Uncle Acid & The Deadbeats - Blood Lust
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Uncle Acid & The Deadbeats - Blood Lust (2011)

サイケデリック・ロックは60年代に生まれ、当時は一世を風靡したサウンドでビートルズはおろか、ストーンズまでもがその波を被り、アメリカでも当然シーンの中心となっていったが、ほんの数年でシーンは移り変わっていった。それ以降、サイケデリック・ロックはアンダーグラウンドの一部のバンドが愛好するだけの音楽形態になっていたが、どこかしら何かしらサイケデリック風味の楽曲やバンドは常に浮上している面もあり、70年代の英国でもその進化系を辿ったバンドはいくつもあり、またプログレとも融合して高尚な作品にまでなっている場合もあろう。80年代になるとサイコビリーなどと持て囃されての融合もあったり、90年代にはメタルあたりとも融合していき、既にサイケデリック風味はオカルト風味や悪魔主義的風味と共にカルト的な使われ方をしていくようにもなった。一方では21世紀になっても相変わらず60年代そのままのサイケデリックキラキラポップ風味を打ち出すバンド、またその時代のポップスと合わせての個性として用いられる事もあり、時代は繰り返すとは言ったものだ。ただ、その技量や風味の出し方は60年代とは比べ物にならない程に洗練され分解され、再構築されて用いられて、以前よりも強烈にサイケデリックを出してくれている場合が多い。
2010年に英国からシーンに登場したUncle Acid & The Deadbeatsなるバンドがあるが、その筋では当然広く知られているらしい。自分的にはここのところあまりにも古臭いバンドの音ばかりを聴いていたので、いい加減もっと現代的な音を聴きたくなってアレコレと漁ってて、サイケデリック風味、今で言えばストーナー系にもなろうか、と思って探していたところに引っ掛かったバンドなので細かい来歴などをまるで知らない。どこの宣伝文句にもリー・ドリアン主催のライズ・アバブレーベル云々とあるが、近年のこの手のバンドでこの冠が付かない方が珍しいと思えるくらいによく出てくる単語なので、どことなくそれならば一級品だろうとは想像が付く。しかも既に10年以上のキャリアを誇り、YouTubeや画像を見てもそれらしい雰囲気と面構えなので聴いてみたくなるのも至極当然で、2011年に自主制作で録音された「Blood Lust」がそれこそ上記からメジャーでリリースされる事となってヒットしたアルバムだ。この時代なので自主制作と言えどもクォリティの高さは当然で、聴いてても特に違和感なく普通にアルバムとして聴けるが、冒頭からどうしてこういうバンドはいともたやすくサイケデリックと言うかストーナー的気怠さと暗黒感を出せてしまうのか、なるほどこの手のバンドでしかない、とすぐに分かるような楽曲が立ち並ぶ。有り体に書けばほとんどの曲がシャッフルと言うか大らかな3連のリズムにユラユラと歪んだヘヴィなギターを乗せ、そのギターも細かいリフやフレーズではなく白玉リズム強調的な妖しさが中心になっているからクラクラしてくる。これぞストーナーの得意技。メタル連中と違って、ギターソロにしても何にしても忙しくないのでゆったりとユラユラしたまま流されて聴けていくのは特徴的でもあるが、今の時代はこれがロック、となるのかもしれない。
じっくりと聴いていると結構ギターの重ね方にしてもユニークな使い方だし、かと言ってサイケデリックさを出すのに妙な効果音を用いる事はしていないし、ボーカルのエフェクトが強烈だから、それでどこかサイケデリックなムードを味わっているような部分も大きい。よくよく聴いていれば、どの曲も凝った展開などしておらず普通にロック、オーソドックスなロックを踏襲した楽曲ばかりでシンプルですらあるので、ツボさえ押さえればかなりハマるのがストーナーロック系とも言えるが、それに加えて楽曲のレベルとセンスの高さが飽きさせないアルバムとしてヒットしたのだろう。ギター好きからするともっとギタリストらしくしていてほしい面はあるが、今の時代にそれもウケないだろうか。メインソングライターでボーカル・ギターのケヴィン・スターズ以外はどのパートもメンバーチェンジされているので、ほぼワンマンなバンドのようにも見えるが、それだけ彼のセンスが光るのだろう。本アルバムではトリオでの時代のメンバーによるプレイなので、シンプルにソリッドさが強調されているのかもしれない。

