Iron Maiden - Brave New World
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Iron Maiden - Brave New World (2000)

21世紀のアイアン・メイデンの捉え方は難しい。NWOBHMの成功者の80年代の勢いある時代のサウンドから90年代を経由して時代の波に呑まれてメンバーの離脱や音楽性の深化も同時に進めて暗黒時代に突入しつつもバンドは突き進む。そこで紆余曲折ありながらも2000年にリリースされた本作「Brave New World」で黄金期を支えたボーカルのブルース・ディッキンソンとエイドリアン・スミスの復帰に加えて、暗黒時代を支えたヤニック・ガーズのまさかの滞留によりトリプルギターバンドへと幅を広げていく。結果的に暗黒期に突き進めていたプログレッシブ要素をスピードメタルに持ち込んだスタイルに詰め込まれたサウンドは新進プロデューサー、ケヴィン・シャーリーの密度によるもので80年代とは打って変わったアイアン・メイデンの音が聴ける。
一言で言えば長尺曲が半数以上を占め、長尺曲の醍醐味となるアレンジや楽曲展開や急転直下のドラマティック性を全てヘヴィメタルで執り行い、トリプルギターがそこでも生きてくる未曾有の作品が出来上がった。最初聴いた頃はあまりにも80年代のアイアン・メイデンと異なる重さと密度に戸惑い、あのスピーディで軽やかで疾走感溢れるヘヴィメタルは何処へと懐かしんだ面もあったが、聴けば聴くほどに充実した密度の濃い音が詰め込まれている。ギターリフも以前とは異なる、ある種王道のコードワークによるメタルリフとなり、単音の印象的なリフとは異なるヘヴィさの探求。歌メロはアイアン・メイデンらしさが残されているが、マイナー調の深みが盛り込まれるのは明らかなる深化で、スティーブ・ハリスの本質が出て来た面だろうか。一方で若さだけでもなくなった年代のヘヴィメタルバンドのアルバムで、バリエーションに富んだフレーズと展開は、他のプログレメタル郡とは趣旨の異なる方向性に進み、唐突な変化もあるが、そのぶった切り感はアイアン・メイデンらしい。底辺にある英国的な叙情性やメロディアス性が流れを美しく保ち、ゴツさを一切感じさせない流暢な展開を聴かせる面は素晴らしい歴史の生き証人。
冒頭のスピーディなリフからアイアン・メイデンかと疑うリフでもあるが、正しくブルース・ディッキンソンの歌声で裏切られない姿を堪能し、軽やかでキレのあるギタープレイも馴染み深い。ワンバスにこだわるニコのドラミングも手数はやたらと多いが、楽曲のキメに併せたドラミングはこれまで以上に馴染んだスタイル。そこを唯一人、過去のままグリグリとヘヴィでソリッドなまるで変わらないベースの音をぶち込んでくるスティーブ・ハリスのドライブしまくるベースプレイが凄い。こだわり、変化のないスタイル、ポリシー、だからこそアイアン・メイデンと気を吐いたスタイルは、バンドがどこまで進化しても変わらない姿。結果的にメンバー復帰の大名盤と諸手で迎え入れられたアルバム。

21世紀のアイアン・メイデンの捉え方は難しい。NWOBHMの成功者の80年代の勢いある時代のサウンドから90年代を経由して時代の波に呑まれてメンバーの離脱や音楽性の深化も同時に進めて暗黒時代に突入しつつもバンドは突き進む。そこで紆余曲折ありながらも2000年にリリースされた本作「Brave New World」で黄金期を支えたボーカルのブルース・ディッキンソンとエイドリアン・スミスの復帰に加えて、暗黒時代を支えたヤニック・ガーズのまさかの滞留によりトリプルギターバンドへと幅を広げていく。結果的に暗黒期に突き進めていたプログレッシブ要素をスピードメタルに持ち込んだスタイルに詰め込まれたサウンドは新進プロデューサー、ケヴィン・シャーリーの密度によるもので80年代とは打って変わったアイアン・メイデンの音が聴ける。
一言で言えば長尺曲が半数以上を占め、長尺曲の醍醐味となるアレンジや楽曲展開や急転直下のドラマティック性を全てヘヴィメタルで執り行い、トリプルギターがそこでも生きてくる未曾有の作品が出来上がった。最初聴いた頃はあまりにも80年代のアイアン・メイデンと異なる重さと密度に戸惑い、あのスピーディで軽やかで疾走感溢れるヘヴィメタルは何処へと懐かしんだ面もあったが、聴けば聴くほどに充実した密度の濃い音が詰め込まれている。ギターリフも以前とは異なる、ある種王道のコードワークによるメタルリフとなり、単音の印象的なリフとは異なるヘヴィさの探求。歌メロはアイアン・メイデンらしさが残されているが、マイナー調の深みが盛り込まれるのは明らかなる深化で、スティーブ・ハリスの本質が出て来た面だろうか。一方で若さだけでもなくなった年代のヘヴィメタルバンドのアルバムで、バリエーションに富んだフレーズと展開は、他のプログレメタル郡とは趣旨の異なる方向性に進み、唐突な変化もあるが、そのぶった切り感はアイアン・メイデンらしい。底辺にある英国的な叙情性やメロディアス性が流れを美しく保ち、ゴツさを一切感じさせない流暢な展開を聴かせる面は素晴らしい歴史の生き証人。
冒頭のスピーディなリフからアイアン・メイデンかと疑うリフでもあるが、正しくブルース・ディッキンソンの歌声で裏切られない姿を堪能し、軽やかでキレのあるギタープレイも馴染み深い。ワンバスにこだわるニコのドラミングも手数はやたらと多いが、楽曲のキメに併せたドラミングはこれまで以上に馴染んだスタイル。そこを唯一人、過去のままグリグリとヘヴィでソリッドなまるで変わらないベースの音をぶち込んでくるスティーブ・ハリスのドライブしまくるベースプレイが凄い。こだわり、変化のないスタイル、ポリシー、だからこそアイアン・メイデンと気を吐いたスタイルは、バンドがどこまで進化しても変わらない姿。結果的にメンバー復帰の大名盤と諸手で迎え入れられたアルバム。
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