Zakk Sabbath - Vertigo
0 Comments
Zakk Sabbath - Vertigo (2020)

当時は言われる事は当然無かっただろうが、今では当たり前のように知られているBlack Sabbathこそがヘヴィメタルの始祖だった、と言う事実。ヘヴィメタルという音楽形態のジャンルのひとつの特性としてカントリーやブルースとは相容れない世界から生まれ出てきたヘヴィなサウンドとして言い表す方がいわゆるハードロックとは線が引きやすく、事実ほぼすべてのヘヴィメタルサウンドでは、ブルースと称されるプレイをするギタリストもいるし楽曲を奏でている場合もあるが、それでもどれもこれも本質的なブルースからのサウンドではなく、ブルースフレーズとリズムを持ち込んでヘヴィメタル的に出来るパターンとして展開するケースが多い。だからヘヴィメタルは70年にBlack Sabbathが生み出したサウンドでありながらブルース色は皆無、と思っていたが、紐解けば紐解くほどそう簡単でもなさそうな事実が分かってきてなかなか困る。頭を痛めるのは「Evil Woman」の原曲でアメリカのCrowと言うバンドのカバー曲でもあり、アレンジをヘヴィにして如何にもサバスらしく仕上げている作品だが、リズムやコードもブルース進行で、ここまでのヘヴィさを出していた。それが逆に現代のストーナーロックでも用いられているゆったりおおらかなリズムで呪術的なムードを出すベースにもなったワケだが。
Black Sabbathと言えばオジー・オズボーン、オジー・オズボーンと言えばザック・ワイルド、と名が挙がるのも当然で、まさかそのザック・ワイルドがBlack Sabbathの1970年のファーストアルバムをそのままカバーしたアルバムをリリースするなどと考えもしなかったが、見事なアルバムジャケットとサウンドで堂々とシーンに出してきた。しかもアルバムタイトルが「Vertigo」と来たから畏れ入る。曲目を見て、なるほど、とそのユニークながらも当然の流れを感じたのが、Black Sabbathの名盤「Black Sabbath」は自分的には普通に英国オリジナル盤の曲順でしか印象が無かったので、今回のザックの「Vertigo」を見ていて、また聴いていて不思議に思ったのが「Evil Woman」が無く、「Wicked World」がその位置に入っている姿だった。アメリカで生まれ育ったザック・ワイルドからしたら普通に手に入って聴けたレコードは当然アメリカ盤だったろうし、この曲順と収録曲で聴いて育っただろうから当たり前にこういう曲順でカバーしているのも納得だが、なるほど、こういう形で英米盤の選曲違いの妙が出てくるのもなかなか実感する事がないので新鮮だった。コレクター的に、ニッチ的に知識としてそういう違いがあるのは認識しているし今の時代ではそれを意識したCDリリースも盛んだから当然知識も増えるが、到底そういう見地からは離れているザック・ワイルドからしたらこれが何か違うのか、となる事だろう。もしかしたら当のオジー・オズボーンですらほとんど意識もしていない点かもしれない。そんな妙な感動がありながらアルバムを聴き始めていた。
まずは誰もが最初に思っただろうが、アルバム冒頭からしてこれがザック・ワイルドのボーカルなのか、と言うくらいにオジー・オズボーンそのままの歌声が流れてくる嬉しさ。更にバンドの音、アルバムに収録されているサウンドは紛れもなく最近のサウンドであるのは分かるが、確かに好きな者が奏でる雰囲気あるサウンドが出て来て嬉しくなる。当然ザック・ワイルドのギターなので今時のヘヴィなギタープレイや音色で彩られているが、見事なまでにブラック・サバスそのまま。それでいてザック・ワイルドの音、このバンドの音、と違いも出せている不思議がプロ中のプロ。本来ならオジー・オズボーンをゲストに迎えてどこかで参加させての楽しさなども考えられたが、そういう小細工なしにまっすぐザック・ワイルドのブラック・サバス好き、オジー・オズボーン好きが見事に記録された作品に仕上がっている。肝心のギターについても、これがまた妙な話ながら、どこから聴いてもザック・ワイルドの音とプレイでトニー・アイオミでは絶対弾いていないフレーズや速弾きも当然出てくるが、何らおかしくないし違和感もなく、むしろ今の時代のBlack Sabbathのアルバムはこうなるぞ、と教えてくれるかのように生まれ変わったアルバムとして君臨している。あの退廃的で霧の立ち込めた怪しさを持つ雰囲気は詰め込まれていないが、それは逆になしにここまでバンドの音だけで出来上がっているのだから凄い。逆に思えばあの時代のBlack Sabbathのあのサウンドはホント、見事なまでに雰囲気を作り出した傑作だったとも思う。

