Sweet - Sweet Fanny Adams (2005 Remastered)
0 Comments
Sweet - Sweet Fanny Adams (2005 Remastered) (1974)

妙な偏見など持たずに素直に音だけを聴いてバンドや楽曲やアルバムを選び聴いていくのが本来の音楽を楽しむ姿、発見する姿勢だが、どうしても事前の情報や自分の持つイメージがあるので素直に音だけで判別しない時が多い。何年も聴いているとそれごとに自分の印象やイメージを修正してバンドの初期中期末期、メンバーが替わった時やプロデュースに変化があった場合などで出てくる音の違いを認識するが、それでもまだ驚く音が飛び出してきて思わず引いたり乗ったりする。Sweetの作品も一通りアルバムも聴いて音の変化やアグレッシブなロックバンドの姿を知っているのに、どうしても最初期のシングルヒットソングメイカー時代の軽くてオモチャ的なサウンドの印象が強く、中期頃のアルバムを聴くと毎回新鮮な刺激を感じて楽しくなる。
1974年リリースのSweetのセカンドオリジナルアルバム「Sweet Fanny Adams」。冒頭の「Set Me Free」を耳にしてもらいたい。どこからどう聴いてもDeep PurpleかUriah Heepのサウンドにしか聴こえない。後にSaxonもカバーしたと知られているが、普通に聴いてこの作品がSweetの曲とは思わないし、二度見三度見のレベルで驚くほどにカッコ良い仕上がりのヘヴィロックバンド。当時Sweetのポップな一面しか知られていなかった頃、本アルバムを聴いてリスナーは度肝を抜かれた気がする。プロのミュージシャンでもそういった体験をした人がSweetをフェイバリットバンドに挙げる場合が多いのは納得する一曲。続いての「Heartbreak Today」はいつものSweet節に戻り、ややハードながらもキャッチーな路線でのブギスタイルと心地良さが漂う楽曲。それでもバンド一丸となってのロック魂的な演奏がソリッドにカッコ良く、意気込みを感じる作風が素晴らしい。アルバムが進むに連れてどうしてもいつものSweet的な曲が増えていくのは元来のスタンス自体は変わっていないからか、商業路線的な理由かやや残念な面もあるが、「No You Don't」のようなキャッチーなスタイルはパワーポップ的感触のパターン。なるほどチャップマン=チンの一曲だった。その流れに沿ってか、何ら違和感のない「Peppermint Twist」もSweetらしいポップで、冒頭の素晴らしい疾走感は何処へやらのスタイルがモノ悲しく響く。
アルバムタイトルの「Sweet Fanny Adams」とはネットで調べてみるとなかなか珍妙な英国のブラックな単語の組み合わせと判明するが、日本人的にそれを咀嚼するのはなかなか難しい意味合いかもしれない。そんなタイトル曲「Sweet F.A.」はややハードロックに寄ったスタイルと疾走感を持たせた風味もあるが、同様にパワー・ポップ色も加えているから奇妙な楽曲が出来上がっているようだ。伝説の風味からすると脳天気に明るくも出来ず、微妙な疾走感とスリリングさを持たせている。続いてはこういうリフならまだウェルカムな「Restless」ながら、ここまでの楽曲に似たムードも多いからかやや食傷気味な感も募る一曲。そしてブライアン・コノリーの気合の一曲かと期待する「Into the Night」は心地良いチープなハードロック風でSweetらしさも出ている作品ながらやや単調にもなりがちなキャッチーセンスが邪魔しているのか、ハードロックに進み切らないあたりが微妙なセンス。ただ、ロック的気負いは十分に感じられる作品。そして「AC-DC」はあのAC/DCそのままのイメージを想像してもらえば良いそのままの楽曲。ハードロックながらキャッチーでポップだが、ストレートに投げ込まれてくる曲で、ボーカルスタイルですらあのAC/DC的。どう聴いてもここからバンド名が取られたとしか思えないが真実は知らない。スライド・ギターでのソロプレイも新鮮で刺激的だし、ノリ一発のスタイルもカッコ良いアルバム最後を飾る秀作。
2005年にようやくリマスタリングされて5曲のシングル曲がボーナストラックで付けられているが、基本的にSweetの場合はシングルヒットの方が強いためアルバムの再発状況が芳しくない。この手のバンドは大抵日本が再発発掘しまくってリリースするが、Sweetは全くその状況が見当たらない。即ち契約関係や権利関係が複雑になっているようで、リマスターも時間が掛かったし、発掘音源もなかなか進まないようだ。それでもシングルヒット曲集CDはやたらとリリースされるから不思議。後追い英国ロックファン的にはアルバム単位でバンドを把握していく方が分かりやすいし、Sweetの作品もアルバム単位で楽しめるのは間違いない。Deep Purple、Uriah Heep、そしてQueen、Status Quo的と美味しいところを全て持っているバンド。

