Otis Spann - Is the Blues
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Otis Spann - Is the Blues (1960)

50年代頃の黒人ブルースを奏でていた連中の中でピアノを弾くプレイヤーが何人か目立つが、時代性を考慮すると当然正式な音楽教育でピアノを弾いていたとも思えないので、恐らくはピアノや鍵盤がある環境で育った人と思うが、それでも教会くらいしか思い付かず、稀な境遇の中から更にジャズやブルースやゴスペルを自然に吸収して演奏にのめり込んでいったのだろうか。それを言えばギターもハープも同じかもしれないが、どちらももうちょっと身近で手に入れられそうな気がする。ピアノはそうもいかないので特殊状況が伴う楽器のイメージ。それでも50年代のチェスレコードを代表するオーティス・スパンは素晴らしいピアノブルースを奏でる人で、希少な存在からか数多くのセッションに参加している。
1960年にチェスではなくニューヨークのCanditレーベルからリリースされたOtis Spannの最初のソロ名義アルバム「Is the Blues」はロバート・ロックウッド・ジュニアと二人でピアノとギターとボーカルだけで作り上げられた珍しい作風のブルースアルバム。基本的にオーティス・スパンのピアノが一人でブルースを奏でて歌っているので、完全ソロアルバムに近いがロバート・ロックウッド・ジュニアのギターも全編味わい深く鳴らされているから、当時の二人の信頼関係がヒシヒシと伝わってくる。ピアノを聴いていても決してブルースに特化しているだけとも思えず、時代もあるからジャズピアノも普通に弾けてしまう感触を感じる流れるようなスタイルが美しく、ブルースにこだわる理由もなさそうだが、珍しい第一人者の立ち位置を認識していたからこそのプレイか。
キャリアを通じて大部分はチェスのブルースメンとのセッション活動に始終していた印象も強かったが、改めて活動歴を調べると1969年代はソロ活動も盛んで幾つもアルバムをリリースしている。ところがチェスからは一枚もリリースされておらず、毎回レーベルが異なる、もしくはBluesWays、Vanguardなどマイナーなレーベルからのリリースばかりで自由さを求めたのか、ヒットシングルからは離れた活動が好ましかったようにも思える。これだけ自由自在にピアノの音と遊べる人なら何でも出来ただろうし、普段はあまりピアノだけを聴くブルースもないので、斬新に響く作品。

50年代頃の黒人ブルースを奏でていた連中の中でピアノを弾くプレイヤーが何人か目立つが、時代性を考慮すると当然正式な音楽教育でピアノを弾いていたとも思えないので、恐らくはピアノや鍵盤がある環境で育った人と思うが、それでも教会くらいしか思い付かず、稀な境遇の中から更にジャズやブルースやゴスペルを自然に吸収して演奏にのめり込んでいったのだろうか。それを言えばギターもハープも同じかもしれないが、どちらももうちょっと身近で手に入れられそうな気がする。ピアノはそうもいかないので特殊状況が伴う楽器のイメージ。それでも50年代のチェスレコードを代表するオーティス・スパンは素晴らしいピアノブルースを奏でる人で、希少な存在からか数多くのセッションに参加している。
1960年にチェスではなくニューヨークのCanditレーベルからリリースされたOtis Spannの最初のソロ名義アルバム「Is the Blues」はロバート・ロックウッド・ジュニアと二人でピアノとギターとボーカルだけで作り上げられた珍しい作風のブルースアルバム。基本的にオーティス・スパンのピアノが一人でブルースを奏でて歌っているので、完全ソロアルバムに近いがロバート・ロックウッド・ジュニアのギターも全編味わい深く鳴らされているから、当時の二人の信頼関係がヒシヒシと伝わってくる。ピアノを聴いていても決してブルースに特化しているだけとも思えず、時代もあるからジャズピアノも普通に弾けてしまう感触を感じる流れるようなスタイルが美しく、ブルースにこだわる理由もなさそうだが、珍しい第一人者の立ち位置を認識していたからこそのプレイか。
キャリアを通じて大部分はチェスのブルースメンとのセッション活動に始終していた印象も強かったが、改めて活動歴を調べると1969年代はソロ活動も盛んで幾つもアルバムをリリースしている。ところがチェスからは一枚もリリースされておらず、毎回レーベルが異なる、もしくはBluesWays、Vanguardなどマイナーなレーベルからのリリースばかりで自由さを求めたのか、ヒットシングルからは離れた活動が好ましかったようにも思える。これだけ自由自在にピアノの音と遊べる人なら何でも出来ただろうし、普段はあまりピアノだけを聴くブルースもないので、斬新に響く作品。
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