Prince - Nothing Compares 2 U
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Prince - Nothing Compares 2 U (2018)

「Nothing Compares 2 U」を今更ながらに聴いて、曲の良さと歌詞の素晴らしさも含めて改めてプリンスの才能の凄さを実感。そして一方ではプリンスからThe Familyに渡したアレンジと演奏、歌唱力ではまるでヒットにつながらず存在すら危ぶまれた楽曲が、シニード・オコナーのストイックなまでのストレートな歌唱力で大ヒットを放った事実は、プリンスにどうしようもないやるせなさを味わせたような気がする。楽曲は最高に素晴らしいし歌詞も絶賛されていながら、自身ではリリースしないまま、The Familyに男女デュエット形式で歌わせた後悔。作った本人が楽曲の持つポテンシャルは十二分に把握していただろうと思うが、一説にはほんの一時間で書き上げて録音していたと言われるから、そこまで記憶に残っていなかった曲だったかもしれない。何せ天才の数多くある曲のひとつだ。いちいち名曲だハイクォリティの曲だと意識してもしょうがないし、ましてや1980年代半ばともなれば溢れんばかりの才能が楽曲と共にこぼれ落ちている時期、こだわっていなかったかもしれない。
ただ、ユニークに思えるのはシニード・オコナーの大ヒットが1990年。その後プリンスは「Nothing Compares 2 U」をセルフカバー曲としてライブで復活させて自身の曲だと世間にアピールを忘れなかった。その一部を録音しておき、1993年にベストアルバム「HITS 1」でNPGとのライブバージョンを未発表曲としてリリースしている。この時期にベスト盤を出す必要性があったから収録したのか、シニード・オコナーのヒットが悔しくて自分の手柄にもしておきたくてわざわざベスト盤をリリースしたか、定かではないが、どちらのタイミングもあったように思う。以降「Nothing Compares 2 U」はプリンスの曲として知られ、シニード・オコナーはプリンス本人からは好かれなかったものの、自身の最大のヒット曲として、また想い入れの強い曲として自身の歌に組み込んでいる。
そしてアンダーグランドでは「Nothing Compares 2 U」のプリンススタジオ録音バージョンが存在していると囁かれていたが、プリンス亡き後の2018年になり、遂にペイズリースタジオから理由はともかくプリンスが1984年にスタジオで録音したバージョンが発掘され、シングルでリリースされた。The Familyのボーカル二人はここではバックボーカルで参加しており、メインボーカルは当然プリンスで、大きな違いはサックスのメロウでエモーショナルな響きがシニード・オコナーバージョンと異なり、同じ曲の表裏が味わえる感触。プリンス本人も録音素材の存在は当然認識していただろうが、スタジオ盤を発掘しないでライブバージョンを録音したのも不思議。それでも発掘されて聴ける現代の有り難みは素晴らしい。一方のThe Familyの方は結果的に全く存在感を消されてしまい、最も悩ましいメンバーになっている。ただ、彼らがアルバムに収録しなければ、この曲に纏わる話はなかったのだから、どうあれ世に発表したオリジネイターとして大いなる価値がある。
改めて聴くと歌詞も多少異なり、デュエットでの歌唱は最初から想定されていたイメージも分かり、プリンスの描いた世界が見られるバージョン。シニード・オコナーの想い入れとは異なる素晴らしき天才の姿。

「Nothing Compares 2 U」を今更ながらに聴いて、曲の良さと歌詞の素晴らしさも含めて改めてプリンスの才能の凄さを実感。そして一方ではプリンスからThe Familyに渡したアレンジと演奏、歌唱力ではまるでヒットにつながらず存在すら危ぶまれた楽曲が、シニード・オコナーのストイックなまでのストレートな歌唱力で大ヒットを放った事実は、プリンスにどうしようもないやるせなさを味わせたような気がする。楽曲は最高に素晴らしいし歌詞も絶賛されていながら、自身ではリリースしないまま、The Familyに男女デュエット形式で歌わせた後悔。作った本人が楽曲の持つポテンシャルは十二分に把握していただろうと思うが、一説にはほんの一時間で書き上げて録音していたと言われるから、そこまで記憶に残っていなかった曲だったかもしれない。何せ天才の数多くある曲のひとつだ。いちいち名曲だハイクォリティの曲だと意識してもしょうがないし、ましてや1980年代半ばともなれば溢れんばかりの才能が楽曲と共にこぼれ落ちている時期、こだわっていなかったかもしれない。
ただ、ユニークに思えるのはシニード・オコナーの大ヒットが1990年。その後プリンスは「Nothing Compares 2 U」をセルフカバー曲としてライブで復活させて自身の曲だと世間にアピールを忘れなかった。その一部を録音しておき、1993年にベストアルバム「HITS 1」でNPGとのライブバージョンを未発表曲としてリリースしている。この時期にベスト盤を出す必要性があったから収録したのか、シニード・オコナーのヒットが悔しくて自分の手柄にもしておきたくてわざわざベスト盤をリリースしたか、定かではないが、どちらのタイミングもあったように思う。以降「Nothing Compares 2 U」はプリンスの曲として知られ、シニード・オコナーはプリンス本人からは好かれなかったものの、自身の最大のヒット曲として、また想い入れの強い曲として自身の歌に組み込んでいる。
そしてアンダーグランドでは「Nothing Compares 2 U」のプリンススタジオ録音バージョンが存在していると囁かれていたが、プリンス亡き後の2018年になり、遂にペイズリースタジオから理由はともかくプリンスが1984年にスタジオで録音したバージョンが発掘され、シングルでリリースされた。The Familyのボーカル二人はここではバックボーカルで参加しており、メインボーカルは当然プリンスで、大きな違いはサックスのメロウでエモーショナルな響きがシニード・オコナーバージョンと異なり、同じ曲の表裏が味わえる感触。プリンス本人も録音素材の存在は当然認識していただろうが、スタジオ盤を発掘しないでライブバージョンを録音したのも不思議。それでも発掘されて聴ける現代の有り難みは素晴らしい。一方のThe Familyの方は結果的に全く存在感を消されてしまい、最も悩ましいメンバーになっている。ただ、彼らがアルバムに収録しなければ、この曲に纏わる話はなかったのだから、どうあれ世に発表したオリジネイターとして大いなる価値がある。
改めて聴くと歌詞も多少異なり、デュエットでの歌唱は最初から想定されていたイメージも分かり、プリンスの描いた世界が見られるバージョン。シニード・オコナーの想い入れとは異なる素晴らしき天才の姿。
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