B.B.King - Indianola Mississippi Seeds
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B.B.King - Indianola Mississippi Seeds (1970)

50年も前のレコードを聴いてまだ今驚きと感動を受けてどっぷりと聴き入ってしまうから凄い。知ってて何度も聴いていたならともかく、まるで知らないままに過ごしていてある日突然その重みに気づいて聴くと、それは根底から意識が覆されるような音楽が録音されている時もある。あれこれとロックに纏わる音楽を聴いている日々だが、アメリカのロックにはかなり疎い方なので、名前は知っているがそういう人だったのか、と今にして知る場合もあるし、まだ知らないミュージシャンもアルバムも多数ある。そこに行き着く日が来るのかどうかも分からないが、通りすがり行き当たりばったりにロックを聴き漁っていくので、もしかしたらどこかで出会うかもしれない。
B.B.Kingが1970年10月にリリースした「Indianola Mississippi Seeds」。ワザワザ10月と記したのは有名な「Hummingbird」が収録されたアルバムなので、作曲者のレオン・ラッセルの方は1970年5月のアルバムリリース、即ちB.B.King発表バージョンとは5ヶ月のタイムラグがある。もっともレオン・ラッセル自身がB.B.Kingの本作にゲストで参加しているから曲を聴かせたかもしれない。ただ、この頃のレオン・ラッセルはまだ表舞台に出てきたばかりの新人だ。その数年前から裏方的に知られたミュージシャンだと聞くが、それにしても大御所B.B.Kingのアルバムに参加だけでなく、曲も提供する立場とはよほどの才能の持ち主と認められていた人と分かる。ゲスト陣を先に述べると、冒頭からキャロル・キングの素晴らしいピアノが聴ける。キャロル・キングもこの年の5月にアルバムデビューを果たしたばかりの新人で、まだ「つづれおり」を出す前のキャロル・キングだが、素人が聴いても個性的なピアノと分かる程の才女。単なる3コードブルースのピアノでしかないのにここまで明るく軽やかで綺羅びやかに聞こえるピアノは初めて聴いた。この後売れっ子になるのも当然、その才能の片鱗を本作でたっぷりと聴ける。ピアノを聴くだけで個性が分かる人もほとんど居ないが、それくらいの卓越したピアニストとは初めて感じた。レオン・ラッセルのピアノは打楽器的とは言ったものだが、確かにこの両者のピアノはまるで異なるアプローチと音色とプレイでそれだけでこのアルバムのカラーがガラリと変わるのも素晴らしい。B.B.Kingの作品なので当然どの曲もギターがあのまま入ってくるが、それよりもこの両者のピアノプレイが目立つ、華を添えていると言えば聞こえは良いが、かなりカラフルに躍動感を出したプレイが貢献している。思えばそんなプロフェッショナルなプレイの上にB.B.Kingの歌とギターが乗せられて聴けるからもっと素晴らしく話題になっても良さそうな作品。
また、もうひとり話題を取るミュージシャンのジョー・ウォルシュもそのままギターで参加しているが、彼はこの頃James Gangのメインギタリスト兼シンガーの主役だったので先の二人とは異なり、十分に本作の参加はB.B.King側も張り合えたと思う。B.B.Kingの得意フレーズではないギターの音色が聞こえたらそれは大抵ジョー・ウォルシュのプレイだが、音色もマイルドに似せていたか、軽やかでジャズギタリスト的フレーズを駆使しての参加なのでイメージとはやや離れた意外性を持つ面が見られる。B.B.Kingを向こうに回してこのプレイとは凄い。三人とも単なるポップシーンのヒットメイカーではなく、ミュージシャンズ・ミュージシャンでその才能をこの作品で存分に繰り広げている姿が聴ける意味ではかなり貴重。しかもB.B.Kingと一緒のプレイだから余計に。曲によってストリングスアレンジが入ってくるのもB.B.Kingにしては珍しいパターンで、その面からするとブルースアルバムとは言い難い邪道な扱いをされるようだ。そのおかげで自分も本作を詳しく知るのに時間がかかった。それは多数あるB.B.Kingのアルバムをどの順番で聴くのが良いかとなった時に上位に上がらなかったからだ。確かにブルースメンとしてのB.B.Kingを知らしめるには本作は相応しくないが、ポップシーンとブルースの融合をここまでお互いが光り輝く形で録音されている作品も他にないのでどこかで取り上げておくべき作品。ゲスト陣営を持ち上げる書き方をしているが、それは驚きと感動からで、B.B.Kingはその熱意を受けて更に磨きをかけたプレイと歌に仕上げているのは当然の事。
どの曲のプレイもブルースフィーリングしかない、そう弾けるプレイが素晴らしいし、しかも個性的なフレーズの嵐。それでいてゲストを光らせて最後の「Hummingbird」までたっぷりと味わえる素晴らしきアルバム。確かにB.B.Kingを聴く時に最初にチョイスしない作品だが、この曲のB.B.Kingバージョンを聴くなら本作。

