Tedeschi Trucks Band - Layla Revisited (Live at LOCKN')

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Tedeschi Trucks Band - Layla Revisited (Live at LOCKN') (2021)
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 クラシックロックは確実にクラシック化している。今回のテデスキ・トラックス・バンドの「Layla Revisited (Live at LOCKN')」はとにかく目を引いた。アルバムジャケットを目にすればオールドタイマーなロックファンなら、もしくは古き時代にロックを聴いていた人なら至極当たり前に脳裏にあのジャケットがよぎるに違いない。記憶の片隅に、またはど真ん中に今でも存在している人もいるだろうが、色合いが美しく鮮やかなのでそれだけでも目を引くが、そのユーモアセンスのあるアイディアに拍手。オリジナルの「Layla And Other Assorted Love Songs」のジャケットを背後にボカしてカバーアルバム、すなわち手鏡に映した意味合いも込めて薄っすらと見られる女性の影、しかもテデスキ・トラックス・バンドの演奏だから女性主導と意思表示も兼ねてのジャケット。それだけで二重丸なインパクトもあり、愛らしさも感じるセンス。

 2019年8月にアーリントンで開催されたLockn' Festivalに出演した際にサプライズ的に行われた「Layla And Other Assorted Love Songs」の全曲カバーバージョンライブ。当日会場に来ていた観客で、オリジナルの「Layla And Other Assorted Love Songs」を何度も聴いていたリスナーがいたら実に感動したに違いない唐突のカバーライブで驚いた事だろう。知ってて見るのといきなり出てくるのでは驚きの度合いが違う。更に確かに「Layla And Other Assorted Love Songs」を演じるならデレク・トラックスしかいない、とさほどデレクに興味のない自分ですら思うから世間は感動しただろう。さすがに気になったのでアルバムジャケットを見て何日も経たないウチにアルバム丸ごとを数回聴いていた。悩ましい事に聴き終わるとオリジナルの「Layla And Other Assorted Love Songs」が聴きたくなるから困る。今回のカバーライブは相当ゴージャスに編曲されているからオリジナルを遥かに上回る出来映えと太鼓判を押せるが、時代をパッケージした音色と雰囲気を改めて確認したくなるのは恐らく皆一緒だろう。すると、落ち着くし物足りなさも感じる不思議。そんな繰り返しが何度かあって落ち着いてテデスキ・トラックス・バンドのライブバージョンを再度聴き始めると、ようやく現代的なブルースやレイドバックした姿をアメリカ人がそのままやっているプレイに集中できる。

 テデスキ・トラックスにデレク・トラックス、ドイル・ブラムホール2世、フィッシュのトレイ・アナスタシオと4人のギタリストが弾きこなし、ホーンセクションやコーラスチームも従えてゴージャスに、それでも枯れた音色で演奏される「Layla Revisited (Live at LOCKN')」は完全にモノにされた上での充実度。何よりも当然ながらデレク・トラックスのデュエイン・オールマン役のスライドプレイがあのSGで奏でられる音色が素晴らしく、現代に蘇らせてくれる。ドイル・ブラムホール2世も今や大御所のプレイをクラプトンと培ったキャリアから存分に聴かせてくれるので満足度も高い。もしかしたらクラプトンのオリジナルよりも今の時代ならこちらのライブアルバムの方が聴きやすいし、アグレッシブに響いてくる気がする素晴らしいライブアルバム。





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フレ
Posted byフレ

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