Accept - I'm a Rebel

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Accept - I'm a Rebel (1980)
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 ジャーマンメタルの雄と呼ばれたアクセプトは70年代終盤にシーンに登場したが、まだあの骨太なヘヴィメタルらしいサウンドは確立されておらず、その頃には存在していたジャーマンハードの流れとこの頃アンダーグラウンドシーンにあったNWOBHMを融合して初めてあのアクセプトサウンドが出来上がったと推測できるので、それ以前の作品はジャーマンハードと何かを合わせる事を念頭に置きながら、シーンに出れる光った才能をどう料理するかがバンドの生き残る術だった。その意味では実に貴重な記録で価値があるセカンドアルバム「I'm a Rebel」。1980年にリリースされているので、まだNWOBHMの影響は受けておらず、ジャーマンハードと何かを足し合わせた作風のひとつの実験が聴ける。その分、アルバムはどこからも評価されていない現在だが、それも当然のコマーシャル路線が耳に付く、後のアクセプトらしからぬ曲ばかりで占められている。

 冒頭のタイトル曲「I'm a Rebel」はAC/DCのために作られた曲だったが、AC/DCで採用されなかったため理由不明ながらAcceptに回ってきた曲で、全く似合わない作品を堂々とプレイしている。以降の曲も同じく、ウド・シュナイダーのあの歌声は全く生かされず、普通に歌わざるを得ないような楽曲ばかりだが、素晴らしい事にウド・シュナイダーがそれらを見事に歌い上げている。つまり、普通に歌メロのある曲を歌ってもあの声だけでなく、多彩な才能を活かして十分に上手い歌唱で歌えると証明しているアルバムに位置付けられる。同じ事がバンド全体にも当てはまり、以降のAcceptではまず聴けない軽やかなメロディと演奏を武器としたリズムやギターのコードワークを中心とした作風まで聴ける。

 始めは戸惑うものの、聴き慣れてくるとこういうバンドがあっても不思議はないと思えてくるが、アクセプトの作品である必要性は思い付かないから結果的に酷評されるアルバムにはなるが、この時代だけで考えればヘヴィ寄りにも捉えられつつメロディアスな展開も出来るバンドと楽曲、即ち直後のQuiet Riotが大ヒットを放った作風に近さはあるので、目線は悪くなかった。案外作品レベルは高いのですんなりと聴けてしまうし、ギターフレーズも色合いは異なるが凝ってて聴きどころは割と多いし、何よりもキャッチーなメロディも悪くない。もっとも批判も分かる上の話だが。時代が過ぎた今ならアクセプトの迷走の歴史を記録したアルバムとして、またそれでもかなりの秀作で聴けるアルバムの位置付け。





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フレ
Posted byフレ

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