Junior Wells - Blues Hit Big Town

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Junior Wells - Blues Hit Big Town
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 チェス・レコードお抱えミュージシャンの功績著しくと思いつつ他のブルースメンにも手を伸ばしていくと、しっかりとその面々がこぞって参加しているから畏れ入る。単純にチェスだけにこだわらず、仲間内で誰がリーダーになる作品か変わっていくだけ、またはその周囲で面白そうであればバックを務めるメンバーも大抵決まってしまうのも世の常、案外狭い世界でブルースは産声を上げ、育てられていたようにも思える。ハープブルースとなればギタリストにはそこまで派手なプレイヤーも必要なくなるが、それでも今となってはビッグネームが平気でバックに参加している面白さ。シカゴブルース界隈は実に家族感溢れる中で仕事を回していたように見える。

 Junior Wellsの初期セッション集「Blues Hit Big Town」。ジュニア・ウェルズはリトル・ウォルターの後任でマディ・ウォーターズのバンドに参加した関係上、その界隈のメンバーとも交流を重ねるようになり、結果的に50年代にも幾つかの作品を残しているが、当時単独ではそこまで目立たず埋もれた才能でもあったようだ。60年代に入ってから徐々に知名度を上げ、バディ・ガイとのセッションで精力的な活動がメジャーに知られるが、その前の初期作品では、マディ・ウォーターズ関係からマディ・ウォーターズのギターが入ったセッション、またエルモア・ジェームズが参加したシングルもあり、マディ・ウォーターズ参加のセッションでは当然の如くウィリー・ディクソンやフレッド・ベロウも参加しているから全くリトル・ウォルターの後釜的セッション。ここでも不思議なのはまたまるで異なる音像が聴ける姿。メンツは同じながら歌とハープが異なるだけでジュニア・ウェルズ的サウンドになっている。敢えて言うならばやや軽めのブルーススタイルでロックとブルースの中間に位置するような作風。

 一般にはバディ・ガイとセットの覚えられ方だし、自分もそうして知った。バディ・ガイとは別のジュニア・ウェルズを知りたくて初期作品に手を伸ばしていたが、ここまでそれぞれのハーピストの個性が幅広いとは思ってなかった。ギターですらさほどに変化を認識しきれない時が多いが、ハープ作品の方が作風の違いが分かりやすいのは不思議。楽曲は似たようなモノだから明らかに取り組みの違いでしかない。ブルースは深い。





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フレ
Posted byフレ

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