Little Walter - Hate To See You Go

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Little Walter - Hate To See You Go (1969)
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 チェス・レコードとブルースは共に切磋琢磨して、もしくは双方が協力しながら黄金時代を作り、歴史を創り上げた面が強い。モータウンほどではないが、チェスが抱えていたミュージシャン連中がそのままブルースの歴史を作り上げており、ソニー・ボーイ・ウィリアムソンの時代、即ち1950年代からその歩みを始め、70年代に至るまでブルースを盛り上げ、その勢いでロックも盛り上がっている。これまで名前は聞いたが、ブルースハーピストだからそこまで聴き込んではいなかった往年のブルースメンに手を伸ばしている。ソニー・ボーイ・ウィリアムソンのスタンダードさとバンドメンバーのプレイを改めて味わったので、知られたハーピストながら取り組めていなかったリトル・ウォルターを手に取った。

 Little Walterのセカンドアルバム「Hate To See You Go」は、リリースこそ1969年だが、1952年から60年頃までのシングル曲を網羅した、こちらもベストヒットシングル集作品。時代的にはソニー・ボーイ・ウィリアムソンとほぼ同じ時期のチェス・レコード本体からの作品だからか、バンドメンバーがほぼ同じ。ピアノはおらず、ロバート・ロックウッド・ジュニアがギターを弾き、ウィリー・ディクソンがベース、フレッド・ベロウがドラムとそのままのメンツによるセッション。ソニー・ボーイ・ウィリアムソンのハープの代わりにリトル・ウォルターが吹いているようなものだが、出てくる音がまるで異なるプロフェッショナルさ加減。これもリトル・ウォルターの歌とハープ、それに加えての楽曲のアプローチが異なるからだろうか、実に楽器の音色が生々しく、目の前で演奏しているかのような迫力は今でも出せない奥深さだろう。もしかしたらマイク一本で全員で一発で行ったセッションを録音しているからだろうか、やたらとカッコ良く響き、まさにロック最初期の迫力と同じ熱気を感じられる。

 リトル・ウォルターの歌声がブルースよりもロック的な叫び方歌い方、そこに入るギターも絶妙なスタイルで、後のストーンズ連中が模倣したそのままが聴ける。オーソドックスな黒人ブルースを聴くよりもロックに近いサウンドのブルースを聴くならリトル・ウォルターの作品だ。ストーンズやクラプトンの合間にこのレコードを流しても全く違和感なくロックに聴こえるカッコ良さ。





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フレ
Posted byフレ

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