当時は言われる事は当然無かっただろうが、今では当たり前のように知られているBlack Sabbathこそがヘヴィメタルの始祖だった、と言う事実。ヘヴィメタルという音楽形態のジャンルのひとつの特性としてカントリーやブルースとは相容れない世界から生まれ出てきたヘヴィなサウンドとして言い表す方がいわゆるハードロックとは線が引きやすく、事実ほぼすべてのヘヴィメタルサウンドでは、ブルースと称されるプレイをするギタリストもいるし楽曲を奏でている場合もあるが、それでもどれもこれも本質的なブルースからのサウンドではなく、ブルースフレーズとリズムを持ち込んでヘヴィメタル的に出来るパターンとして展開するケースが多い。だからヘヴィメタルは70年にBlack Sabbathが生み出したサウンドでありながらブルース色は皆無、と思っていたが、紐解けば紐解くほどそう簡単でもなさそうな事実が分かってきてなかなか困る。頭を痛めるのは「Evil Woman」の原曲でアメリカのCrowと言うバンドのカバー曲でもあり、アレンジをヘヴィにして如何にもサバスらしく仕上げている作品だが、リズムやコードもブルース進行で、ここまでのヘヴィさを出していた。それが逆に現代のストーナーロックでも用いられているゆったりおおらかなリズムで呪術的なムードを出すベースにもなったワケだが。
Black Sabbathと言えばオジー・オズボーン、オジー・オズボーンと言えばザック・ワイルド、と名が挙がるのも当然で、まさかそのザック・ワイルドがBlack Sabbathの1970年のファーストアルバムをそのままカバーしたアルバムをリリースするなどと考えもしなかったが、見事なアルバムジャケットとサウンドで堂々とシーンに出してきた。しかもアルバムタイトルが「Vertigo」と来たから畏れ入る。曲目を見て、なるほど、とそのユニークながらも当然の流れを感じたのが、Black Sabbathの名盤「Black Sabbath」は自分的には普通に英国オリジナル盤の曲順でしか印象が無かったので、今回のザックの「Vertigo」を見ていて、また聴いていて不思議に思ったのが「Evil Woman」が無く、「Wicked World」がその位置に入っている姿だった。アメリカで生まれ育ったザック・ワイルドからしたら普通に手に入って聴けたレコードは当然アメリカ盤だったろうし、この曲順と収録曲で聴いて育っただろうから当たり前にこういう曲順でカバーしているのも納得だが、なるほど、こういう形で英米盤の選曲違いの妙が出てくるのもなかなか実感する事がないので新鮮だった。コレクター的に、ニッチ的に知識としてそういう違いがあるのは認識しているし今の時代ではそれを意識したCDリリースも盛んだから当然知識も増えるが、到底そういう見地からは離れているザック・ワイルドからしたらこれが何か違うのか、となる事だろう。もしかしたら当のオジー・オズボーンですらほとんど意識もしていない点かもしれない。そんな妙な感動がありながらアルバムを聴き始めていた。
まずは誰もが最初に思っただろうが、アルバム冒頭からしてこれがザック・ワイルドのボーカルなのか、と言うくらいにオジー・オズボーンそのままの歌声が流れてくる嬉しさ。更にバンドの音、アルバムに収録されているサウンドは紛れもなく最近のサウンドであるのは分かるが、確かに好きな者が奏でる雰囲気あるサウンドが出て来て嬉しくなる。当然ザック・ワイルドのギターなので今時のヘヴィなギタープレイや音色で彩られているが、見事なまでにブラック・サバスそのまま。それでいてザック・ワイルドの音、このバンドの音、と違いも出せている不思議がプロ中のプロ。本来ならオジー・オズボーンをゲストに迎えてどこかで参加させての楽しさなども考えられたが、そういう小細工なしにまっすぐザック・ワイルドのブラック・サバス好き、オジー・オズボーン好きが見事に記録された作品に仕上がっている。肝心のギターについても、これがまた妙な話ながら、どこから聴いてもザック・ワイルドの音とプレイでトニー・アイオミでは絶対弾いていないフレーズや速弾きも当然出てくるが、何らおかしくないし違和感もなく、むしろ今の時代のBlack Sabbathのアルバムはこうなるぞ、と教えてくれるかのように生まれ変わったアルバムとして君臨している。あの退廃的で霧の立ち込めた怪しさを持つ雰囲気は詰め込まれていないが、それは逆になしにここまでバンドの音だけで出来上がっているのだから凄い。逆に思えばあの時代のBlack Sabbathのあのサウンドはホント、見事なまでに雰囲気を作り出した傑作だったとも思う。
- 関連記事
-
- Black Sabbath featuring Tony Iommi - Seventh Star
- Zakk Sabbath - Vertigo
- Black Sabbath - Paranoid (2009 Deluxe Edition)