妙な偏見など持たずに素直に音だけを聴いてバンドや楽曲やアルバムを選び聴いていくのが本来の音楽を楽しむ姿、発見する姿勢だが、どうしても事前の情報や自分の持つイメージがあるので素直に音だけで判別しない時が多い。何年も聴いているとそれごとに自分の印象やイメージを修正してバンドの初期中期末期、メンバーが替わった時やプロデュースに変化があった場合などで出てくる音の違いを認識するが、それでもまだ驚く音が飛び出してきて思わず引いたり乗ったりする。Sweetの作品も一通りアルバムも聴いて音の変化やアグレッシブなロックバンドの姿を知っているのに、どうしても最初期のシングルヒットソングメイカー時代の軽くてオモチャ的なサウンドの印象が強く、中期頃のアルバムを聴くと毎回新鮮な刺激を感じて楽しくなる。
1974年リリースのSweetのセカンドオリジナルアルバム「Sweet Fanny Adams」。冒頭の「Set Me Free」を耳にしてもらいたい。どこからどう聴いてもDeep PurpleかUriah Heepのサウンドにしか聴こえない。後にSaxonもカバーしたと知られているが、普通に聴いてこの作品がSweetの曲とは思わないし、二度見三度見のレベルで驚くほどにカッコ良い仕上がりのヘヴィロックバンド。当時Sweetのポップな一面しか知られていなかった頃、本アルバムを聴いてリスナーは度肝を抜かれた気がする。プロのミュージシャンでもそういった体験をした人がSweetをフェイバリットバンドに挙げる場合が多いのは納得する一曲。続いての「Heartbreak Today」はいつものSweet節に戻り、ややハードながらもキャッチーな路線でのブギスタイルと心地良さが漂う楽曲。それでもバンド一丸となってのロック魂的な演奏がソリッドにカッコ良く、意気込みを感じる作風が素晴らしい。アルバムが進むに連れてどうしてもいつものSweet的な曲が増えていくのは元来のスタンス自体は変わっていないからか、商業路線的な理由かやや残念な面もあるが、「No You Don't」のようなキャッチーなスタイルはパワーポップ的感触のパターン。なるほどチャップマン=チンの一曲だった。その流れに沿ってか、何ら違和感のない「Peppermint Twist」もSweetらしいポップで、冒頭の素晴らしい疾走感は何処へやらのスタイルがモノ悲しく響く。
アルバムタイトルの「Sweet Fanny Adams」とはネットで調べてみるとなかなか珍妙な英国のブラックな単語の組み合わせと判明するが、日本人的にそれを咀嚼するのはなかなか難しい意味合いかもしれない。そんなタイトル曲「Sweet F.A.」はややハードロックに寄ったスタイルと疾走感を持たせた風味もあるが、同様にパワー・ポップ色も加えているから奇妙な楽曲が出来上がっているようだ。伝説の風味からすると脳天気に明るくも出来ず、微妙な疾走感とスリリングさを持たせている。続いてはこういうリフならまだウェルカムな「Restless」ながら、ここまでの楽曲に似たムードも多いからかやや食傷気味な感も募る一曲。そしてブライアン・コノリーの気合の一曲かと期待する「Into the Night」は心地良いチープなハードロック風でSweetらしさも出ている作品ながらやや単調にもなりがちなキャッチーセンスが邪魔しているのか、ハードロックに進み切らないあたりが微妙なセンス。ただ、ロック的気負いは十分に感じられる作品。そして「AC-DC」はあのAC/DCそのままのイメージを想像してもらえば良いそのままの楽曲。ハードロックながらキャッチーでポップだが、ストレートに投げ込まれてくる曲で、ボーカルスタイルですらあのAC/DC的。どう聴いてもここからバンド名が取られたとしか思えないが真実は知らない。スライド・ギターでのソロプレイも新鮮で刺激的だし、ノリ一発のスタイルもカッコ良いアルバム最後を飾る秀作。
2005年にようやくリマスタリングされて5曲のシングル曲がボーナストラックで付けられているが、基本的にSweetの場合はシングルヒットの方が強いためアルバムの再発状況が芳しくない。この手のバンドは大抵日本が再発発掘しまくってリリースするが、Sweetは全くその状況が見当たらない。即ち契約関係や権利関係が複雑になっているようで、リマスターも時間が掛かったし、発掘音源もなかなか進まないようだ。それでもシングルヒット曲集CDはやたらとリリースされるから不思議。後追い英国ロックファン的にはアルバム単位でバンドを把握していく方が分かりやすいし、Sweetの作品もアルバム単位で楽しめるのは間違いない。Deep Purple、Uriah Heep、そしてQueen、Status Quo的と美味しいところを全て持っているバンド。
- 関連記事
-
- Sweet - Sweet Fanny Adams (2005 Remastered)
- Slade - Nobody's Fool (2007 Remastered)
- Cockney Rebel - The Psychomodo (2012 Remastered)