスを筆頭にブルースに忠実なアルバムが話題を賑わせたこと、そしてその集大成としてニューヨークのラジオシティで十数組のアーティストが一堂に会してライブを行うこととなった。当然ながらこのイベントそのものもフィルムに収められ、広く世間に知れ渡ることとなったのだ。故に本作品に収録されているものは単純に生のライブシーンとインタビュー、そして古いフィルムやビデオを織り交ぜたドキュメンタリーに仕上がっているワケだ。

 もちろん若手が育ってこなければいけないので最初の方などはあまり知られていないミュージシャンが出演しているのだが、それだって普通に聴いたら結構凄い歌を歌っていたりするワケで、流石にこのようなイベントに出演するだけのことはあるなぁと素直に感動。悪いがスティーヴン・タイラーとジョー・ペリーの出演よりも最初の方に出てきた連中の方がよっぽど通じるモノがあったな。ま、そりゃしょうがないんだけどさ。後ねぇ、やっぱり白人のブルースはこういう中に入ってしまうとちょっとダメだね。軽くなっちゃう。ジョン・フォガティだって、まぁ、ブルースをそのままやってたワケじゃないけどやっぱカントリーだもん。ボニー・レイットもやっぱり軽くなるし。まぁ、オマケみたいなもんだけどデヴィッド・ヨハンセンなんて例外だよな(笑)。面白いけど。一方ではもの凄い存在感と圧倒的なカリスマ性を見せたソロモン・パークの歌唱力とパフォーマンス性に驚くばかり。昨今のヒップホップやラップ系の成金趣味なんぞ可愛いモノで、元祖とばかりに派手に、そして実力ももちろん伴った素晴らしい歌声で場をモノにする。う~ん、最初の方でBBキングが「お前さんみたいに歌えたらギター弾いてないよ」みたいなこと云ってて、何のことかと思ったらそういうこと。そのBBキングもオーラスの出番でもちろん圧倒的な貫禄とギタープレイで会場を盛り上げていた。やっぱすげぇな、このくらいのキャリアを積んだ人達は。時代が違うから、そういうところ生きてきた人達ってのはやっぱ凄い。しかも人種差別ありの中から来てるから余計だよな。

 後はね、やっぱり最大のヒットはバディ・ガイバディ・ガイがジミヘンの「Red House」やるんだけど、驚いた。ジミヘン亡き後、ジミヘンみたいにギター弾ける人なんていないと思ってたらここにいた。完璧にジミヘンを超えるギターを弾ける人。バディ・ガイ。多分、ジミヘンのフレーズをちょっと真似して歪んだギターで好き勝手に弾いてくれる場を提供してあげて、バディ・ガイが本気でギター弾いたらジミヘン以上にジミヘン的ギターが聴けるハズ。この映画の中での「Red House」はそれを証明しているし、だからこそその後に出てきた何とかっつう女が「Voodoo Chile」をやるに当たってバディへのゲスト出演を強靱にお願いしたっての分かるもん。これはホント目から鱗が落ちた気分だった。そっか、後継者は無理だけど先駆者にジミヘンを真似させればできるよなぁ。だって、そこからのルーツなんだもん。そう思った。あ、パブリック・エネミーのパフォーマンスも初めて見たけど、なんだかんだで好き嫌いはあるけどやっぱり凄く上手いなって思ったな。曲の持っていき方とかパワーはもちろんだけど、ウケてもおかしくないし古い連中にも訴えかけるモノはあるんだな、ってのも認識。好きになるかっていうのとは別にそう思ったかな。

 やっぱこういうセッションっつうかイベントっつうのは見所満載で面白いな。出来れば4時間くらいにまとめてくれればもうちょっと色々な人を見れたのになぁと思う。でも面白い。彼等、歴史だもん。

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フレ
Posted byフレ

Comments 1

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リュウ  

Buddyには本当に驚きですよね!
まだウマくなっていると言う!!

Red House、同じくぶっ飛びました♪
ジミへン的、いや超える人とフレさんが言うのもわかる気します!

Buddy、全部集めようと
思っているくらいですから(笑)

もちろん、他のアーティストも揃えたいのは言うまでもありませんが、まずはBuddyです♪

2007/06/03 (Sun) 08:04 | EDIT | REPLY |   

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