Albion - Wabiac Cienie
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Albion - Wabiac Cienie (2005)

プログレッシブバンドで一世を風靡した実力メンバーがポップスの世界に雪崩込んだのが80年代で、当時は新しいリスナーも獲得できた判明、明らかに拒絶感を示した古くからのリスナーもおり、そこから年月の経過した現在ともなればそれも良かった、良い面が多かったと見直される面もあるが、概ね70年代と比べるとそこまでの作品として歴史に残されてもいない。敗因は自分たち自身の音楽性を曲げてポップスに融合したからで、新たなるチャレンジで作る側は楽しんだ面もあるが、聴いている側はそこまでしてやる必要があると思えなかったから、カネ稼ぎに見えただけだ。もっと上手い具合に融合させる手法もあったのは、その後のポンプロックに代表される音楽性の高さとポップの融合で明らかに世代交代を見せつけられた、それでも古くからのリスナーはポンプロックには飛び付けず、相変わらずの70年代叙情詩にしがみついていたから取り付く島もない。リスナーが大人になるのにも時間が必要だった。
21世紀に入りプログレッシブ・ロックが更にプログレッシブに世界に展開されていた時、ポーランドからも盛んにバンドが輩出され、それぞれが切磋琢磨して腕を磨いて独自の音楽性を編み出してシーンに出て来たと同時に世界レベルのクォリティでこんな島国の果てにいるロック好きにも届けられるようになった。世界は広いが音楽は素晴らしい。また、ポーランドプログレッシブ・ロックバンドの奏でるサウンドは日本人が好む憂いさや儚さや哀愁さ、それを叙情的にシンフォニックに奏でているので馴染みやすく相性が良いとすら思う。概ねピンク・フロイド的なエッセンスが底辺にあるバンドも多く、それだけで世界にファンが作れそうなスタンスだが、その上で才能あるミュージシャン達が音を作り上げるからユニーク。今回のAlbionはデヴューこそ1995年ながらその後10年程アルバムをリリースしておらず、2005年になり10年ぶりにリリースしたアルバムが本作「Wabiac Cienie」だ。冒頭のポップとプログレの関係を用いたのはAlbionはそのキュートでキャッチーなポップ性を本気のプログレに絡めて昇華させて、新たなステージへジャンルを押し上げている気がしたからだ。元々のボーカリストは一旦退いて別の女性ボーカルに替わっているが、それでもポップ性は失われておらず、メロディだけを追えばかなりポップスに近い。ただ、出来ている音楽が強烈に魅力のあるシンフォニックプログレッシブサウンドなので、そのキュートでキャッチーなメロディが味付け程度にしか感じられない上手さに舌を巻く。
音のバリエーションは相当幅広く、アルバム冒頭は硬質でコーラスの掛かったアルペジオギターで物語を始めると思えば、随分と耳慣れない音の処理が施されたバンドの音が重なり合わされて来る新鮮さ。奏でられている音楽はシンフォニックそのものに美しきギターサウンドとキュートなボーカルから。基本的にギターを聴かせるバンドでもありつつメロディアスで雰囲気がポーランドとしか思えないムードで、相変わらず世界に入るとそのまま抜けられない魅力を放っている。耽美的な面がかなり強いのと、ボーカルスタイルも愛しくなる吐息系ポップス、しかもポーランド語の響きなので耳慣れない色気を放つのも魅惑的。ロックの世界からはもう少し上品な音楽世界を紡ぎ上げた環境音楽的にすらなりかねない淡麗さに浸れる素晴らしさ。これまでにありそうであまり聴かなかった世界がここで開かれている気がする。妙に聴きやすい面は彼女の歌声とメロディとギルモアを超えた憂いあるメロディのギタープレイ。

プログレッシブバンドで一世を風靡した実力メンバーがポップスの世界に雪崩込んだのが80年代で、当時は新しいリスナーも獲得できた判明、明らかに拒絶感を示した古くからのリスナーもおり、そこから年月の経過した現在ともなればそれも良かった、良い面が多かったと見直される面もあるが、概ね70年代と比べるとそこまでの作品として歴史に残されてもいない。敗因は自分たち自身の音楽性を曲げてポップスに融合したからで、新たなるチャレンジで作る側は楽しんだ面もあるが、聴いている側はそこまでしてやる必要があると思えなかったから、カネ稼ぎに見えただけだ。もっと上手い具合に融合させる手法もあったのは、その後のポンプロックに代表される音楽性の高さとポップの融合で明らかに世代交代を見せつけられた、それでも古くからのリスナーはポンプロックには飛び付けず、相変わらずの70年代叙情詩にしがみついていたから取り付く島もない。リスナーが大人になるのにも時間が必要だった。
21世紀に入りプログレッシブ・ロックが更にプログレッシブに世界に展開されていた時、ポーランドからも盛んにバンドが輩出され、それぞれが切磋琢磨して腕を磨いて独自の音楽性を編み出してシーンに出て来たと同時に世界レベルのクォリティでこんな島国の果てにいるロック好きにも届けられるようになった。世界は広いが音楽は素晴らしい。また、ポーランドプログレッシブ・ロックバンドの奏でるサウンドは日本人が好む憂いさや儚さや哀愁さ、それを叙情的にシンフォニックに奏でているので馴染みやすく相性が良いとすら思う。概ねピンク・フロイド的なエッセンスが底辺にあるバンドも多く、それだけで世界にファンが作れそうなスタンスだが、その上で才能あるミュージシャン達が音を作り上げるからユニーク。今回のAlbionはデヴューこそ1995年ながらその後10年程アルバムをリリースしておらず、2005年になり10年ぶりにリリースしたアルバムが本作「Wabiac Cienie」だ。冒頭のポップとプログレの関係を用いたのはAlbionはそのキュートでキャッチーなポップ性を本気のプログレに絡めて昇華させて、新たなステージへジャンルを押し上げている気がしたからだ。元々のボーカリストは一旦退いて別の女性ボーカルに替わっているが、それでもポップ性は失われておらず、メロディだけを追えばかなりポップスに近い。ただ、出来ている音楽が強烈に魅力のあるシンフォニックプログレッシブサウンドなので、そのキュートでキャッチーなメロディが味付け程度にしか感じられない上手さに舌を巻く。
音のバリエーションは相当幅広く、アルバム冒頭は硬質でコーラスの掛かったアルペジオギターで物語を始めると思えば、随分と耳慣れない音の処理が施されたバンドの音が重なり合わされて来る新鮮さ。奏でられている音楽はシンフォニックそのものに美しきギターサウンドとキュートなボーカルから。基本的にギターを聴かせるバンドでもありつつメロディアスで雰囲気がポーランドとしか思えないムードで、相変わらず世界に入るとそのまま抜けられない魅力を放っている。耽美的な面がかなり強いのと、ボーカルスタイルも愛しくなる吐息系ポップス、しかもポーランド語の響きなので耳慣れない色気を放つのも魅惑的。ロックの世界からはもう少し上品な音楽世界を紡ぎ上げた環境音楽的にすらなりかねない淡麗さに浸れる素晴らしさ。これまでにありそうであまり聴かなかった世界がここで開かれている気がする。妙に聴きやすい面は彼女の歌声とメロディとギルモアを超えた憂いあるメロディのギタープレイ。
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