Vandenberg - Vandenberg
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Vandenberg - Vandenberg (1982)

最近はどんなギターを使ってもデジタル技術の著しいアンプ側でプリセットされたサウンドでギター本来の音とは関係なく、出したいギタリストの音が出るようだ。ストラト使いながらレスポールのトーンと音色が出せるとは信じ難いが、まるで同じとは言わないまでもほぼ同じ音が出てくるのは、自分でもMacをアンプ代わりにして鳴らしてみると納得する。デジタル技術も相当進化して、今では世界各国のギターマニアが音を作り上げて共有する、プリセットのクラウド化が出来上がり、ギタリストが移動する際もUSB持っていけばギターは何でも良いし、アンプも対応していればUSBに収められたプリセット音が出てくるからツアーするギタリストも楽になるか。それだとカッコ悪いのでシンボル的なギターは持つだろうが、音を鳴らすだけなら、例えばアメリカや英国でレコーディングする時もUSBで間に合う。ところが、そこまで進むと今度は移動する必要もなく、スタジオに入る必要もないからどこまでも理解不能な世界へ突入する。
1982年のVandenberg最初のアルバム「Vandenberg」は市場に好意的に迎え入れられている。オランダ出身のバンドでここまでストレートなハードロック路線で世界レベルに参加してきた人もバンドも珍しい時代。アトランティックの目に触れたからラッキーだったが、ヴァンデンバーグのギタープレイを聴くと、ここまできっちりと丁寧に譜割通りに音を鳴らすギタリストも珍しい。改めて聴くとマイケル・シェンカーよりもかっちりとした譜割のギタープレイがアルバム全編で聴けて教科書的なスタイルを実感する。その分ドライブ感に欠ける気もするが、スタジオ盤なのでそこまで求めなければ単純に佳作揃いのアルバムとプレイで聴ける作品。残念ながらヴァンデンバーグ以外のメンバーの力量があまりにも普通レベルなので目立たず、特にボーカルはレンジが狭くて向かないが、楽曲が70年代から引きずったようなハードロックなのでまだ間に合わせられている。ところがギタープレイだけはこれからを迎える80年代に相応しいテクニカルなギターヒーローセンスを光らせているから面白く、速弾きもメロディアスなプレイもかっちりと弾いて非凡なセンスを覗かせる。
アルバムは冒頭からイモ臭いシャッフルビートでややもっさりした曲調が並ぶので慣れてくると悪くないが始めは少々間延びするだろう。ただ、クラシックギターのテクニックを聴けるイントロや素早いギターソロも聴けるので見捨てられないプレイに耳が向く。B面に入っていくとスピーディな曲が増えて聞きやすくなるが、今度はメンバーの力量不足を感じてしまうので悩ましい。全編を弾くエイドリアン・ヴァンデンバーグのギタープレイだけはエッジも立ち、新たなチャレンジをツッコミながらプレイしているので頼もしく聴ける。ルーツ不明のギターはヨーロッパ系ギタリストの特徴で、クラシックだけでもない微妙な質感がユニークに映る。

最近はどんなギターを使ってもデジタル技術の著しいアンプ側でプリセットされたサウンドでギター本来の音とは関係なく、出したいギタリストの音が出るようだ。ストラト使いながらレスポールのトーンと音色が出せるとは信じ難いが、まるで同じとは言わないまでもほぼ同じ音が出てくるのは、自分でもMacをアンプ代わりにして鳴らしてみると納得する。デジタル技術も相当進化して、今では世界各国のギターマニアが音を作り上げて共有する、プリセットのクラウド化が出来上がり、ギタリストが移動する際もUSB持っていけばギターは何でも良いし、アンプも対応していればUSBに収められたプリセット音が出てくるからツアーするギタリストも楽になるか。それだとカッコ悪いのでシンボル的なギターは持つだろうが、音を鳴らすだけなら、例えばアメリカや英国でレコーディングする時もUSBで間に合う。ところが、そこまで進むと今度は移動する必要もなく、スタジオに入る必要もないからどこまでも理解不能な世界へ突入する。
1982年のVandenberg最初のアルバム「Vandenberg」は市場に好意的に迎え入れられている。オランダ出身のバンドでここまでストレートなハードロック路線で世界レベルに参加してきた人もバンドも珍しい時代。アトランティックの目に触れたからラッキーだったが、ヴァンデンバーグのギタープレイを聴くと、ここまできっちりと丁寧に譜割通りに音を鳴らすギタリストも珍しい。改めて聴くとマイケル・シェンカーよりもかっちりとした譜割のギタープレイがアルバム全編で聴けて教科書的なスタイルを実感する。その分ドライブ感に欠ける気もするが、スタジオ盤なのでそこまで求めなければ単純に佳作揃いのアルバムとプレイで聴ける作品。残念ながらヴァンデンバーグ以外のメンバーの力量があまりにも普通レベルなので目立たず、特にボーカルはレンジが狭くて向かないが、楽曲が70年代から引きずったようなハードロックなのでまだ間に合わせられている。ところがギタープレイだけはこれからを迎える80年代に相応しいテクニカルなギターヒーローセンスを光らせているから面白く、速弾きもメロディアスなプレイもかっちりと弾いて非凡なセンスを覗かせる。
アルバムは冒頭からイモ臭いシャッフルビートでややもっさりした曲調が並ぶので慣れてくると悪くないが始めは少々間延びするだろう。ただ、クラシックギターのテクニックを聴けるイントロや素早いギターソロも聴けるので見捨てられないプレイに耳が向く。B面に入っていくとスピーディな曲が増えて聞きやすくなるが、今度はメンバーの力量不足を感じてしまうので悩ましい。全編を弾くエイドリアン・ヴァンデンバーグのギタープレイだけはエッジも立ち、新たなチャレンジをツッコミながらプレイしているので頼もしく聴ける。ルーツ不明のギターはヨーロッパ系ギタリストの特徴で、クラシックだけでもない微妙な質感がユニークに映る。
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