50年も前のレコードを聴いてまだ今驚きと感動を受けてどっぷりと聴き入ってしまうから凄い。知ってて何度も聴いていたならともかく、まるで知らないままに過ごしていてある日突然その重みに気づいて聴くと、それは根底から意識が覆されるような音楽が録音されている時もある。あれこれとロックに纏わる音楽を聴いている日々だが、アメリカのロックにはかなり疎い方なので、名前は知っているがそういう人だったのか、と今にして知る場合もあるし、まだ知らないミュージシャンもアルバムも多数ある。そこに行き着く日が来るのかどうかも分からないが、通りすがり行き当たりばったりにロックを聴き漁っていくので、もしかしたらどこかで出会うかもしれない。
B.B.Kingが1970年10月にリリースした「Indianola Mississippi Seeds」。ワザワザ10月と記したのは有名な「Hummingbird」が収録されたアルバムなので、作曲者のレオン・ラッセルの方は1970年5月のアルバムリリース、即ちB.B.King発表バージョンとは5ヶ月のタイムラグがある。もっともレオン・ラッセル自身がB.B.Kingの本作にゲストで参加しているから曲を聴かせたかもしれない。ただ、この頃のレオン・ラッセルはまだ表舞台に出てきたばかりの新人だ。その数年前から裏方的に知られたミュージシャンだと聞くが、それにしても大御所B.B.Kingのアルバムに参加だけでなく、曲も提供する立場とはよほどの才能の持ち主と認められていた人と分かる。ゲスト陣を先に述べると、冒頭からキャロル・キングの素晴らしいピアノが聴ける。キャロル・キングもこの年の5月にアルバムデビューを果たしたばかりの新人で、まだ「つづれおり」を出す前のキャロル・キングだが、素人が聴いても個性的なピアノと分かる程の才女。単なる3コードブルースのピアノでしかないのにここまで明るく軽やかで綺羅びやかに聞こえるピアノは初めて聴いた。この後売れっ子になるのも当然、その才能の片鱗を本作でたっぷりと聴ける。ピアノを聴くだけで個性が分かる人もほとんど居ないが、それくらいの卓越したピアニストとは初めて感じた。レオン・ラッセルのピアノは打楽器的とは言ったものだが、確かにこの両者のピアノはまるで異なるアプローチと音色とプレイでそれだけでこのアルバムのカラーがガラリと変わるのも素晴らしい。B.B.Kingの作品なので当然どの曲もギターがあのまま入ってくるが、それよりもこの両者のピアノプレイが目立つ、華を添えていると言えば聞こえは良いが、かなりカラフルに躍動感を出したプレイが貢献している。思えばそんなプロフェッショナルなプレイの上にB.B.Kingの歌とギターが乗せられて聴けるからもっと素晴らしく話題になっても良さそうな作品。
また、もうひとり話題を取るミュージシャンのジョー・ウォルシュもそのままギターで参加しているが、彼はこの頃James Gangのメインギタリスト兼シンガーの主役だったので先の二人とは異なり、十分に本作の参加はB.B.King側も張り合えたと思う。B.B.Kingの得意フレーズではないギターの音色が聞こえたらそれは大抵ジョー・ウォルシュのプレイだが、音色もマイルドに似せていたか、軽やかでジャズギタリスト的フレーズを駆使しての参加なのでイメージとはやや離れた意外性を持つ面が見られる。B.B.Kingを向こうに回してこのプレイとは凄い。三人とも単なるポップシーンのヒットメイカーではなく、ミュージシャンズ・ミュージシャンでその才能をこの作品で存分に繰り広げている姿が聴ける意味ではかなり貴重。しかもB.B.Kingと一緒のプレイだから余計に。曲によってストリングスアレンジが入ってくるのもB.B.Kingにしては珍しいパターンで、その面からするとブルースアルバムとは言い難い邪道な扱いをされるようだ。そのおかげで自分も本作を詳しく知るのに時間がかかった。それは多数あるB.B.Kingのアルバムをどの順番で聴くのが良いかとなった時に上位に上がらなかったからだ。確かにブルースメンとしてのB.B.Kingを知らしめるには本作は相応しくないが、ポップシーンとブルースの融合をここまでお互いが光り輝く形で録音されている作品も他にないのでどこかで取り上げておくべき作品。ゲスト陣営を持ち上げる書き方をしているが、それは驚きと感動からで、B.B.Kingはその熱意を受けて更に磨きをかけたプレイと歌に仕上げているのは当然の事。
どの曲のプレイもブルースフィーリングしかない、そう弾けるプレイが素晴らしいし、しかも個性的なフレーズの嵐。それでいてゲストを光らせて最後の「Hummingbird」までたっぷりと味わえる素晴らしきアルバム。確かにB.B.Kingを聴く時に最初にチョイスしない作品だが、この曲のB.B.Kingバージョンを聴くなら本作。
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