The Rolling Stones - It's Only Rock'n Roll (Remastered)
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The Rolling Stones - It's Only Rock'n Roll (Remastered) (1974)

キャリアの長いバンドなら大抵メンバーがどこかで替わっていき、その時々で音楽的な方向性も変化したりするが、ストーンズの場合はその意味ではほぼ音楽的な進化は見当たらず、時代に合わせてアレンジを持ち込む事はあれど、それ自体は単発のお遊び要素が強いからストーンズと言うバンドの持つR&Rは常に変わらず、悪く言えばいつも同じ、良く言えばそれこそストーンズのグルーブがいつ、どのアルバムでも当然ながら聴ける。それでもアルバム毎に個性はあるし、実験的な作品も多いし、曲の良い悪しもそれは出てくるが、ただいつも必ず最初に聴いて思うのはカッコ良い、の一言。今でも何かと新曲が出て来て聴いてみれば、やはりその例に漏れずカッコ良い、と思うのだから凄い。カッコ良さを知っているから、とも言えるしそもそも普通に出てくるとカッコ良いのだろう。だから個人的にストーンズばかり聴いている日々はあまりなかった。単発で聞いてはカッコ良いと思うばかりの聴き方で、アルバム単位で毎回聞いている。
1974年にリリースされた「It's Only Rock'n Roll」がここまで傑作名盤だとも思っていなかったが、久々にじっくりと数回聴いていたら、案の定とてつもなく素晴らしいアルバムで、多分他のアルバム聴いたらそれもまた凄い、となる事は必至だが、今日はこのアルバムが最高と言っておこう。ギターがミック・テイラーに替わり、安定した作品をリリースしてきた中での地に足着けた素晴らしくカッコ良いR&Rが存分に詰め込まれている、と書くもののかなりバリエーション豊かな作風が揃っているのも魅力的で、飽きさせない作り。それにしてもピアノ陣のゲストが何とも豊富で、ニッキー・ホプキンスにイアン・スチュワート、そしてビリー・プレストンまで参加しているし、おなじみパーカッショニストのレイ・クーパーも登場し、タイトル曲では既にロン・ウッドまでもが参加している。もっともこのアルバムタイトルともなった「It's Only Rock'n Roll」はロン・ウッドのソロアルバム製作時に出来上がってしまった曲らしく、おかげでロン・ウッドのギターに加え、ドラムにはケニー・ジョーンズ、ベースはウィリー・ウィークスが参加した録音で、それをチャーリー・ワッツとビル・ワイマンはPVでアテレコしているのもなかなか知っていると苦笑いするお話。更に最近ではこのアコギまみれのデモテープのバックコーラスにデヴィッド・ボウイが参加している音源も流出しており、どれだけロン・ウッド周辺の人間関係の幅広さが分かる事か、そんなセッションからの素晴らしくR&Rな一曲、そしてタイトル曲。冒頭の「If You Can't Rock Me」からして最高にカッコ良いツインギターの絡みが絶妙に味わえて、このジャリジャリなスタイルは他には類を見ない圧倒的にストーンズのサウンドで、ついついノリノリになってくる。「Till The Next Goodbye」ももうひとつのストーンズらしいピアノ入りの静かな楽曲で、この時期だからかかなりカントリータッチ的ではあるが、やはりニッキー・ホプキンスのピアノが素晴らしい。そして本アルバムでもっともレベル高く異質感もありつつ素晴らしく最高の楽曲と演奏がミック・テイラーのためでしかないだろうとすら思える「Time Waits for No One」。こちらもニッキー・ホプキンスのピアノが絶妙ながら、キースのギタープレイも美しくなりつつ、やはりミック・テイラーのギターフレーズが実に素晴らしい旋律を奏でて印象に残り、アナログ時代のA面最後に余韻をたっぷりと残しながら流されていたものだ。最後の最後のピアノの弾きまくりあたりの恍惚感は堪らない。
