Epica - Omega
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Epica - Omega (2021)

ヘヴィメタルの中で細分化されたジャンルにまで入り込んでいくと、その実ひとつのジャンルにひとつのバンドが燦然と君臨している場合が多い。もう少し括りの大きなジャンル分けであれば当然いくつものバンドが代表的な例として挙げられるが、それにはやや音楽性が異なっていたり、バンドの方向的には微妙にズレているなどの面もあるので、結局細分化されていき、ひとつのバンドに集約される。その割には雨後の筍のように把握不能なほどのバンドがひしめき合っているのはアマゾンを見ていても分かるので色々と聴いていくにはハードルが高い。ただ、自分の好きな細分化されたジャンルを突き詰めていくと早めに好むバンドに出会えるかもしれないので、その意味では色々聴いて自分の気に入る傾向を掴んでおく必要もあるが、そもそもそんな事を考えて取り組まなければいけないジャンルでもないので、結局は何かと聴いてピンと来るかどうかが全て。
Epicaも既にキャリア20年弱となる嬢メタル出自のバンドで、2021年に新作「Omega」をリリースしてきたが、これがまた前作「ザ・ホログラフィック・プリンシプル」を大幅に上回る多彩な作風に彩られた200%満腹状態になる事この上ない仰々しい作品となっている。そもそもがゴシック・メタルバンドブーム的の中からAfter Foreverが出て来て、その中でもかなりクラシカルでオーケストレーション豊かなシンフォニックバンドとして頭一つ抜き出ていたが、そのときのボーカリストが今やNighwishのフロール・ヤンセン。その後バンドが解体して鍵盤奏者のマーク・ヤンセンが組んだプロジェクトから現ボーカリストのシモーネ・シモンズを発掘し、そのままEpicaとして始動したが、当初からシンフォニックとクワイヤを武器にした壮大なるオーケストレーションを従えたバンドサウンドとしてビジョンが描かれていたので、今に至るまでその基本路線は変わらず、言い換えると音楽的進化はさほど早くないまま基本路線を歩んでおり、その分リスナーもがっちりと掴んだまま離さないでいる。普通ならそこで同じようなサウンドとアルバムばかりで飽きてくるが、Epicaの凄いところは路線は同じながらも音の装飾や使い方やバンドサウンドのあり方がアルバムをリリースするにつれてゴージャスになり、常にリッチ化されている事でオーディエンスが聴いていても、今回も凄まじいサウンドになっているなと実感させるあたり。本作でもゴージャス感は前作以上に仕上がっているし、それに加えて冒頭から美女と野獣ばりのデスボイスとシモーネのエンジェルボイスでドラマティックにオープニングを聴かせ、その路線はアルバム全般に散りばめられているので一辺倒な飽きが来ない。更に楽曲面でも相変わらずのシンフォニック・メタルサウンドを基調としながらも民族風味、民族楽器の音色をアチコチに入れており、どこかホッとするような土着的なムードをこの壮大なるサウンドの中に入れ込む事で、細かい配慮ながら新しいエッセンスを投入している。
演奏や楽曲レベルの高さについては最早バンド単位で論じるレベルは早々に超えているので、どこまでリスナーを感動させられるか、楽曲による違いとドラマティックな展開がどこまで飽きさせないで感動を与えるかと、パフォーマンスの領域にあるのは間違いなく、そのクォリティは今回も圧倒的に素晴らしい高さにある。オランダ国内での人気は不動の地位にあるようだが、今回も5年ぶりのアルバムリリースとあって、相変わらずのサウンドでセールスも好評らしい。自分的には以前ならこれだけデスボイスが入っていると邪魔な感覚もあったが、今なら普通にこのアクセントも聴いていられるので随分と感覚も変わってきたものだ。それにしてもこれだけ高品質なアルバムだとどこをどう聴いて良いか分からないレベルにもなり、何度聴いていても心地良さはあるが覚えられないのも悩ましい。

