The Pretty Reckless - Death by Rock and Roll
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The Pretty Reckless - Death by Rock and Roll (2021)

バンド名は見た事あるが音を聴いた事はないアルバムも多数あるし、気になっててもその場で聴かないとつい後回しと言うか忘れてしまってそのままのバンドやアルバムも多い。あとはアルバムジャケット見て、何となく聴く気にならないままな作品もあるし、逆もまたあるが、ジャケットが良さげで聴いてみたらイマイチなのは割とあるから、多分ジャケットイマイチでも中身が良いのも多いのだろう。今回のThe Pretty Recklessはそう言えば以前からアマゾンで何かと見かけていたアルバムジャケットがズラリと並んでいて、見た事ある作品ばかりだったが、どうにもイマイチ印象が掴めないまま、もしくはあまりにもアイドル路線っぽく見えてしまっていたから聴いていなかった。まさかそこからこんなに骨太なハードロックが飛び出してくるとは想像もしてなかったので、余計に驚いた次第。
2021年にリリースされた4枚目のアルバム「Death by Rock and Roll」を耳にしながらあれこれと調べているが、なるほど、多才な女子らしく女優にミュージシャン業、その分ヤバそうな精神状態にもなり繊細な神経の持ち主らしくも映るが、そういった背景はともかくながら、単純にアルバムに収録されているサウンドを聴いていると、驚くばかりに現代風のハードヘヴィロックを展開しており、決してヘヴィメタルではなく、かと言って従来型ハードロックだけとも思えず、まさに今の色合いを見せるサウンド。それでいながら、更に自分的に驚いたのはボーカルのテイラー・モムセンの歌声のバリエーション、そしてメインとしている歌声のドスの利いた歌いっぷり。どこかで聴いた事のあるような歌いっぷりではあるがパッと名前が出てこない。多分女性ではこういう歌声で歌っている人を聴いた事もないからだろうが、男性ならダミ声のR&Rだからジョージア・サテライツ的とは言えるがもっとサウンドはヘヴィな作品が多いのでそうでもないか。バラードチックな作品ではダミ声ではなく、これもまた個性的なトーンの歌声で聴かせてくれるのもユニークなアプローチで、基本的にハイトーンではなく、低音系な歌声が出てくるのは可愛らしい顔に似合わず不思議で頼もしい。思い出した…、カナダのアランナ・マイルズをもうちょいとヘヴィにした感触の歌声だ。ただ、声質はまるで異なるので当然唯一無二のボーカリストでこの美貌だから売れないハズもない。
それでいながらバンドの主軸となるサウンドは基本はハードロック。ラウドロック的なヘヴィネスさも持っておりグイグイとノリを出してくれるので、そこに見合ったダミ声のヘヴィな歌声もかなり生きてくるし、だからこそハイトーンである必要もないし、かなりカッコ良い。太い声、と言えばそうかもしれないが、それよりもカッコ良いのはきちんと伝わってくる歌いっぷりだろう。どの曲でもものすごく歌声が心に突き刺さってくる歌唱で、PV見ながらだとホントにハマっていく。本作は完成までの間に周囲でいくつかの不幸にも見舞われ、且つコロナ禍を迎えてもあって結構な難産アルバムだったようだ。その雰囲気がアルバムにそのまま反映されているようで、サウンドはアメリカンなハードヘヴィサウンドそのままながら、単に明るく突き抜けるような作風だけにならず、重さと深みを孕んだ意味深い作品に仕上がっている。これだけの歌をロック界で歌うシンガーでありながら全米テレビドラマの女優を演じているのだからそのギャップのあり方も面白い。リスナーとファン層は被らないような気もするので、話題でしかないだろうが、元々演技が出来るから、好きだからこういう歌の世界でも成り切れるだけでなく、感情移入が他のシンガーとは違うのかもしれない。そんな興味を持ちながら聴いているが、とにかく表現力が素晴らしく豊かで明らかに突出している。バンドの音だけではここまで突出した存在にはならなかっただろうから、やはりテイラー・モムセンの個性が引っ張っていると言えよう。
シングルカットされているナンバーがアルバムを代表する楽曲群なのは間違いないが、アルバムそのものが相当ハイレベルな楽曲で占められているのでまず外さないヘヴィさを楽しめる。個人的に静かめなバラードチックな作品はもうちょっと少なくて「25」だけでも良いだろうと思いはするが、キャッチーさを味わせるにはそういう必要だったろうか。「Got So High」など可愛らし過ぎて少々苦笑いしてしまうが、それのみならず「Broomsticks」のような喜劇チックな多方面へのアレンジに挑戦している節もあるのでまだまだバンドは発展していくだろうし、冷静に聴いているとハードヘヴィサウンドの方が少なく、終盤はミドルテンポのロックサウンドが立ち並ぶのでこの辺りはアメリカ的か。通して聴いてみればかなりバリエーション豊かなアレンジと楽曲が散りばめられており、オーソドックスなスタイルから野心的な作風まで、最後の「Harley Darling」などはもはやカントリータッチとも言える作風で驚く。そんなカラフルなアルバムながらもロックリスナー的には少々驚く要素が詰め込まれている作品。