B面に入るといつものストーンズらしいR&Rのリフが奏でられるがドラムがやけに大人しくアレンジされた「Luxury」があと一歩盛り上がりたい気分を抑えながら不思議な感触でプレイされ、これぞストーンズとばかりにギターも弾かれつつベースもブリブリしての妙な曲。その不満感を覆うかのようにこれまで通りのストーンズそのままのスタイルでビートの効いた「Dance Little Sister」がカッコ良く始まるが、この一辺倒ぶりはさすがの押し。そしてまたニッキー・ホプキンスのピアノとミック・テイラーのギターが素晴らしく響く「If You Really Want to Be My Friend」では黒人グループのブルー・マジックが見事にそのコーラスワークを聴かせ、どこか聖歌的な雰囲気すら出しながら一味違うムードを出してしっとりと味わせてくれる。アルバムも終盤に近づいたかのようにカントリータッチでの「Short and Curlies」もまたギターフレーズががっちりと後押ししての充実した作品に仕上げてくれている。最後は時代的には少々早めながらもソウル・ジャズファンク的ですらある「Fingerprint File」がこれまでのR&R色からは一線を画してのヘヴィサウンドを打ち出しているが、ミック・ジャガーのボーカルの加工からやや実験的な意図を持った作品に仕上げられているようだ。こういう実験精神旺盛なのもストーンズのユニークな側面と期待感。
1990年代から2000年代にもリマスタリングされているが、ボーナストラックは付けられず、あくまでも音のリマスターのみに留まっているのはそこまで音源が残されていない時期だったからだろうか。それでも昔に比べると随分とくっきりとした音像で迫力を持って聴けるようになっているのでありがたくそのエネルギーを感じ取って聴いている。「Time Waits for No One」はややエンディングが伸ばされてミック・テイラーのギターソロも最後まで満喫出来るようになっていたり、「Fingerprint File」もピッチを正しく修正したやや長めに編集されていたりするようだ。それにしてもここまでのR&Rアルバムだったかと、聴く度に思うくらいバージョンアップしているのは自分の聴く感覚の違いからだろうが、やはりストーンズはカッコ良い。この時期は特に素晴らしいバンドグルーブを出していた時期なので元々好きな時期だが、それでもここまでカッコ良いとは久々に聴いたからだろう。これもまたどうやってギター弾いてるのかよく分からない音ばかりだが、素晴らし過ぎる。

キャリアの長いバンドなら大抵メンバーがどこかで替わっていき、その時々で音楽的な方向性も変化したりするが、ストーンズの場合はその意味ではほぼ音楽的な進化は見当たらず、時代に合わせてアレンジを持ち込む事はあれど、それ自体は単発のお遊び要素が強いからストーンズと言うバンドの持つR&Rは常に変わらず、悪く言えばいつも同じ、良く言えばそれこそストーンズのグルーブがいつ、どのアルバムでも当然ながら聴ける。それでもアルバム毎に個性はあるし、実験的な作品も多いし、曲の良い悪しもそれは出てくるが、ただいつも必ず最初に聴いて思うのはカッコ良い、の一言。今でも何かと新曲が出て来て聴いてみれば、やはりその例に漏れずカッコ良い、と思うのだから凄い。カッコ良さを知っているから、とも言えるしそもそも普通に出てくるとカッコ良いのだろう。だから個人的にストーンズばかり聴いている日々はあまりなかった。単発で聞いてはカッコ良いと思うばかりの聴き方で、アルバム単位で毎回聞いている。
1974年にリリースされた「It's Only Rock'n Roll」がここまで傑作名盤だとも思っていなかったが、久々にじっくりと数回聴いていたら、案の定とてつもなく素晴らしいアルバムで、多分他のアルバム聴いたらそれもまた凄い、となる事は必至だが、今日はこのアルバムが最高と言っておこう。ギターがミック・テイラーに替わり、安定した作品をリリースしてきた中での地に足着けた素晴らしくカッコ良いR&Rが存分に詰め込まれている、と書くもののかなりバリエーション豊かな作風が揃っているのも魅力的で、飽きさせない作り。それにしてもピアノ陣のゲストが何とも豊富で、ニッキー・ホプキンスにイアン・スチュワート、そしてビリー・プレストンまで参加しているし、おなじみパーカッショニストのレイ・クーパーも登場し、タイトル曲では既にロン・ウッドまでもが参加している。