サイケデリック・ロックは60年代に生まれ、当時は一世を風靡したサウンドでビートルズはおろか、ストーンズまでもがその波を被り、アメリカでも当然シーンの中心となっていったが、ほんの数年でシーンは移り変わっていった。それ以降、サイケデリック・ロックはアンダーグラウンドの一部のバンドが愛好するだけの音楽形態になっていたが、どこかしら何かしらサイケデリック風味の楽曲やバンドは常に浮上している面もあり、70年代の英国でもその進化系を辿ったバンドはいくつもあり、またプログレとも融合して高尚な作品にまでなっている場合もあろう。80年代になるとサイコビリーなどと持て囃されての融合もあったり、90年代にはメタルあたりとも融合していき、既にサイケデリック風味はオカルト風味や悪魔主義的風味と共にカルト的な使われ方をしていくようにもなった。一方では21世紀になっても相変わらず60年代そのままのサイケデリックキラキラポップ風味を打ち出すバンド、またその時代のポップスと合わせての個性として用いられる事もあり、時代は繰り返すとは言ったものだ。ただ、その技量や風味の出し方は60年代とは比べ物にならない程に洗練され分解され、再構築されて用いられて、以前よりも強烈にサイケデリックを出してくれている場合が多い。
2010年に英国からシーンに登場したUncle Acid & The Deadbeatsなるバンドがあるが、その筋では当然広く知られているらしい。自分的にはここのところあまりにも古臭いバンドの音ばかりを聴いていたので、いい加減もっと現代的な音を聴きたくなってアレコレと漁ってて、サイケデリック風味、今で言えばストーナー系にもなろうか、と思って探していたところに引っ掛かったバンドなので細かい来歴などをまるで知らない。どこの宣伝文句にもリー・ドリアン主催のライズ・アバブレーベル云々とあるが、近年のこの手のバンドでこの冠が付かない方が珍しいと思えるくらいによく出てくる単語なので、どことなくそれならば一級品だろうとは想像が付く。しかも既に10年以上のキャリアを誇り、YouTubeや画像を見てもそれらしい雰囲気と面構えなので聴いてみたくなるのも至極当然で、2011年に自主制作で録音された「Blood Lust」がそれこそ上記からメジャーでリリースされる事となってヒットしたアルバムだ。この時代なので自主制作と言えどもクォリティの高さは当然で、聴いてても特に違和感なく普通にアルバムとして聴けるが、冒頭からどうしてこういうバンドはいともたやすくサイケデリックと言うかストーナー的気怠さと暗黒感を出せてしまうのか、なるほどこの手のバンドでしかない、とすぐに分かるような楽曲が立ち並ぶ。有り体に書けばほとんどの曲がシャッフルと言うか大らかな3連のリズムにユラユラと歪んだヘヴィなギターを乗せ、そのギターも細かいリフやフレーズではなく白玉リズム強調的な妖しさが中心になっているからクラクラしてくる。これぞストーナーの得意技。メタル連中と違って、ギターソロにしても何にしても忙しくないのでゆったりとユラユラしたまま流されて聴けていくのは特徴的でもあるが、今の時代はこれがロック、となるのかもしれない。
じっくりと聴いていると結構ギターの重ね方にしてもユニークな使い方だし、かと言ってサイケデリックさを出すのに妙な効果音を用いる事はしていないし、ボーカルのエフェクトが強烈だから、それでどこかサイケデリックなムードを味わっているような部分も大きい。よくよく聴いていれば、どの曲も凝った展開などしておらず普通にロック、オーソドックスなロックを踏襲した楽曲ばかりでシンプルですらあるので、ツボさえ押さえればかなりハマるのがストーナーロック系とも言えるが、それに加えて楽曲のレベルとセンスの高さが飽きさせないアルバムとしてヒットしたのだろう。ギター好きからするともっとギタリストらしくしていてほしい面はあるが、今の時代にそれもウケないだろうか。メインソングライターでボーカル・ギターのケヴィン・スターズ以外はどのパートもメンバーチェンジされているので、ほぼワンマンなバンドのようにも見えるが、それだけ彼のセンスが光るのだろう。本アルバムではトリオでの時代のメンバーによるプレイなので、シンプルにソリッドさが強調されているのかもしれない。
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