The Jam - Dig the New Breed
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The Jam - Dig the New Breed (1982)

ロックの歴史を時系列できちんと聴いていければ混乱も、妙な影響も防げたりするだろうが、今更無理だし、自分がリアルタイムで知って好きになる頃には既にロック史は進んでいるので、ほぼ大半の人が後追い世代になるのも普通だろう。リアルタイムで時系列で聴いてたと言う人は今70歳を軽く超えている計算になるし、それでも情報量が異なるので実際時系列で聴けていたバンドはそこまで多くなかったと思う。だから結局後から同時代の音を耳にする事もあるだろうし、それでも聴けば良い方だし、大抵はもうロックなんざ興味無いだろうし、昔話の一つでしかなかろう。何故にこういう話を書くかと言えば、後追いだと自分が知る際に時系列の逆転現象が起きるから歴史的に辻褄の合わない事に遭遇して初めてその矛盾に気づくからだ。今回はThe Jamの解散直前にリリースされたライブアルバム「Dig the New Breed」だが、これが1982年のリリースで、直後に解散しているからリアルタイムでのThe Jamはロック的には通っていなかったが、一方でポール・ウェラーを先に知る事になり、その印象がよろしくなかったためにThe Jamの深掘りも進まなかったという話。
初期ロンドンパンク発祥のバンドの中にThe Jamも含まれる事が多く、そこからThe Jamには興味を持ったが、ファーストアルバム「IN THE CITY」はカッコ良かったがそれ以降はそこまで聴き込まなかったのはポール・ウェラーのイメージのせいで、スタカンのサウンドが自分的にはまるで好みでなかったからThe Jamの初期以外も積極的に手を付けなかったというワケだ。ゆとりが出来てロンドンパンクバンドもある程度制覇しておきたいと思った時にようやくアルバムを順に買っていった程度なので既にThe ClashやThe Damned、The Stranglersの洗礼を受けた後の順番だったから、かなり遅れを取ったとも言える。案の定その頃はさほど受け入れる事なく、流していた程度でハマらなかったし、モッズバンド的なカッコ良さとすれば、それなら本家本元のThe Whoがダントツにカッコ良い、と聴きまくっていた頃と重なるのもよろしくなかった。おかげで自分がThe Jamを存分に聴く機会はまた遠のいていったと言い訳も出来るが、いつしか中後期のThe Jamも聴いているようになり、初期の衝撃はないがやはりカッコ良い音を出してた事に気づいてはいた。そこからまだハマりもせずに常に脇で聴いていたような感じだったが、今回は解散前のライブアルバム「Dig the New Breed」を改めて聴き直してて、随分尖っているライブの集大成だと気づいた。CD時代になってから「Live Jam」なるもうちょっとライブに特化した編集盤がリリースされていて、こちらの方が評判は良いらしいが、現役時代の「Dig the New Breed」もアナログ感あって、良質なライブアルバムだと思う。
まずは「In The City」の強烈なビートに引っ張られる1977年最初期のライブからスタートして、ほぼ時代順、1979年レインボウ、81年のハマースミスパレス、82年のバームンガムと79年のレディング大学を挟んで4月のエジンバラとグラスゴウからベストチョイスではなく、The Jamらしい勢いのある楽曲ばかりを選び抜いて編集されたノリが存分に楽しめる作品。パンクバンドとして知られていたのも分かるくらいにモッズ路線ながらもビートの利いた強烈なスタイルの作品が並び、ポール・ウェラーのリッケンバッカーの音が響くソリッドなライブそのままで、バンドの上手さがビートをドンドンと引っ張っていく。ある意味最後の最後までパンクらしいスタンスの楽曲と演奏を貫いたのはThe Jamなのかもしれない。それはパンクではなくモッズというスタイルに固執したからこそブレなかったとも言えるし、音楽的な変化を求めないモッズバンドで終えたからとも言える。自分的にはどこか軟弱になってスタカンに移行したと思っていたので、こういうライブアルバムをじっくりと聴いてみればその実、最もパンクイズムを通し抜いたバンドだった。歴史的な勘違いから損した感もあるが、結果的にはカッコ良さがしっかり響いてくれたので良かった。The Jam、カッコ良いじゃないか。

