Lenny Kravitz - Let Love Rule
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Lenny Kravitz - Let Love Rule (1989)

レニー・クラヴィッツの登場とシーンの活躍、ヒット曲とMTVの露出と時代は80年代末期頃から名を聞くようになり、90年代初頭にはかなりの名声を博していた記憶。最初出てきた時の立ち位置の難しさ、あくまでもリスナー側がどう聴けば良いのか困ったアーティストだった。当時既にロック小僧、特にハードロックやブルース・ロック小僧と化していた自分ではレニー・クラヴィッツをプリンスと同様に捉えるべきか、もっとロック寄りのジョン・レノン風に捉えるべきか分からなかった。音楽だけを聴いて好む好まない話なら良かったが、それも難しくて歪んだギター一色でロックが奏でられているならともかく、もっと凝ったソウルな演出とロックの合いの子的作品と、時代の割にチープな音とガレージ的サウンドで他との一線を画していたから悩ましい。
1989年リリースのレニー・クラヴィッツ最初のアルバム「Let Love Rule」は全編一人で演奏して録音した作品と知られていたが、聴く側ではさほど大した理由でもなく、アルバムが楽しめるか、良い作品かがキモでしかなかったから随分とチープな録音が珍しかった方が強い。曲の演奏はその意味ではバンドの奏でるアグレッシブさは当然期待できず、実際グルーブは皆無なベタサウンドで音が重ねられているので、唯一つ、歌の熱意がジョン・レノン的と称されたように、魂の叫び的に聞こえる歌唱力が幾つかの曲で聴かれたから気になった。その時に良いとは思わず、熱唱している姿が珍しかったと聴いていた。今思えばジョン・レノンもあるが、カーティス・メイフィールドやソウルの歌唱の影響とは分かるが、当時はそこまで聴いていなかったので妙に響きやすい歌声と聴いてた。ロックでしかないが、自分が知ってたロックではなかったから、戸惑ったしそこまで聴き惚れなかった。ただ、凄く良いアルバムだと思ってたし、まるで他とは異なる世界の住人の作品とも認識していた。
改めて聴き直しているが、若さ溢れる熱意とアルバムや楽曲、作品に賭ける意気込みの強さは圧倒的で、一人録音も悪く言えば単なるデモテープに毛が生えたレベルでしかないにもかかわらず、その想いが全てに勝った内容が聴ける素晴らしさ。シンプルな楽曲と演奏に自身の歌唱力だけでアルバムを聴き通させる深みが伝わってくる。ロックの良さとは異なったソウルの歌声の雰囲気が強いので、今でも戸惑いながら聴くが、ハートに響く作品に間違いはない。思えばバブリー終末期に次なる90年代を予感したかのようなシンプルでソリッドで退廃感すら漂う作品を出してきたセンスは時代を先取っていた。そのセンスが90年代に大きく飛躍していくが、本作でも十二分にメロウさが発揮されている。

レニー・クラヴィッツの登場とシーンの活躍、ヒット曲とMTVの露出と時代は80年代末期頃から名を聞くようになり、90年代初頭にはかなりの名声を博していた記憶。最初出てきた時の立ち位置の難しさ、あくまでもリスナー側がどう聴けば良いのか困ったアーティストだった。当時既にロック小僧、特にハードロックやブルース・ロック小僧と化していた自分ではレニー・クラヴィッツをプリンスと同様に捉えるべきか、もっとロック寄りのジョン・レノン風に捉えるべきか分からなかった。音楽だけを聴いて好む好まない話なら良かったが、それも難しくて歪んだギター一色でロックが奏でられているならともかく、もっと凝ったソウルな演出とロックの合いの子的作品と、時代の割にチープな音とガレージ的サウンドで他との一線を画していたから悩ましい。
1989年リリースのレニー・クラヴィッツ最初のアルバム「Let Love Rule」は全編一人で演奏して録音した作品と知られていたが、聴く側ではさほど大した理由でもなく、アルバムが楽しめるか、良い作品かがキモでしかなかったから随分とチープな録音が珍しかった方が強い。曲の演奏はその意味ではバンドの奏でるアグレッシブさは当然期待できず、実際グルーブは皆無なベタサウンドで音が重ねられているので、唯一つ、歌の熱意がジョン・レノン的と称されたように、魂の叫び的に聞こえる歌唱力が幾つかの曲で聴かれたから気になった。その時に良いとは思わず、熱唱している姿が珍しかったと聴いていた。今思えばジョン・レノンもあるが、カーティス・メイフィールドやソウルの歌唱の影響とは分かるが、当時はそこまで聴いていなかったので妙に響きやすい歌声と聴いてた。ロックでしかないが、自分が知ってたロックではなかったから、戸惑ったしそこまで聴き惚れなかった。ただ、凄く良いアルバムだと思ってたし、まるで他とは異なる世界の住人の作品とも認識していた。
改めて聴き直しているが、若さ溢れる熱意とアルバムや楽曲、作品に賭ける意気込みの強さは圧倒的で、一人録音も悪く言えば単なるデモテープに毛が生えたレベルでしかないにもかかわらず、その想いが全てに勝った内容が聴ける素晴らしさ。シンプルな楽曲と演奏に自身の歌唱力だけでアルバムを聴き通させる深みが伝わってくる。ロックの良さとは異なったソウルの歌声の雰囲気が強いので、今でも戸惑いながら聴くが、ハートに響く作品に間違いはない。思えばバブリー終末期に次なる90年代を予感したかのようなシンプルでソリッドで退廃感すら漂う作品を出してきたセンスは時代を先取っていた。そのセンスが90年代に大きく飛躍していくが、本作でも十二分にメロウさが発揮されている。
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