Mick Ronson - Slaughter On 10th Avenue

 この系統で同じ空気と時代を歩んできたギタリストと言えば、やっぱりミック・ロンソンを於いて他にないだろうなぁ。ミック・ラルフス脱退後のモット・ザ・フープルに派手派手しくギタリストで参加したことからイアン・ハンターのソロ活動に至るまでパートナーであり続けた稀代のギタリスト、正に唯一のグラムロックギタリストとして活躍した美形のオトコなのだ。もちろんギタリスト的なテクニックや音楽的な才能というものはあまり評価されることはないのだが、アイドルと同じくその存在感とルックス、そしてある種のカリスマ性が時代にマッチして、ひとつのアイコンとして存在していたのだ。そんな彼がボウイの元を去って最初にリリースしたソロ作品が「スローター・オン・10th・アベニュー」だ。

スローター・オン・10th・アベニュー(紙ジャケット仕様) プレイ・ドント・ウォリー(紙ジャケット仕様)

 ボウイとの共作曲やボウイ名義での未発表曲、そしてボウイが歌詞を付けた曲などボウイの全面的な協力なしにはできなかったであろうこのファーストアルバムは数多くのカバー曲で占められていて、裏名盤としてアナログ時代にはそれこそかなりの高値で取引されていた一枚でもあるのだ。CDになった時に最初は悪名高きGolden Yearsレーベルからのリリースでファーストとセカンドの「プレイ・ドント・ウォリー」が一緒になった二枚組だったんだよね。んで、こぞってそれを入手して初めて聴いたんだが…、こんなもんかぁ…って思ったのが正直な感想(笑)。いやぁ、別に悪くないんだけど…っつうか今聴いたら全然悪くない。ただ、カバー曲とかは面白いんだけどミック・ロンソンの曲はまいったな(笑)。センスないだろ、これ、とか思うのだが(笑)。いや、それはまぁ置いとこう。そしてギターもあれほど弾きまくってなくてもっと曲に合わせて弾いているっつうか、およそギタリストのソロアルバムらしくない作品に仕上がっていて、意外とこの人の歌って切なく聞こえたりするので歌モノとしても悪くないんだよね。かなり味があるのでエルビスの「Love Me Tender」でもなかなかだし、イタリア人のルチオ・バティスティの曲にボウイが歌詞を付けたという「Music Is Lethal」なんてのもかな〜りよろしい感じ。まるでボウイが呟いて歌っているかのような曲で、滅茶苦茶素晴らしかったりする…アレンジもアコースティックとバイオリンがイタリアンでこのアルバム最高の作品じゃないかと思うのだが…。まぁ、そういう意味ではボウイとの共作でもある「Pleasure Man / Hey Ma Get Papa」なんて曲もどこかイタリアンな香りがする曲で面白いな…。なんか久しぶりに聴いたら悪くないじゃん(笑)。アルバムタイトル曲にもなった「Slaughter On 10th Avenuee」もヴェンチャーズのヒットが有名らしいんだけど、ようやくミックのギターがまともに聴ける曲で、もっともっとこういうの入れればよかったのになとも思うけど、多分この頃のミックはアーティストとして独り立ちしていくという思いが強かったんだろうな、そう考えるとこのアルバムの出来映えも納得するし、かなりのクォリティではあるよな…。

 …とまぁ好き嫌いも含めて色々書くんだけど、アルバム最後まで聴いた後には妙に心地良さが残る作品なのでやっぱ優れたミュージシャンだったんだろうか。何故か疑問が沸くんだけど圧倒的なヒーローのはずのミック・ロンソン。まだまだ裏名盤を堪能しまくってないってことかなぁ。

Comment

[3256]

ご無沙汰です。
やっぱ、ミック・ロンソンきましたか♪
というより、やっと出てきたかって感じ。
この2枚って超B級!というより、ボウイマニアしか必要なしって感じだけど、ボウイ作の GROWING UP AND I’M FINE は最高!これだけでよし!!
B級ロック(笑)好きな僕のベスト・レスポール・ギタリストですね

[3257]

友達がね、「彼の音は子宮に響く」ってよく
言ってたわ。(笑)

[3261] どもどもども♪

>tomyさん
久々♪ ようやく出てきました、ミック。B級とまでは言わないけどかなりニッチな好みが出る人ですな(笑)。

>Tommyさん
子宮に響く…ですか。ベースの音が子宮に響くってのは聴きますがこの人のギターがねぇ…、まぁ、ルックスからしていやらしいので納得する面はありますが(笑)。

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6月27日
訃報:マイケル・ジャクソン
 ここのところの訃報続きに驚くばかりでして、70年代のロックの王者達の訃報などはほとんど聞かないのにそれ以降の世代のヒーロー達が次々に亡くなっている。昨年暮れの樋口宗孝さんから割と続いている40〜50代での訃報。そして今度は世界のスーパースター、マイケル・ジャクソンだ。やっぱ最初は驚いたよ。「は?」ってなモンで、まさかこのマイケルだとは思わなかったもん。でも50歳だったんだね、もう。近況は全然知らないからどんなんなってたか何も言えないけど、あの華麗なるスター像ではなかったんだろう。結局寂しい最期を迎えてしまったのか、誰か側にいたのか…。華麗なる80年代の象徴でもある「スリラー」をまた引っ張り出して聴き直してみたけど、音楽的云々という聴き方はできないね。一気にタイムトリップしてしまった(笑)。そういう意味では永遠に残り続ける人だな、確かに。しかし著名人の大げさで愛のないコメントって…アメリカらしい。生きてる時にはそんなに気にしてなかっただろ、お前ら、と言いたいが…。ま、ともかく、世紀のスーパースターが世を去ったことは少々寂しいですな。
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