July - July
0 Comments
July - July (1968)

サイケデリック・ロックは時代にマッチしたのか雨後の筍並みに当時は多数のバンドがシーンに登場しているが、いつの時代も売れるとなれば青田刈りが始まって似たような音を出すバンドが幾つも出てくる。それでもほんの数年の間しか続かなかったサイケデリック・ロックのムーブメントは、最初期にビートルズが作り上げてしまったから、オリジナリティを生み出すバンドよりも、ビートルズの「Revolver」や「Sgt.Peppers…」を模倣するサウンドを奏でるバンドも多かった。ユニークなのは、それぞれが最高峰に挑戦しつつも独自のカラーをそこに加えているので、実は最高峰プラスアルファの魅力に溢れているバンドやアルバムも実は存在している点。もっともそこにクローズアップされるに至らず、埋もれたアルバムとして語られ続けたおかげで後の時代には発掘名盤として伝えられるのも素晴らしい。
正しくそう言ったバンドの筆頭格だろうJulyは1968年に傑作「July」をリリースしている。アルバムはこの一枚だけでシーンから消え去ったが、幾つかのシングル曲もリリースされているし、この時代にありがちなモノラル、ステレオ両盤もリリースされていた。今では全ての楽曲が収録された、どういう風に拡張したのか意味不明な6枚組CDまでもが出ているのでその気になれば全部が聴ける。アルバムを耳にすると、この時代ならではのサイケデリック風味全開、満載の効果音に楽曲、アルバムストーリーとトリップするためにあるようなカラフルなサウンドに包み込まれるが、それを顕著にしているのがタブラとシタールの音色。ビートルズのサイケデリックアルバム系にこの両者を加えてクローズアップしてあの最高峰クラスから更にサイケデリックスタイルを出している技量が素晴らしい。それと言うのも後にその筋では知られるトム・ニューマンがバンドの中心人物でもあり、また、演奏陣営はこちらも後に知られる、ジェイド・ウォリアーの面々で構成されているので、こういったきちんと練られて構築されたサウンドが奏でられるのも至極納得。
Julyのカラフルさは、この時代のサイケデリックサウンドと片付けられるものの、後にELOで展開されるポップでカラフルサウンドの源とも聴けるし、ルーツが同じだからこそのビートルズ風味もあり、TomorrowやBlossom Toesあたりと親しいキャッチーさも持ち合わせた先駆的なセンスを持っている。恐らく本作制作で効果音の使い方や楽器が奏でる音の魅力、それをキャッチーに伝える味付けやメロディの作り方などを実験してモノにしていった気がする。真似ただけでも出来上がる一線は越えているセンスの良さが聴き取れるのも楽しい。それでいながらアルバム全体が単調にならないような楽曲の深み、広がりを使い分けてコンセプトアルバム的にも並べているようで、見事なサウンドコラージュを楽しませてくれる。

サイケデリック・ロックは時代にマッチしたのか雨後の筍並みに当時は多数のバンドがシーンに登場しているが、いつの時代も売れるとなれば青田刈りが始まって似たような音を出すバンドが幾つも出てくる。それでもほんの数年の間しか続かなかったサイケデリック・ロックのムーブメントは、最初期にビートルズが作り上げてしまったから、オリジナリティを生み出すバンドよりも、ビートルズの「Revolver」や「Sgt.Peppers…」を模倣するサウンドを奏でるバンドも多かった。ユニークなのは、それぞれが最高峰に挑戦しつつも独自のカラーをそこに加えているので、実は最高峰プラスアルファの魅力に溢れているバンドやアルバムも実は存在している点。もっともそこにクローズアップされるに至らず、埋もれたアルバムとして語られ続けたおかげで後の時代には発掘名盤として伝えられるのも素晴らしい。
正しくそう言ったバンドの筆頭格だろうJulyは1968年に傑作「July」をリリースしている。アルバムはこの一枚だけでシーンから消え去ったが、幾つかのシングル曲もリリースされているし、この時代にありがちなモノラル、ステレオ両盤もリリースされていた。今では全ての楽曲が収録された、どういう風に拡張したのか意味不明な6枚組CDまでもが出ているのでその気になれば全部が聴ける。アルバムを耳にすると、この時代ならではのサイケデリック風味全開、満載の効果音に楽曲、アルバムストーリーとトリップするためにあるようなカラフルなサウンドに包み込まれるが、それを顕著にしているのがタブラとシタールの音色。ビートルズのサイケデリックアルバム系にこの両者を加えてクローズアップしてあの最高峰クラスから更にサイケデリックスタイルを出している技量が素晴らしい。それと言うのも後にその筋では知られるトム・ニューマンがバンドの中心人物でもあり、また、演奏陣営はこちらも後に知られる、ジェイド・ウォリアーの面々で構成されているので、こういったきちんと練られて構築されたサウンドが奏でられるのも至極納得。
Julyのカラフルさは、この時代のサイケデリックサウンドと片付けられるものの、後にELOで展開されるポップでカラフルサウンドの源とも聴けるし、ルーツが同じだからこそのビートルズ風味もあり、TomorrowやBlossom Toesあたりと親しいキャッチーさも持ち合わせた先駆的なセンスを持っている。恐らく本作制作で効果音の使い方や楽器が奏でる音の魅力、それをキャッチーに伝える味付けやメロディの作り方などを実験してモノにしていった気がする。真似ただけでも出来上がる一線は越えているセンスの良さが聴き取れるのも楽しい。それでいながらアルバム全体が単調にならないような楽曲の深み、広がりを使い分けてコンセプトアルバム的にも並べているようで、見事なサウンドコラージュを楽しませてくれる。
- 関連記事