Madder Mortem - Eight Ways
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Madder Mortem - Eight Ways (2009)

これまでに聴いた事のないサウンドとの出会いは何度もあるが、衝撃を受けて取り憑かれる場合と凄いけど好まないので二度は聴かない音に分かれる。アンビエントやアバンギャルドと形容される世界は後者になる場合が多く、聴いた時の衝撃は凄まじいがずっと聴いていられないので凄さとインパクトだけを良しとして次に移る。前者は好みが合致した場合なので数多くはないが、それでも10年スパンでは幾つかのバンドにその衝撃を受けて今でも聴き続けているケース。ありがたい衝撃で今後もこの刺激を求めてロックを探し続けるだろうから、いつのバンドかは関係ない。いつの時代でも聴き漏れるバンドやアルバムはあるし後にしか浮上しない場合もあるので聞ければ良し。それほどリアルな情報に追いついていける自信もないからだが。
ノルウェーのMadder Mortemの2009年リリース5枚目のアルバム「Eight Ways」を聴いた時は微妙な衝撃を受けた。当時この手の作品を漁っていた時には名前に遭遇しなかったので全く知らなかったが、あとで掘り下げていくとぶつかったバンドで、今回もノルウェー掘り下げをしていて出てきたのでその衝撃を再度味わった。前作まではもう少し普通にゴシックメタル的な聴き方の出来たバンドの認識だったが、今作「Eight Ways」は冒頭から耳を惹くぶっ飛び具合。ゴシックメタルの思い込みを捨てて耳にしないと頭が宇宙に行ってしまって理解不能になるので、名も知らぬバンドに取り組みような感覚で聴くべきアルバム。言うならばアバンギャルドゴシックシンフォニックメタルサウンドだろうか、ふわふわしながらメタルのどこにも属さない一方で完全にアバンギャルドスタンスが漂い、突如ザクザクのメタルギターに囲まれてヘヴィネスな世界に放り込まれ、一気に世界はダークネスに覆われるムードの凄まじさ。1曲目のアバンギャルド感は序章にしか過ぎず、2曲目以降の連続する大河ドラマ的なヘヴィネスな世界と強力なドラマティック的展開は曲が分かれている事は認識するものの、ひとつのドラマが多く創り込まれているようで素晴らしい世界を広げてくれる。それはゴシックメタルには少々物足りず、シンフォニックにはまだ足りないながら確実に物語を紡ぎ上げているドラマティックなサウンド。
ボーカルを担っているアグネッテ嬢も随分と幅広い歌唱力を誇り、力強いヒステリックな歌からアバンギャルドに相応しい浮遊感のある歌声まで操る才女で、太くもか弱くも出せる器用さはバンドの幅を押し広げている面もあるか。1999年にデビューして現在でも活動しているので着実に歩みを進めているノルウェーではミドルクラスのバンドと思われるが、本作の充実ぶりは恐らく最高傑作の称号を得ている。他のアルバムもじっくりと聴いておきたいと思わせるぶっ飛んだアルバム。ヘヴィメタルの懐の深さと幅の広さはこういうバンドの音を聴くとつくづく実感する。アルバムジャケットのメルヘンチックさとアルバムのサウンドがまるでアンマッチと苦笑いしながら聴いていたものの、アルバムを最後まで聴き通すとどこか意味が通じてしまう不思議な突き抜け感もジャケットの深い意味。随分と奥の深いバンド。

これまでに聴いた事のないサウンドとの出会いは何度もあるが、衝撃を受けて取り憑かれる場合と凄いけど好まないので二度は聴かない音に分かれる。アンビエントやアバンギャルドと形容される世界は後者になる場合が多く、聴いた時の衝撃は凄まじいがずっと聴いていられないので凄さとインパクトだけを良しとして次に移る。前者は好みが合致した場合なので数多くはないが、それでも10年スパンでは幾つかのバンドにその衝撃を受けて今でも聴き続けているケース。ありがたい衝撃で今後もこの刺激を求めてロックを探し続けるだろうから、いつのバンドかは関係ない。いつの時代でも聴き漏れるバンドやアルバムはあるし後にしか浮上しない場合もあるので聞ければ良し。それほどリアルな情報に追いついていける自信もないからだが。
ノルウェーのMadder Mortemの2009年リリース5枚目のアルバム「Eight Ways」を聴いた時は微妙な衝撃を受けた。当時この手の作品を漁っていた時には名前に遭遇しなかったので全く知らなかったが、あとで掘り下げていくとぶつかったバンドで、今回もノルウェー掘り下げをしていて出てきたのでその衝撃を再度味わった。前作まではもう少し普通にゴシックメタル的な聴き方の出来たバンドの認識だったが、今作「Eight Ways」は冒頭から耳を惹くぶっ飛び具合。ゴシックメタルの思い込みを捨てて耳にしないと頭が宇宙に行ってしまって理解不能になるので、名も知らぬバンドに取り組みような感覚で聴くべきアルバム。言うならばアバンギャルドゴシックシンフォニックメタルサウンドだろうか、ふわふわしながらメタルのどこにも属さない一方で完全にアバンギャルドスタンスが漂い、突如ザクザクのメタルギターに囲まれてヘヴィネスな世界に放り込まれ、一気に世界はダークネスに覆われるムードの凄まじさ。1曲目のアバンギャルド感は序章にしか過ぎず、2曲目以降の連続する大河ドラマ的なヘヴィネスな世界と強力なドラマティック的展開は曲が分かれている事は認識するものの、ひとつのドラマが多く創り込まれているようで素晴らしい世界を広げてくれる。それはゴシックメタルには少々物足りず、シンフォニックにはまだ足りないながら確実に物語を紡ぎ上げているドラマティックなサウンド。
ボーカルを担っているアグネッテ嬢も随分と幅広い歌唱力を誇り、力強いヒステリックな歌からアバンギャルドに相応しい浮遊感のある歌声まで操る才女で、太くもか弱くも出せる器用さはバンドの幅を押し広げている面もあるか。1999年にデビューして現在でも活動しているので着実に歩みを進めているノルウェーではミドルクラスのバンドと思われるが、本作の充実ぶりは恐らく最高傑作の称号を得ている。他のアルバムもじっくりと聴いておきたいと思わせるぶっ飛んだアルバム。ヘヴィメタルの懐の深さと幅の広さはこういうバンドの音を聴くとつくづく実感する。アルバムジャケットのメルヘンチックさとアルバムのサウンドがまるでアンマッチと苦笑いしながら聴いていたものの、アルバムを最後まで聴き通すとどこか意味が通じてしまう不思議な突き抜け感もジャケットの深い意味。随分と奥の深いバンド。
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