もっともこのアルバムタイトルともなった「It's Only Rock'n Roll」はロン・ウッドのソロアルバム製作時に出来上がってしまった曲らしく、おかげでロン・ウッドのギターに加え、ドラムにはケニー・ジョーンズ、ベースはウィリー・ウィークスが参加した録音で、それをチャーリー・ワッツとビル・ワイマンはPVでアテレコしているのもなかなか知っていると苦笑いするお話。更に最近ではこのアコギまみれのデモテープのバックコーラスにデヴィッド・ボウイが参加している音源も流出しており、どれだけロン・ウッド周辺の人間関係の幅広さが分かる事か、そんなセッションからの素晴らしくR&Rな一曲、そしてタイトル曲。冒頭の「If You Can't Rock Me」からして最高にカッコ良いツインギターの絡みが絶妙に味わえて、このジャリジャリなスタイルは他には類を見ない圧倒的にストーンズのサウンドで、ついついノリノリになってくる。「Till The Next Goodbye」ももうひとつのストーンズらしいピアノ入りの静かな楽曲で、この時期だからかかなりカントリータッチ的ではあるが、やはりニッキー・ホプキンスのピアノが素晴らしい。そして本アルバムでもっともレベル高く異質感もありつつ素晴らしく最高の楽曲と演奏がミック・テイラーのためでしかないだろうとすら思える「Time Waits for No One」。こちらもニッキー・ホプキンスのピアノが絶妙ながら、キースのギタープレイも美しくなりつつ、やはりミック・テイラーのギターフレーズが実に素晴らしい旋律を奏でて印象に残り、アナログ時代のA面最後に余韻をたっぷりと残しながら流されていたものだ。最後の最後のピアノの弾きまくりあたりの恍惚感は堪らない。
B面に入るといつものストーンズらしいR&Rのリフが奏でられるがドラムがやけに大人しくアレンジされた「Luxury」があと一歩盛り上がりたい気分を抑えながら不思議な感触でプレイされ、これぞストーンズとばかりにギターも弾かれつつベースもブリブリしての妙な曲。その不満感を覆うかのようにこれまで通りのストーンズそのままのスタイルでビートの効いた「Dance Little Sister」がカッコ良く始まるが、この一辺倒ぶりはさすがの押し。そしてまたニッキー・ホプキンスのピアノとミック・テイラーのギターが素晴らしく響く「If You Really Want to Be My Friend」では黒人グループのブルー・マジックが見事にそのコーラスワークを聴かせ、どこか聖歌的な雰囲気すら出しながら一味違うムードを出してしっとりと味わせてくれる。アルバムも終盤に近づいたかのようにカントリータッチでの「Short and Curlies」もまたギターフレーズががっちりと後押ししての充実した作品に仕上げてくれている。最後は時代的には少々早めながらもソウル・ジャズファンク的ですらある「Fingerprint File」がこれまでのR&R色からは一線を画してのヘヴィサウンドを打ち出しているが、ミック・ジャガーのボーカルの加工からやや実験的な意図を持った作品に仕上げられているようだ。こういう実験精神旺盛なのもストーンズのユニークな側面と期待感。
1990年代から2000年代にもリマスタリングされているが、ボーナストラックは付けられず、あくまでも音のリマスターのみに留まっているのはそこまで音源が残されていない時期だったからだろうか。それでも昔に比べると随分とくっきりとした音像で迫力を持って聴けるようになっているのでありがたくそのエネルギーを感じ取って聴いている。「Time Waits for No One」はややエンディングが伸ばされてミック・テイラーのギターソロも最後まで満喫出来るようになっていたり、「Fingerprint File」もピッチを正しく修正したやや長めに編集されていたりするようだ。それにしてもここまでのR&Rアルバムだったかと、聴く度に思うくらいバージョンアップしているのは自分の聴く感覚の違いからだろうが、やはりストーンズはカッコ良い。この時期は特に素晴らしいバンドグルーブを出していた時期なので元々好きな時期だが、それでもここまでカッコ良いとは久々に聴いたからだろう。これもまたどうやってギター弾いてるのかよく分からない音ばかりだが、素晴らし過ぎる。
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