The Third and the Mortal - Tears Laid in Earth
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The Third and the Mortal - Tears Laid in Earth (1994)

リアルタイムの90年代にThe Third and the Mortalのファーストアルバム「Tears Laid in Earth」を聴いたとしても恐らく当時の自分の音楽的好みからすると全く受け入れなかったし、好まなかったのは間違いない。また、その革新性にも気づかなかったし名盤と言われてもピンと来ないアルバムだったと思う。必ずしもリアルタイム時に聴いた方が良いアルバムや音ばかりでもなく、時間が経過してから聴いて初めてその価値が分かる時もある。感性が敏感な方は飛び付く人もいたが、自分にその感性は伴っていなかった。実際当時聴いてはいないけど、その頃はヘヴィメタル界隈をほぼ全く通らないでロックの世界を味わっていたから明らかに理解出来なかったと想像する。
1994年にリリースされたThe Third and the Mortalのファーストアルバム「Tears Laid in Earth」はその前のEP「Sorrow」に続くフルレンスアルバムで、恐らく世界で最初にヘヴィメタルなサウンドに耽美系女流ボーカルを配した後のゴシックメタルと言われる世界観をアルバムに記している。ギターソロもほとんど現れず、カリ・ルエスラッテンのか弱く美しく耽美的なボーカルが浮遊するスローなリズムでヨーロッパ的に展開されるゴシックの世界、またはアンビエントで美しき世界は今のその手の作品にまで影響を及ぼす元祖のサウンド。ゴシックメタルの始祖がParadice Lostの「Gothic」とするならば耽美系女流ゴシックメタルの祖は本作。自分も既にゴシックメタルを聴いてから随分な年数が経過するが、今にして初めてその始祖を知り把握して聴いて、その美しさに改めて感動している最中。丁寧に書けばThe Third and the Mortalはヘヴィメタルバンドではないし、出てくる音もヘヴィメタルではない。しかし耽美的な歌声と陰鬱なムードに荘厳な雰囲気をスローなリズムとヘヴィなベース、そして歪んだギターでバックに分厚い壁を作り上げた中をカリ・ルエスラッテンがモードで歌い上げていく不思議。明らかにアンビエントな音世界の手前でクラシカルな音楽知識がなければ出て来ないと思われるミュージシャン達の作品。
カリ・ルエスラッテン参加作は先のEPと本作だけで脱退してしまい、The Third and the Mortalは後に新たなボーカルを入れて更に進むが、その時は歪んだギター色も削られてアンビエント要素が強くなるので、本作までのスタンスは唯一無二の奇跡の作品。だからこそ後のバンドがここを目指してこの美しき耽美的世界を紡ぎ上げるべく切磋琢磨して出て来た。恐るべしノルウェーの奇跡。北欧からだから出て来た素晴らしき世界はこの後20年程で成熟したゴシックメタルを築き上げられている。改めてこの時代からこのような音を紡ぎ上げていたThe Third and the Mortalの才能に驚く。表舞台ではGuns' RosesやNirvanaが台頭しており、HIp HopやRapが世間を賑わせていた時代にノルウェーのメタルシーンではこのギャップ。素晴らしい。当時聴いてても理解出来なかった事は想像に難くないが、今聴けば何と素晴らしい世界。

リアルタイムの90年代にThe Third and the Mortalのファーストアルバム「Tears Laid in Earth」を聴いたとしても恐らく当時の自分の音楽的好みからすると全く受け入れなかったし、好まなかったのは間違いない。また、その革新性にも気づかなかったし名盤と言われてもピンと来ないアルバムだったと思う。必ずしもリアルタイム時に聴いた方が良いアルバムや音ばかりでもなく、時間が経過してから聴いて初めてその価値が分かる時もある。感性が敏感な方は飛び付く人もいたが、自分にその感性は伴っていなかった。実際当時聴いてはいないけど、その頃はヘヴィメタル界隈をほぼ全く通らないでロックの世界を味わっていたから明らかに理解出来なかったと想像する。
1994年にリリースされたThe Third and the Mortalのファーストアルバム「Tears Laid in Earth」はその前のEP「Sorrow」に続くフルレンスアルバムで、恐らく世界で最初にヘヴィメタルなサウンドに耽美系女流ボーカルを配した後のゴシックメタルと言われる世界観をアルバムに記している。ギターソロもほとんど現れず、カリ・ルエスラッテンのか弱く美しく耽美的なボーカルが浮遊するスローなリズムでヨーロッパ的に展開されるゴシックの世界、またはアンビエントで美しき世界は今のその手の作品にまで影響を及ぼす元祖のサウンド。ゴシックメタルの始祖がParadice Lostの「Gothic」とするならば耽美系女流ゴシックメタルの祖は本作。自分も既にゴシックメタルを聴いてから随分な年数が経過するが、今にして初めてその始祖を知り把握して聴いて、その美しさに改めて感動している最中。丁寧に書けばThe Third and the Mortalはヘヴィメタルバンドではないし、出てくる音もヘヴィメタルではない。しかし耽美的な歌声と陰鬱なムードに荘厳な雰囲気をスローなリズムとヘヴィなベース、そして歪んだギターでバックに分厚い壁を作り上げた中をカリ・ルエスラッテンがモードで歌い上げていく不思議。明らかにアンビエントな音世界の手前でクラシカルな音楽知識がなければ出て来ないと思われるミュージシャン達の作品。
カリ・ルエスラッテン参加作は先のEPと本作だけで脱退してしまい、The Third and the Mortalは後に新たなボーカルを入れて更に進むが、その時は歪んだギター色も削られてアンビエント要素が強くなるので、本作までのスタンスは唯一無二の奇跡の作品。だからこそ後のバンドがここを目指してこの美しき耽美的世界を紡ぎ上げるべく切磋琢磨して出て来た。恐るべしノルウェーの奇跡。北欧からだから出て来た素晴らしき世界はこの後20年程で成熟したゴシックメタルを築き上げられている。改めてこの時代からこのような音を紡ぎ上げていたThe Third and the Mortalの才能に驚く。表舞台ではGuns' RosesやNirvanaが台頭しており、HIp HopやRapが世間を賑わせていた時代にノルウェーのメタルシーンではこのギャップ。素晴らしい。当時聴いてても理解出来なかった事は想像に難くないが、今聴けば何と素晴らしい世界。
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