Gary Moore - Back On The Streets (2013 Expanded Edition)
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Gary Moore - Back On The Streets (2013 Expanded Edition) (1978)

Gary Mooreの1978年リリースの最初のソロアルバム「Back On The Streets」。ロックの歴史を歩んでこの時代のゲイリー・ムーアを振り返ってみれば、Colloseum IIの活動が終わりを迎え、その後には盟友Phill LynottのThin Lizzyの最高傑作「BLACK ROSE」に参加する直前の間に録音したアルバムだった。つまりはジャズ的フュージョンハードロックバンドから、アイルランドハードロックへ舵を切る頃の過度期の作品となり、自身でボーカルも担っている姿もどこか中途半端な意気込みを感じる時期。アルバムはその時代を象徴するかのようにColloseum IIからのドン・エイリーとジョン・モールを起用し、一方ではThin Lizzyからフィル・リノットとブライアン・ダウニーを巻き込み、テクニカルなドラマーで名を挙げ始めていたサイモン・フィリップスもColloseum組と共に起用してハードロックとフュージョンロックを同時にアルバムに収めた器用な作風に仕上がった。更にアルバム中の最高傑作として名高い「パリの散歩道」のフィル・リノットボーカルバージョンが登場したのも本作。
この頃のライブセッションをYouTubeでも見られるが、錚々たる面々を揃えてのショウも数多くあり、イアン・ペイスやコージー・パウエル、ニール・マーレイと後のこの辺りの人脈も既に形成されている熱いライブが見られる。冷静に考えればアイルランドからやって来た若者から始まったゲイリー・ムーアが同郷のThin Lizzy組はともかく、往年のハードロック勢とも相まみえた仕事が多数あるのも如何に才能豊かなギタリストかを物語っている。後にはグレン・ヒューズも絡むから全くこの頃のハードロックメンバーは総ナメ状態で、マイケル・シェンカーも似たような来歴があるが、シェンカーよりも幅広いかもしれない。それは恐らくキャリア上ジャズ・ロックまで入り込んだからテクニシャン勢も巻き込んでいったからと思われるが、今ならColloseum IIへの参加の意義もよく分かる。以前聴いていた頃はどことなくピンと来なくて、どうしても後のハードロックギタープレイヤー時代ばかりを好んで聴いていたからまだまだ子供だった。久々に本作を聴いていると、A面冒頭曲のハードロック的カッコ良さはこの時代でも凄かっただろうとは思うが、途中からのジャズ・ロック、ジャズ・フュージョンハードロックのギタープレイやバンド全員でのテクニカルなプレイサウンドがやたらと熱く聴こえる。もっと早くにこの凄まじさを気にしていれば深掘りしたかもしれないが若かった。所々ミストーンとは言わないが、勢いだけで弾いている面もあり、邪魔な音も残されているあたりはロック的で迫力満点のスタイル。
Thin Lizzy曲のブルースバージョンもフィル・リノット本人と共に歌っているからユニークな試みに聴こえるし、案外軽快な作風もあるのでイメージが変わった。B面もテクニカルでゴリ押しなハード路線が中心にギターを聴かせつつもメロウな作品も入り込み、既にゲイリー・ムーア節満載の演歌調が心に染み入る。2013年にリマスタリングとボーナス・トラックが追加されて再発されているが、「Track Nine」は「Back On The Streets」のシングルB面曲、「Spanish Guitar」は元々フィル・リノットのボーカルバージョンが知られていたが、実はありましたゲイリー・ムーアボーカルバージョンとインストバージョンが加えられている。この時期のゲイリー・ムーアのプレイや作品はThin Lizzyも含めて実に充実している姿が聴ける傑作アルバム。おそらくはハードロックだけでなく、どの方向に向かっても個性を生かして進めたとは思うが、もっともハードにギターが奏でられる世界を選択してくれて感謝。更にハードロックフュージョン、即ち今の時代のギタリストまで含めてプレイされるテクニカルスタイルへも幅を広げている素晴らしさ。更にこの熱さだから恐れ入る傑作。

