Quiet Riot - QR III
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Quiet Riot - QR III (1986)

時代は常にHR/HMバンドにとって鬼門だったが時は必ず過ぎ去り新しい時代が常にやって来るから、次なるアルバムや曲調、作風やトレンドとの絡みと関わり方をどこまで取り入れるか、それとも一切を無視して十年一日バンドで進めるか、そこまで自信がなければ何かを取り入れるなり融合させるなりしないとシーンで生き残っていけない。精々アルバム2枚くらいは同じ路線の作品でも生きていけるが、それ以上はほぼ時代に取り残されてシーンが見放していく場合が多い。十年一日と思われているVan HalenやRamonesやAC/DCでも実はそこまで同じでもなく、時代を反映したアレンジや楽曲は必ず取り組んでいて、そのミックス具合が上手いからあまりファンが離れない仕掛けだ。Queenのように大幅に進化しても新しいリスナーが取り込めれば良いが、一介のロックバンドではそこまで自信を持てないだろう。バンドマンなら突き進むのみだが、ミュージシャンなら進化するからその狭間が難しそうだ。
Quet Riotの1986年リリース5枚目のオリジナルアルバム「QR III」は時代真っ盛りのシンセサイザー音を取り入れて進化を果たそうとした作品だが、その前2作が同じ路線のハードロック、ヘヴィメタルと呼ばれたサウンドだったから、新しい音を取り入れるバランスとタイミングが難しかった。本来はこの作品でも前作と同じようなカバー曲とオリジナルなパワーポップ路線のヘヴィメタルサウンドが当たりだったかもしれないが、彼らがこの時点で選んだ作風はダンスビートやシンセサイザーサウンドの融合だった。それも味付け程度で本筋を曲げなければファンもある程度着いて行けたが、あまりにも堂々とあからさまにシンセサイザーを導入しすぎたから、ただでさえ裏切り者扱いがひどかった所に火を注いだようなもの。装飾音に紛らわされず、バンドが奏でている曲や演奏に集中すれば何らこれまでと変わらないクワイエット・ライオットのハードロックとメロディセンスに気づくが、バランスが悪かったために、そこまできちんと聴く気にならなかった。自分もリアルタイム時に本作がリリースされて話題になった事を覚えているが、PVで少し聴いてクワイエット・ライオットも80sポップス路線に走って売れ線バンドになったと見捨てた。デフレパもボン・ジョヴィも同じだったが彼らは反動よりも好評を多く獲得したから大化けしたが、クワイエット・ライオットはその読みが外れた事と、若干時代が遅れたために機会を逸した。
明らかに冒頭からシンセサイザー音が目立ち、アルバム曲中でそのシンセ音が鳴り響くので生粋のバンド・サウンド、特にメタルやハードロックを好む連中からすると耳障りでしょうがない。ポップ路線との違いは歪んだ音とシンセの有無ですらあったから、両者を混ぜ合わせるだけならともかく、歌メロと作風がどちらかに寄らなければファンは付きにくい。つまり本作のクワイエット・ライオットはあまりにもバランス良く作りすぎてしまったためにどちらのファンからも飽きられてしまったとも言える。今回久々に聴けば、幾つかの曲はまるで受け付けないが、基本的にはチープ・トリックやスレイド直系のパワーポップ路線とメロディアスなギターが加わった本来のスタイルだった。ケヴィン・ダブロウのボーカル声はあのダミ声で個性的なまま、ギターソロも凝ってなくてキャッチーで良いし、フランキー・バネリの重厚なドラムはロックを主張するに存分なパワーを誇っているナイスなアルバム。全く時代とは難しいが、案外悪くなくキャッチーでクワイエット・ライオットらしいアルバムだ。

時代は常にHR/HMバンドにとって鬼門だったが時は必ず過ぎ去り新しい時代が常にやって来るから、次なるアルバムや曲調、作風やトレンドとの絡みと関わり方をどこまで取り入れるか、それとも一切を無視して十年一日バンドで進めるか、そこまで自信がなければ何かを取り入れるなり融合させるなりしないとシーンで生き残っていけない。精々アルバム2枚くらいは同じ路線の作品でも生きていけるが、それ以上はほぼ時代に取り残されてシーンが見放していく場合が多い。十年一日と思われているVan HalenやRamonesやAC/DCでも実はそこまで同じでもなく、時代を反映したアレンジや楽曲は必ず取り組んでいて、そのミックス具合が上手いからあまりファンが離れない仕掛けだ。Queenのように大幅に進化しても新しいリスナーが取り込めれば良いが、一介のロックバンドではそこまで自信を持てないだろう。バンドマンなら突き進むのみだが、ミュージシャンなら進化するからその狭間が難しそうだ。
Quet Riotの1986年リリース5枚目のオリジナルアルバム「QR III」は時代真っ盛りのシンセサイザー音を取り入れて進化を果たそうとした作品だが、その前2作が同じ路線のハードロック、ヘヴィメタルと呼ばれたサウンドだったから、新しい音を取り入れるバランスとタイミングが難しかった。本来はこの作品でも前作と同じようなカバー曲とオリジナルなパワーポップ路線のヘヴィメタルサウンドが当たりだったかもしれないが、彼らがこの時点で選んだ作風はダンスビートやシンセサイザーサウンドの融合だった。それも味付け程度で本筋を曲げなければファンもある程度着いて行けたが、あまりにも堂々とあからさまにシンセサイザーを導入しすぎたから、ただでさえ裏切り者扱いがひどかった所に火を注いだようなもの。装飾音に紛らわされず、バンドが奏でている曲や演奏に集中すれば何らこれまでと変わらないクワイエット・ライオットのハードロックとメロディセンスに気づくが、バランスが悪かったために、そこまできちんと聴く気にならなかった。自分もリアルタイム時に本作がリリースされて話題になった事を覚えているが、PVで少し聴いてクワイエット・ライオットも80sポップス路線に走って売れ線バンドになったと見捨てた。デフレパもボン・ジョヴィも同じだったが彼らは反動よりも好評を多く獲得したから大化けしたが、クワイエット・ライオットはその読みが外れた事と、若干時代が遅れたために機会を逸した。
明らかに冒頭からシンセサイザー音が目立ち、アルバム曲中でそのシンセ音が鳴り響くので生粋のバンド・サウンド、特にメタルやハードロックを好む連中からすると耳障りでしょうがない。ポップ路線との違いは歪んだ音とシンセの有無ですらあったから、両者を混ぜ合わせるだけならともかく、歌メロと作風がどちらかに寄らなければファンは付きにくい。つまり本作のクワイエット・ライオットはあまりにもバランス良く作りすぎてしまったためにどちらのファンからも飽きられてしまったとも言える。今回久々に聴けば、幾つかの曲はまるで受け付けないが、基本的にはチープ・トリックやスレイド直系のパワーポップ路線とメロディアスなギターが加わった本来のスタイルだった。ケヴィン・ダブロウのボーカル声はあのダミ声で個性的なまま、ギターソロも凝ってなくてキャッチーで良いし、フランキー・バネリの重厚なドラムはロックを主張するに存分なパワーを誇っているナイスなアルバム。全く時代とは難しいが、案外悪くなくキャッチーでクワイエット・ライオットらしいアルバムだ。
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