Lizard - Tales from the Artichoke Wood
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Lizard - Tales from the Artichoke Wood (2005)

ヘヴィメタルがひとつの音から続々と拡張されて新世界まで築き上げているのと同じようにプログレッシブ・ロックもまた然り。幾つかの方向性と間口はあるものの、多数の融合を果たしてその中にはヘヴィメタルの融合もあるが、プログレッシブ・ロックはプログレッシブ・ロックで発展している面も強く、まずはテクニカルである点、更に雰囲気が出せる点。ところが時代と共に益々融合点が増えて、それは奇しくもメタルが融合出来ない世界との融合を果たす方が多い。コケティッシュさやポップ、民族感やアヴァンギャルドと幅広く重なり合い、今現在もプログレッシブしているロックで間違いない。そこにメタルと同じく多国化しているからお国柄も入り個性が増長される楽しみも増える。
ポーランドのLizardはバンドのキャリアは90年頃と古くから始まっているが、はじめからクリムゾンフォロワー丸出しでシーンに登場しており、アルバムやライブでもその影響をそのままカバーして隠さず、更に単なるカバーバンドに終わらない姿として、70年代の破壊的クリムゾンだけでなく、80年代のディシプリンクリムゾン、90年代のヌーヴォメタルクリムゾンまでも自らのものとしてアルバムや楽曲に反映させている。ここまでのフォロワーは他に類を見ないし、彼らの本気ぶり、もしくは音楽センスの類似性と高さも問われるが、そこがポーランド出自の成せる技。2005年にリリースされた「Tales from the Artichoke」は結成時からは何人かメンバーチェンジしており、前作からもメンバーが替わっているので、音色も大幅に変化したようだ。それまでの陰鬱な70年代クリムゾンをモチーフとした曲作りからガラリと変わり、アルバム冒頭からディシプリンクリムゾンの影響が大きい作品が流れる。随分と軽めに聴こえるのでどこかのフュージョンバンドを聴いているような不安に襲われるが、曲が進むに連れてこれは80年代のクリムゾンの雰囲気と理解するようになる。アルバムはコンセプトが描かれている作品のようで、その目線からすると気合の入ったコンセプトアルバム。ただし曲はユニークな姿を留めた、90年代のヌーヴォメタルクリムゾンまでを網羅した作風が全編に漲っており、言い方を変えると全時代のクリムゾンの作風を使いながら自身のコンセプトアルバムを作り上げた稀有な作品。
「Tales from the Artichoke Wood Part I」と「 Tales from the Artichoke Wood Part II」の間に「Vincent 」「Salvador 」「Pablo」とゴッホ、ダリ、ピカソのタイトル組曲が挟まれている劇的な作品。歌い方を聴く限りでは随分演劇風味すら強く聴こえるが、楽曲は先述のような全時代クリムゾンに彩られている不思議で追求したくなるアルバム。ポーランドのバンドのアルバムなので、そこまで取り上げられて馴染みやすく情報が入って来ないが、相当面白くユニークな作りに仕上がっているのは間違いなく、どこかでじっくりと取り組み解明しても面白いアルバム。

ヘヴィメタルがひとつの音から続々と拡張されて新世界まで築き上げているのと同じようにプログレッシブ・ロックもまた然り。幾つかの方向性と間口はあるものの、多数の融合を果たしてその中にはヘヴィメタルの融合もあるが、プログレッシブ・ロックはプログレッシブ・ロックで発展している面も強く、まずはテクニカルである点、更に雰囲気が出せる点。ところが時代と共に益々融合点が増えて、それは奇しくもメタルが融合出来ない世界との融合を果たす方が多い。コケティッシュさやポップ、民族感やアヴァンギャルドと幅広く重なり合い、今現在もプログレッシブしているロックで間違いない。そこにメタルと同じく多国化しているからお国柄も入り個性が増長される楽しみも増える。
ポーランドのLizardはバンドのキャリアは90年頃と古くから始まっているが、はじめからクリムゾンフォロワー丸出しでシーンに登場しており、アルバムやライブでもその影響をそのままカバーして隠さず、更に単なるカバーバンドに終わらない姿として、70年代の破壊的クリムゾンだけでなく、80年代のディシプリンクリムゾン、90年代のヌーヴォメタルクリムゾンまでも自らのものとしてアルバムや楽曲に反映させている。ここまでのフォロワーは他に類を見ないし、彼らの本気ぶり、もしくは音楽センスの類似性と高さも問われるが、そこがポーランド出自の成せる技。2005年にリリースされた「Tales from the Artichoke」は結成時からは何人かメンバーチェンジしており、前作からもメンバーが替わっているので、音色も大幅に変化したようだ。それまでの陰鬱な70年代クリムゾンをモチーフとした曲作りからガラリと変わり、アルバム冒頭からディシプリンクリムゾンの影響が大きい作品が流れる。随分と軽めに聴こえるのでどこかのフュージョンバンドを聴いているような不安に襲われるが、曲が進むに連れてこれは80年代のクリムゾンの雰囲気と理解するようになる。アルバムはコンセプトが描かれている作品のようで、その目線からすると気合の入ったコンセプトアルバム。ただし曲はユニークな姿を留めた、90年代のヌーヴォメタルクリムゾンまでを網羅した作風が全編に漲っており、言い方を変えると全時代のクリムゾンの作風を使いながら自身のコンセプトアルバムを作り上げた稀有な作品。
「Tales from the Artichoke Wood Part I」と「 Tales from the Artichoke Wood Part II」の間に「Vincent 」「Salvador 」「Pablo」とゴッホ、ダリ、ピカソのタイトル組曲が挟まれている劇的な作品。歌い方を聴く限りでは随分演劇風味すら強く聴こえるが、楽曲は先述のような全時代クリムゾンに彩られている不思議で追求したくなるアルバム。ポーランドのバンドのアルバムなので、そこまで取り上げられて馴染みやすく情報が入って来ないが、相当面白くユニークな作りに仕上がっているのは間違いなく、どこかでじっくりと取り組み解明しても面白いアルバム。
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