バンド名は見た事あるが音を聴いた事はないアルバムも多数あるし、気になっててもその場で聴かないとつい後回しと言うか忘れてしまってそのままのバンドやアルバムも多い。あとはアルバムジャケット見て、何となく聴く気にならないままな作品もあるし、逆もまたあるが、ジャケットが良さげで聴いてみたらイマイチなのは割とあるから、多分ジャケットイマイチでも中身が良いのも多いのだろう。今回のThe Pretty Recklessはそう言えば以前からアマゾンで何かと見かけていたアルバムジャケットがズラリと並んでいて、見た事ある作品ばかりだったが、どうにもイマイチ印象が掴めないまま、もしくはあまりにもアイドル路線っぽく見えてしまっていたから聴いていなかった。まさかそこからこんなに骨太なハードロックが飛び出してくるとは想像もしてなかったので、余計に驚いた次第。
2021年にリリースされた4枚目のアルバム「Death by Rock and Roll」を耳にしながらあれこれと調べているが、なるほど、多才な女子らしく女優にミュージシャン業、その分ヤバそうな精神状態にもなり繊細な神経の持ち主らしくも映るが、そういった背景はともかくながら、単純にアルバムに収録されているサウンドを聴いていると、驚くばかりに現代風のハードヘヴィロックを展開しており、決してヘヴィメタルではなく、かと言って従来型ハードロックだけとも思えず、まさに今の色合いを見せるサウンド。それでいながら、更に自分的に驚いたのはボーカルのテイラー・モムセンの歌声のバリエーション、そしてメインとしている歌声のドスの利いた歌いっぷり。どこかで聴いた事のあるような歌いっぷりではあるがパッと名前が出てこない。多分女性ではこういう歌声で歌っている人を聴いた事もないからだろうが、男性ならダミ声のR&Rだからジョージア・サテライツ的とは言えるがもっとサウンドはヘヴィな作品が多いのでそうでもないか。バラードチックな作品ではダミ声ではなく、これもまた個性的なトーンの歌声で聴かせてくれるのもユニークなアプローチで、基本的にハイトーンではなく、低音系な歌声が出てくるのは可愛らしい顔に似合わず不思議で頼もしい。思い出した…、カナダのアランナ・マイルズをもうちょいとヘヴィにした感触の歌声だ。ただ、声質はまるで異なるので当然唯一無二のボーカリストでこの美貌だから売れないハズもない。
それでいながらバンドの主軸となるサウンドは基本はハードロック。ラウドロック的なヘヴィネスさも持っておりグイグイとノリを出してくれるので、そこに見合ったダミ声のヘヴィな歌声もかなり生きてくるし、だからこそハイトーンである必要もないし、かなりカッコ良い。太い声、と言えばそうかもしれないが、それよりもカッコ良いのはきちんと伝わってくる歌いっぷりだろう。どの曲でもものすごく歌声が心に突き刺さってくる歌唱で、PV見ながらだとホントにハマっていく。本作は完成までの間に周囲でいくつかの不幸にも見舞われ、且つコロナ禍を迎えてもあって結構な難産アルバムだったようだ。その雰囲気がアルバムにそのまま反映されているようで、サウンドはアメリカンなハードヘヴィサウンドそのままながら、単に明るく突き抜けるような作風だけにならず、重さと深みを孕んだ意味深い作品に仕上がっている。これだけの歌をロック界で歌うシンガーでありながら全米テレビドラマの女優を演じているのだからそのギャップのあり方も面白い。リスナーとファン層は被らないような気もするので、話題でしかないだろうが、元々演技が出来るから、好きだからこういう歌の世界でも成り切れるだけでなく、感情移入が他のシンガーとは違うのかもしれない。そんな興味を持ちながら聴いているが、とにかく表現力が素晴らしく豊かで明らかに突出している。バンドの音だけではここまで突出した存在にはならなかっただろうから、やはりテイラー・モムセンの個性が引っ張っていると言えよう。
シングルカットされているナンバーがアルバムを代表する楽曲群なのは間違いないが、アルバムそのものが相当ハイレベルな楽曲で占められているのでまず外さないヘヴィさを楽しめる。個人的に静かめなバラードチックな作品はもうちょっと少なくて「25」だけでも良いだろうと思いはするが、キャッチーさを味わせるにはそういう必要だったろうか。「Got So High」など可愛らし過ぎて少々苦笑いしてしまうが、それのみならず「Broomsticks」のような喜劇チックな多方面へのアレンジに挑戦している節もあるのでまだまだバンドは発展していくだろうし、冷静に聴いているとハードヘヴィサウンドの方が少なく、終盤はミドルテンポのロックサウンドが立ち並ぶのでこの辺りはアメリカ的か。通して聴いてみればかなりバリエーション豊かなアレンジと楽曲が散りばめられており、オーソドックスなスタイルから野心的な作風まで、最後の「Harley Darling」などはもはやカントリータッチとも言える作風で驚く。そんなカラフルなアルバムながらもロックリスナー的には少々驚く要素が詰め込まれている作品。
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