Gary Mooreの1978年リリースの最初のソロアルバム「Back On The Streets」。ロックの歴史を歩んでこの時代のゲイリー・ムーアを振り返ってみれば、Colloseum IIの活動が終わりを迎え、その後には盟友Phill LynottのThin Lizzyの最高傑作「BLACK ROSE」に参加する直前の間に録音したアルバムだった。つまりはジャズ的フュージョンハードロックバンドから、アイルランドハードロックへ舵を切る頃の過度期の作品となり、自身でボーカルも担っている姿もどこか中途半端な意気込みを感じる時期。アルバムはその時代を象徴するかのようにColloseum IIからのドン・エイリーとジョン・モールを起用し、一方ではThin Lizzyからフィル・リノットとブライアン・ダウニーを巻き込み、テクニカルなドラマーで名を挙げ始めていたサイモン・フィリップスもColloseum組と共に起用してハードロックとフュージョンロックを同時にアルバムに収めた器用な作風に仕上がった。更にアルバム中の最高傑作として名高い「パリの散歩道」のフィル・リノットボーカルバージョンが登場したのも本作。
この頃のライブセッションをYouTubeでも見られるが、錚々たる面々を揃えてのショウも数多くあり、イアン・ペイスやコージー・パウエル、ニール・マーレイと後のこの辺りの人脈も既に形成されている熱いライブが見られる。冷静に考えればアイルランドからやって来た若者から始まったゲイリー・ムーアが同郷のThin Lizzy組はともかく、往年のハードロック勢とも相まみえた仕事が多数あるのも如何に才能豊かなギタリストかを物語っている。後にはグレン・ヒューズも絡むから全くこの頃のハードロックメンバーは総ナメ状態で、マイケル・シェンカーも似たような来歴があるが、シェンカーよりも幅広いかもしれない。それは恐らくキャリア上ジャズ・ロックまで入り込んだからテクニシャン勢も巻き込んでいったからと思われるが、今ならColloseum IIへの参加の意義もよく分かる。以前聴いていた頃はどことなくピンと来なくて、どうしても後のハードロックギタープレイヤー時代ばかりを好んで聴いていたからまだまだ子供だった。久々に本作を聴いていると、A面冒頭曲のハードロック的カッコ良さはこの時代でも凄かっただろうとは思うが、途中からのジャズ・ロック、ジャズ・フュージョンハードロックのギタープレイやバンド全員でのテクニカルなプレイサウンドがやたらと熱く聴こえる。もっと早くにこの凄まじさを気にしていれば深掘りしたかもしれないが若かった。所々ミストーンとは言わないが、勢いだけで弾いている面もあり、邪魔な音も残されているあたりはロック的で迫力満点のスタイル。
Thin Lizzy曲のブルースバージョンもフィル・リノット本人と共に歌っているからユニークな試みに聴こえるし、案外軽快な作風もあるのでイメージが変わった。B面もテクニカルでゴリ押しなハード路線が中心にギターを聴かせつつもメロウな作品も入り込み、既にゲイリー・ムーア節満載の演歌調が心に染み入る。2013年にリマスタリングとボーナス・トラックが追加されて再発されているが、「Track Nine」は「Back On The Streets」のシングルB面曲、「Spanish Guitar」は元々フィル・リノットのボーカルバージョンが知られていたが、実はありましたゲイリー・ムーアボーカルバージョンとインストバージョンが加えられている。この時期のゲイリー・ムーアのプレイや作品はThin Lizzyも含めて実に充実している姿が聴ける傑作アルバム。おそらくはハードロックだけでなく、どの方向に向かっても個性を生かして進めたとは思うが、もっともハードにギターが奏でられる世界を選択してくれて感謝。更にハードロックフュージョン、即ち今の時代のギタリストまで含めてプレイされるテクニカルスタイルへも幅を広げている素晴らしさ。更にこの熱さだから恐れ入る傑作。
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