The Gathering - The West Pole
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The Gathering - The West Pole (2009)

嬢メタル、フィメールゴシックメタルを目にして耳にした時から自分の好みがそこに留まるとはあまり思わなかったが、元来の女性ボーカル好きに加えてヨーロッパの雰囲気と荘厳なムード、シンフォニックでヘヴィなスタイルが案外マッチして今でも割と聴いている部類。一方嬢メタルを奏でるバンドは瞬時にしてシーンから消え去り、残るべきバンドしか残っていない音楽産業の厳しさも明白に見えた。残るべきバンドはそのままゴシックメタルに留まる事もなく、それぞれの発展した方向を見定めて進んでいるので、古くからロックの成り立ちと同じく進化して生き残るのみと実践されている。概ねその流れも追いかけつつ今でも聴いているが、The Gatheringはアンビエントサウンドに進化したからあまり好まず、追いかけないままに放置していた。ましてやアネク嬢の脱退後はほぼ気にする事なく過ぎ去っていたが、ふとした時に聴いたその頃のサウンドが妙に気になり、また最近アンビエントにも触れていたので、何処となく気になり手を付けてみた。
The Gatheringの2009年リリース作「The West Pole」は先のアネク嬢脱退後、セリア嬢が加入して最初のアルバム。まずはこの代わったボーカリスト、セリア嬢の歌声が気になるが驚く事にアネク嬢と変わらない程のクォリティの高さの歌声と質感で、天上のエンジェルボイスが聴かれる。それだけでThe Gathering安泰と太鼓判が押されるが、生み出されたアルバムサウンドも正しくThe Gatheringの進化系でバンドのレベルの高さが伺い知れる素晴らしき世界。一般にアンビエントと称される音の世界よりも透明感ある粗い粒の歪んだギターで、空間を埋め尽くしながら大らかでゆったりとしたリズムと揺れる世界を生み、セリア嬢の歌声が舞う素晴らしき雰囲気。これがThe Gatheringの創り上げた新しいアンビエントスタイルの、ゴシックメタルから進化した大人の世界に踏み込んだ世界かと感心する程に美しく、70年代英国の耽美系アーティストやバンドの奏でる世界ほどに暗くなく、決して明るい音ではないがそこは美しい色合いが見える暖色系の世界。メタルではないが単なるロックの世界でもない。アンビエントと言うにはロックすぎる不思議な空間系サウンド。
そして注目したきっかけの「Pale Traces」は案の定Stream of Passionで知られたマルセラ嬢がゲストボーカルながら全編で歌い上げており、The Gatheringとの相性の良さを映し出した作品。元々アネク嬢と仲の良いマルセラ嬢がアネク嬢脱退後のバンドの元サヤで歌っているのも不思議な関係性だが、セリア嬢の透明感が流れていた後に聴くマルセラ嬢の美しき艷やかでダークな声質はアルバムの程良いアクセントと重厚さを放つバランス。この曲だけ聴いていると何聴いてたか完全にすり替えられてしまう程の印象深いボーカルスタイル。またセリア嬢の歌声に戻ってくると軽やかさにホッとする安心感が倍増するのも良く出来ている。アンビエントと言えばその通りながら、The Gatheringにしか到達出来なかったロックアンビエントな世界が自信満々に繰り広げられている傑作。

嬢メタル、フィメールゴシックメタルを目にして耳にした時から自分の好みがそこに留まるとはあまり思わなかったが、元来の女性ボーカル好きに加えてヨーロッパの雰囲気と荘厳なムード、シンフォニックでヘヴィなスタイルが案外マッチして今でも割と聴いている部類。一方嬢メタルを奏でるバンドは瞬時にしてシーンから消え去り、残るべきバンドしか残っていない音楽産業の厳しさも明白に見えた。残るべきバンドはそのままゴシックメタルに留まる事もなく、それぞれの発展した方向を見定めて進んでいるので、古くからロックの成り立ちと同じく進化して生き残るのみと実践されている。概ねその流れも追いかけつつ今でも聴いているが、The Gatheringはアンビエントサウンドに進化したからあまり好まず、追いかけないままに放置していた。ましてやアネク嬢の脱退後はほぼ気にする事なく過ぎ去っていたが、ふとした時に聴いたその頃のサウンドが妙に気になり、また最近アンビエントにも触れていたので、何処となく気になり手を付けてみた。
The Gatheringの2009年リリース作「The West Pole」は先のアネク嬢脱退後、セリア嬢が加入して最初のアルバム。まずはこの代わったボーカリスト、セリア嬢の歌声が気になるが驚く事にアネク嬢と変わらない程のクォリティの高さの歌声と質感で、天上のエンジェルボイスが聴かれる。それだけでThe Gathering安泰と太鼓判が押されるが、生み出されたアルバムサウンドも正しくThe Gatheringの進化系でバンドのレベルの高さが伺い知れる素晴らしき世界。一般にアンビエントと称される音の世界よりも透明感ある粗い粒の歪んだギターで、空間を埋め尽くしながら大らかでゆったりとしたリズムと揺れる世界を生み、セリア嬢の歌声が舞う素晴らしき雰囲気。これがThe Gatheringの創り上げた新しいアンビエントスタイルの、ゴシックメタルから進化した大人の世界に踏み込んだ世界かと感心する程に美しく、70年代英国の耽美系アーティストやバンドの奏でる世界ほどに暗くなく、決して明るい音ではないがそこは美しい色合いが見える暖色系の世界。メタルではないが単なるロックの世界でもない。アンビエントと言うにはロックすぎる不思議な空間系サウンド。
そして注目したきっかけの「Pale Traces」は案の定Stream of Passionで知られたマルセラ嬢がゲストボーカルながら全編で歌い上げており、The Gatheringとの相性の良さを映し出した作品。元々アネク嬢と仲の良いマルセラ嬢がアネク嬢脱退後のバンドの元サヤで歌っているのも不思議な関係性だが、セリア嬢の透明感が流れていた後に聴くマルセラ嬢の美しき艷やかでダークな声質はアルバムの程良いアクセントと重厚さを放つバランス。この曲だけ聴いていると何聴いてたか完全にすり替えられてしまう程の印象深いボーカルスタイル。またセリア嬢の歌声に戻ってくると軽やかさにホッとする安心感が倍増するのも良く出来ている。アンビエントと言えばその通りながら、The Gatheringにしか到達出来なかったロックアンビエントな世界が自信満々に繰り広げられている傑作。
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