Don Ailey - K2 Tales Of Triumph And Tragedy
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Don Ailey - K2 Tales Of Triumph And Tragedy (1988)

80年代のハードロックあたり、ヘヴィメタルの一歩手前あたりのサウンドが一世を風靡していたが、英国出身のその世界は似て非なる多様な音が渦巻き、単なる流行以上の音楽性の革新がもたらされていた。70年代からシーンに登場してプロの仕事を学び、自身の音楽的才能を認識して発揮しつつもビジネス面の渡り方も確立されてきた80年代は、才能あるミュージシャンは活躍しやすい環境だったかもしれない。また、機材の発展もあり実験色も強くなり、この頃にシモンズやデジタル風味の音色、midi規格も登場して黄金のエイティーズが出来上がった。ロックの世界も当然その影響を受けて進化したが、爆発的なヒットを放つハードロックバンドも登場して裾野が広がった時代だった。
Don Aileyのはじめてのソロアルバム「K2 Tales Of Triumph And Tragedy」は1988年にリリースされているが、恒例の映画のサントラからキャリアを開始させている。アルバム全体では中途半端な印象も否めないが、有りがちなサントラ作品ではなく、鍵盤奏者で音楽人にも関わらず、当時既に築き上げていたハードロック世界のサウンドをサントラに持ち込んでいる。楽曲は当然ドン・エイリーが書いているが、ここで初めて彼の音楽志向が世に出されている点も重要。それまでのバンドに参加した鍵盤奏者の貢献ではなく、彼自身の狙う音世界だから本来はもっと個性や理論、スタイルが出てきても良いと思われるが、その方向には進んでいない。ゲスト陣に仕事仲間を集めて、いつもプレイしている路線を更に強調するかのようなメロディアスでハードなスタイルを持ち込んでいる。ゲイリー・ムーアのプレイが入れば誰のアルバムかと思うような曲に変わってしまうし、コージー・パウエルがドラムを叩けばやはりコージー節が曲中に刻まれてくるので、鍵盤の派手な音色だけでなく綺羅びやかに彩られてしまう。それを狙ったとも思えるが、時代の華やかさに加えて音の派手さ、時代を鑑みればおそらくはDX-7のヤマハの音色も耳に付き、ドラムの音処理ですら同じように聴こえてくる。それでも、メル・ギャレーが参加して渋みを加えたかと思えば、ブランストーン・コリンの歌も登場するカラフルさ。そして我が日本代表で本アルバム中最もプログレッシブで長尺のドラマティックな楽曲「Deathzone/Whiteout」ではあの人見元基の素晴らしき歌声が伸び伸びと活き活きと聴こえてくる。普通に本アルバムの中で最もつややかなボーカルが聴ける最高の場が味わえる。当時Vowwowで世界進出していたからだろうが、全く素晴らしい歌声。もっと世界で活躍出来たハズのプロレベルは実に凄い。
どうしてもゲスト陣営の派手やかさでアルバムを語られるが、山登り諸氏には魅力的なK2と名高いテーマを元にしており、イメージは自分には掴みにくいが、印象的なサントラとして評判は良いらしい。ここまで派手な鍵盤とハードロック路線の作風が並ぶサントラも使いにくかったと思うが、躍動感溢れるピアノも聴かれるので随分とユニークな挑戦を楽しんだと思われる。しかしゲイリー・ムーアのギターも弾きまくっているし、今となれば随分と地味な作品だが、こうした作品を集めていくのもまた楽しいだろう。

80年代のハードロックあたり、ヘヴィメタルの一歩手前あたりのサウンドが一世を風靡していたが、英国出身のその世界は似て非なる多様な音が渦巻き、単なる流行以上の音楽性の革新がもたらされていた。70年代からシーンに登場してプロの仕事を学び、自身の音楽的才能を認識して発揮しつつもビジネス面の渡り方も確立されてきた80年代は、才能あるミュージシャンは活躍しやすい環境だったかもしれない。また、機材の発展もあり実験色も強くなり、この頃にシモンズやデジタル風味の音色、midi規格も登場して黄金のエイティーズが出来上がった。ロックの世界も当然その影響を受けて進化したが、爆発的なヒットを放つハードロックバンドも登場して裾野が広がった時代だった。
Don Aileyのはじめてのソロアルバム「K2 Tales Of Triumph And Tragedy」は1988年にリリースされているが、恒例の映画のサントラからキャリアを開始させている。アルバム全体では中途半端な印象も否めないが、有りがちなサントラ作品ではなく、鍵盤奏者で音楽人にも関わらず、当時既に築き上げていたハードロック世界のサウンドをサントラに持ち込んでいる。楽曲は当然ドン・エイリーが書いているが、ここで初めて彼の音楽志向が世に出されている点も重要。それまでのバンドに参加した鍵盤奏者の貢献ではなく、彼自身の狙う音世界だから本来はもっと個性や理論、スタイルが出てきても良いと思われるが、その方向には進んでいない。ゲスト陣に仕事仲間を集めて、いつもプレイしている路線を更に強調するかのようなメロディアスでハードなスタイルを持ち込んでいる。ゲイリー・ムーアのプレイが入れば誰のアルバムかと思うような曲に変わってしまうし、コージー・パウエルがドラムを叩けばやはりコージー節が曲中に刻まれてくるので、鍵盤の派手な音色だけでなく綺羅びやかに彩られてしまう。それを狙ったとも思えるが、時代の華やかさに加えて音の派手さ、時代を鑑みればおそらくはDX-7のヤマハの音色も耳に付き、ドラムの音処理ですら同じように聴こえてくる。それでも、メル・ギャレーが参加して渋みを加えたかと思えば、ブランストーン・コリンの歌も登場するカラフルさ。そして我が日本代表で本アルバム中最もプログレッシブで長尺のドラマティックな楽曲「Deathzone/Whiteout」ではあの人見元基の素晴らしき歌声が伸び伸びと活き活きと聴こえてくる。普通に本アルバムの中で最もつややかなボーカルが聴ける最高の場が味わえる。当時Vowwowで世界進出していたからだろうが、全く素晴らしい歌声。もっと世界で活躍出来たハズのプロレベルは実に凄い。
どうしてもゲスト陣営の派手やかさでアルバムを語られるが、山登り諸氏には魅力的なK2と名高いテーマを元にしており、イメージは自分には掴みにくいが、印象的なサントラとして評判は良いらしい。ここまで派手な鍵盤とハードロック路線の作風が並ぶサントラも使いにくかったと思うが、躍動感溢れるピアノも聴かれるので随分とユニークな挑戦を楽しんだと思われる。しかしゲイリー・ムーアのギターも弾きまくっているし、今となれば随分と地味な作品だが、こうした作品を集めていくのもまた楽しいだろう。
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