Cheap Trick - Lap of Luxury
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Cheap Trick - Lap of Luxury (1988)

ボン・ジョヴィが提示した外部ライターの曲をバンドで演奏して売れる手段はエアロスミスでも成功を果たし、その他幾つものバンドで用いられてアイドルのみならず元来音楽集団であるべきロックバンドにも用いてしまう商品化。70年代から活躍したエアロスミスの再生は同時期を生きたバンドの大半が80年代中盤には低迷していた事を考えると、自らもその手段を試してみたくもなるだろう。音楽の才能があるミュージシャンと、売り方を知っているクリエイターとは出来上がってくる楽曲の方向性が異なるから、その作り方ポイントをモノにしておきたい意思もあるかもしれない。ただ、その分往年のリスナーからの離反や反発は大きく受けるし、好意的な批評にも結びつかない。それでも売れれば神の世界だから麻薬のようなものか。
Cheap Trickも80年代は低迷して幾つかヒットらしき曲も放つがメンバーチェンジもあり70年代の黄金期からすればまるで鳴かず飛ばずの時代とも言える中、1988年の作品「Lap of Luxury」ではベースのトム・ピーターソンも復帰してオリジナルメンバーの再編成となり、後はヒットソングだけとなる時に「The Flame」が売れた。MTVでも流れまくり、あのチープ・トリックかと思うばかりの洗練されたサウンドと時代にマッチした、ヒットチャートに並ぶ他の曲と比べても違和感のない楽曲は見事にバンドを再生させた。ただ、外部ライター曲だった一点を除けば。アルバム「Lap of Luxury」もその影響でかなり売れたような気がするが、「The Flame」以外でも結構な数の曲が外部ライター曲になり、それでアルバムのバリエーションは豊富になりつつアルバムの充実度が図られたのも事実。クォリティも高く時代のサウンドで作り上げられた作品となり、他にもシングルヒットも放ったからシーンに復帰、となったようにも見えたがほんの一瞬だったのはエアロスミスとの大きな違い。
改めて聴けば冒頭からリック・ニールセン得意のビートルズポップサウンドで音色のデジタルチープさを除けば何ら変わらないパワーポップセンスが溢れてて悪くないが、確かに70年代からの進歩は著しくないので、外部ライターを使っての作品作りは売れてもおかしくない楽曲集に不思議はない。一方でチープ・トリックのバンドの音は出来上がっているから、そこまで外部ライター曲に抵抗を持たなくても、普通に良いアルバムに聴けるが、ファンが許さないのだろうか。厳しいものだ。ただ、何度も聴くアルバムの深みは見当たらないので、ファンのチープ・トリックに対する音の深さのセンスは当たっているし、だからこそロックバンド。どうしても魂売ったバンドになってしまうが、そこをぶっ飛ばすパワーがあれば違ったはず。チープ・トリックに限らずこの時代に奮起したロックバンドのほぼ大半が沈没していったのは時代の流れも大きかった。悪く書けばロックスピリットの欠片も感じられないアルバム。良く書けば良質な作品が並ぶアルバム。ロックファンか売れ線好きかの違いだけ。

ボン・ジョヴィが提示した外部ライターの曲をバンドで演奏して売れる手段はエアロスミスでも成功を果たし、その他幾つものバンドで用いられてアイドルのみならず元来音楽集団であるべきロックバンドにも用いてしまう商品化。70年代から活躍したエアロスミスの再生は同時期を生きたバンドの大半が80年代中盤には低迷していた事を考えると、自らもその手段を試してみたくもなるだろう。音楽の才能があるミュージシャンと、売り方を知っているクリエイターとは出来上がってくる楽曲の方向性が異なるから、その作り方ポイントをモノにしておきたい意思もあるかもしれない。ただ、その分往年のリスナーからの離反や反発は大きく受けるし、好意的な批評にも結びつかない。それでも売れれば神の世界だから麻薬のようなものか。
Cheap Trickも80年代は低迷して幾つかヒットらしき曲も放つがメンバーチェンジもあり70年代の黄金期からすればまるで鳴かず飛ばずの時代とも言える中、1988年の作品「Lap of Luxury」ではベースのトム・ピーターソンも復帰してオリジナルメンバーの再編成となり、後はヒットソングだけとなる時に「The Flame」が売れた。MTVでも流れまくり、あのチープ・トリックかと思うばかりの洗練されたサウンドと時代にマッチした、ヒットチャートに並ぶ他の曲と比べても違和感のない楽曲は見事にバンドを再生させた。ただ、外部ライター曲だった一点を除けば。アルバム「Lap of Luxury」もその影響でかなり売れたような気がするが、「The Flame」以外でも結構な数の曲が外部ライター曲になり、それでアルバムのバリエーションは豊富になりつつアルバムの充実度が図られたのも事実。クォリティも高く時代のサウンドで作り上げられた作品となり、他にもシングルヒットも放ったからシーンに復帰、となったようにも見えたがほんの一瞬だったのはエアロスミスとの大きな違い。
改めて聴けば冒頭からリック・ニールセン得意のビートルズポップサウンドで音色のデジタルチープさを除けば何ら変わらないパワーポップセンスが溢れてて悪くないが、確かに70年代からの進歩は著しくないので、外部ライターを使っての作品作りは売れてもおかしくない楽曲集に不思議はない。一方でチープ・トリックのバンドの音は出来上がっているから、そこまで外部ライター曲に抵抗を持たなくても、普通に良いアルバムに聴けるが、ファンが許さないのだろうか。厳しいものだ。ただ、何度も聴くアルバムの深みは見当たらないので、ファンのチープ・トリックに対する音の深さのセンスは当たっているし、だからこそロックバンド。どうしても魂売ったバンドになってしまうが、そこをぶっ飛ばすパワーがあれば違ったはず。チープ・トリックに限らずこの時代に奮起したロックバンドのほぼ大半が沈没していったのは時代の流れも大きかった。悪く書けばロックスピリットの欠片も感じられないアルバム。良く書けば良質な作品が並ぶアルバム。ロックファンか売れ線好きかの違いだけ。
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