Dark Tranquillity - Moment

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Dark Tranquillity - Moment (2020)
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 近年はヨーロッパのバンドも名前を聞くことも増えてきたので、ヨーロッパ諸国の地理的場所や雰囲気や何となくの想像でしかないながらお国柄をイメージ出来る事も多くなったが、今回のコロナ禍に於いて言えばスウェーデンの対策が当初から集団免疫獲得路線で、なかなか思うようには進まず政府が失策と認めるような出来事もあり、それはともかくながら自分が知っているスウェーデンのバンドのメンバー達は果たしてどう思っているのだろうか、など具体的に顔が浮かぶからか妙に心配してしまった。もっとも人を知っているワケではないので、大した話ではないが、その際にスウェーデンは人口が1千万人程度の国、と聞いてみると、それは東京都内よりも少ない人口だとも気づく。その中で世界に出てくるバンドがいくつもあり、シーンを活性化したり新たなシーンを作り上げたりと随分と確率論的には少ない中で才能溢れる人たちの多さに驚いた。

 何かの情報もあって、またアマゾンでもジャケットをチラチラ見かけるのもあり、Dark Tranquillityの存在を知った。2020年に12枚目のアルバム「Moment」をリリースしたばかりとの事。また、本作からギタリストが入れ替わって、元Arch Enemyのクリストファー・アモットが参加しているので聴いてみようと手に取っただけなので古くから彼らを知るリスナーからしたら今更何事だと思われるだろうが、初めて聴いてみた。そしてこの完成度の高さと音楽性の美しさとデスボイスの美しさ、という意味の分からない不思議な感触を味わった。バンド的にはメロディック・デス・メタルと呼ばれた時期もあったようだが、要するに美しいメロディを奏でながらも絶望的な雰囲気を出すヘヴィメタルと言う意味だろうが、その通りの楽曲が立ち並ぶ名盤だと思う。他の作品を耳にしていないので、これがこのバンドの最高傑作かどうかは分からないが、普通にアルバムを聴いて素晴らしい以上のアルバムだろうと思った。自分がこの手の哀しげなメロディを奏でる美しい世界が好きだからと言うのは大きいが、それでもアルバムを飽きずに聴けるのは珍しいし、それだけバリエーション豊かな曲が並んでいるワケでもない。それでも楽曲レベルが高いのとドラマティックさ加減が美しいのとボーカルも変幻自在だからと言うのもあるから、長尺多曲なアルバムなのにずっと聴き続けて感動できたアルバム。

 この手のバンドでは自分的にはArch Enemyくらいしか知らないし、それがベストだと思っているので他と比較も出来ないが、あの勢いやブルータルな雰囲気から比べると真逆とも言える絶望的な美しさが心地良く、クリストファー・アモットがArch Enemyを抜けてこちらに来て伸び伸びとギターを弾いている姿を聴いていると妙に納得する。その分目立つプレイにはならないが、それでもギタリストが比重を占める事に変わりはないし、その方向性がソロだけではなく楽曲に占める音楽部分の割合が増えていると解釈出来そうだ。常にこの手のバンドを聴き続けるのは無理が、ふと聴いていると実に美しく心に染み入るのは面白いので、チマチマと事ある毎に取り組んでみようかと言う気になっているし、そうしていつしかハマっていくバンドもあるので楽しみが増えた。しかしクリーンボイスもデスボイスも美しい使い方されているし、ドラマティックな楽曲加減も素晴らしくヘヴィメタルの奥深さにまた改めて感心。







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フレ
Posted byフレ

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