ヘヴィメタルの中で細分化されたジャンルにまで入り込んでいくと、その実ひとつのジャンルにひとつのバンドが燦然と君臨している場合が多い。もう少し括りの大きなジャンル分けであれば当然いくつものバンドが代表的な例として挙げられるが、それにはやや音楽性が異なっていたり、バンドの方向的には微妙にズレているなどの面もあるので、結局細分化されていき、ひとつのバンドに集約される。その割には雨後の筍のように把握不能なほどのバンドがひしめき合っているのはアマゾンを見ていても分かるので色々と聴いていくにはハードルが高い。ただ、自分の好きな細分化されたジャンルを突き詰めていくと早めに好むバンドに出会えるかもしれないので、その意味では色々聴いて自分の気に入る傾向を掴んでおく必要もあるが、そもそもそんな事を考えて取り組まなければいけないジャンルでもないので、結局は何かと聴いてピンと来るかどうかが全て。
Epicaも既にキャリア20年弱となる嬢メタル出自のバンドで、2021年に新作「Omega」をリリースしてきたが、これがまた前作「ザ・ホログラフィック・プリンシプル」を大幅に上回る多彩な作風に彩られた200%満腹状態になる事この上ない仰々しい作品となっている。そもそもがゴシック・メタルバンドブーム的の中からAfter Foreverが出て来て、その中でもかなりクラシカルでオーケストレーション豊かなシンフォニックバンドとして頭一つ抜き出ていたが、そのときのボーカリストが今やNighwishのフロール・ヤンセン。その後バンドが解体して鍵盤奏者のマーク・ヤンセンが組んだプロジェクトから現ボーカリストのシモーネ・シモンズを発掘し、そのままEpicaとして始動したが、当初からシンフォニックとクワイヤを武器にした壮大なるオーケストレーションを従えたバンドサウンドとしてビジョンが描かれていたので、今に至るまでその基本路線は変わらず、言い換えると音楽的進化はさほど早くないまま基本路線を歩んでおり、その分リスナーもがっちりと掴んだまま離さないでいる。普通ならそこで同じようなサウンドとアルバムばかりで飽きてくるが、Epicaの凄いところは路線は同じながらも音の装飾や使い方やバンドサウンドのあり方がアルバムをリリースするにつれてゴージャスになり、常にリッチ化されている事でオーディエンスが聴いていても、今回も凄まじいサウンドになっているなと実感させるあたり。本作でもゴージャス感は前作以上に仕上がっているし、それに加えて冒頭から美女と野獣ばりのデスボイスとシモーネのエンジェルボイスでドラマティックにオープニングを聴かせ、その路線はアルバム全般に散りばめられているので一辺倒な飽きが来ない。更に楽曲面でも相変わらずのシンフォニック・メタルサウンドを基調としながらも民族風味、民族楽器の音色をアチコチに入れており、どこかホッとするような土着的なムードをこの壮大なるサウンドの中に入れ込む事で、細かい配慮ながら新しいエッセンスを投入している。
演奏や楽曲レベルの高さについては最早バンド単位で論じるレベルは早々に超えているので、どこまでリスナーを感動させられるか、楽曲による違いとドラマティックな展開がどこまで飽きさせないで感動を与えるかと、パフォーマンスの領域にあるのは間違いなく、そのクォリティは今回も圧倒的に素晴らしい高さにある。オランダ国内での人気は不動の地位にあるようだが、今回も5年ぶりのアルバムリリースとあって、相変わらずのサウンドでセールスも好評らしい。自分的には以前ならこれだけデスボイスが入っていると邪魔な感覚もあったが、今なら普通にこのアクセントも聴いていられるので随分と感覚も変わってきたものだ。それにしてもこれだけ高品質なアルバムだとどこをどう聴いて良いか分からないレベルにもなり、何度聴いていても心地良さはあるが覚えられないのも悩ましい。
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