ロックの歴史を時系列できちんと聴いていければ混乱も、妙な影響も防げたりするだろうが、今更無理だし、自分がリアルタイムで知って好きになる頃には既にロック史は進んでいるので、ほぼ大半の人が後追い世代になるのも普通だろう。リアルタイムで時系列で聴いてたと言う人は今70歳を軽く超えている計算になるし、それでも情報量が異なるので実際時系列で聴けていたバンドはそこまで多くなかったと思う。だから結局後から同時代の音を耳にする事もあるだろうし、それでも聴けば良い方だし、大抵はもうロックなんざ興味無いだろうし、昔話の一つでしかなかろう。何故にこういう話を書くかと言えば、後追いだと自分が知る際に時系列の逆転現象が起きるから歴史的に辻褄の合わない事に遭遇して初めてその矛盾に気づくからだ。今回はThe Jamの解散直前にリリースされたライブアルバム「Dig the New Breed」だが、これが1982年のリリースで、直後に解散しているからリアルタイムでのThe Jamはロック的には通っていなかったが、一方でポール・ウェラーを先に知る事になり、その印象がよろしくなかったためにThe Jamの深掘りも進まなかったという話。
初期ロンドンパンク発祥のバンドの中にThe Jamも含まれる事が多く、そこからThe Jamには興味を持ったが、ファーストアルバム「IN THE CITY」はカッコ良かったがそれ以降はそこまで聴き込まなかったのはポール・ウェラーのイメージのせいで、スタカンのサウンドが自分的にはまるで好みでなかったからThe Jamの初期以外も積極的に手を付けなかったというワケだ。ゆとりが出来てロンドンパンクバンドもある程度制覇しておきたいと思った時にようやくアルバムを順に買っていった程度なので既にThe ClashやThe Damned、The Stranglersの洗礼を受けた後の順番だったから、かなり遅れを取ったとも言える。案の定その頃はさほど受け入れる事なく、流していた程度でハマらなかったし、モッズバンド的なカッコ良さとすれば、それなら本家本元のThe Whoがダントツにカッコ良い、と聴きまくっていた頃と重なるのもよろしくなかった。おかげで自分がThe Jamを存分に聴く機会はまた遠のいていったと言い訳も出来るが、いつしか中後期のThe Jamも聴いているようになり、初期の衝撃はないがやはりカッコ良い音を出してた事に気づいてはいた。そこからまだハマりもせずに常に脇で聴いていたような感じだったが、今回は解散前のライブアルバム「Dig the New Breed」を改めて聴き直してて、随分尖っているライブの集大成だと気づいた。CD時代になってから「Live Jam」なるもうちょっとライブに特化した編集盤がリリースされていて、こちらの方が評判は良いらしいが、現役時代の「Dig the New Breed」もアナログ感あって、良質なライブアルバムだと思う。
まずは「In The City」の強烈なビートに引っ張られる1977年最初期のライブからスタートして、ほぼ時代順、1979年レインボウ、81年のハマースミスパレス、82年のバームンガムと79年のレディング大学を挟んで4月のエジンバラとグラスゴウからベストチョイスではなく、The Jamらしい勢いのある楽曲ばかりを選び抜いて編集されたノリが存分に楽しめる作品。パンクバンドとして知られていたのも分かるくらいにモッズ路線ながらもビートの利いた強烈なスタイルの作品が並び、ポール・ウェラーのリッケンバッカーの音が響くソリッドなライブそのままで、バンドの上手さがビートをドンドンと引っ張っていく。ある意味最後の最後までパンクらしいスタンスの楽曲と演奏を貫いたのはThe Jamなのかもしれない。それはパンクではなくモッズというスタイルに固執したからこそブレなかったとも言えるし、音楽的な変化を求めないモッズバンドで終えたからとも言える。自分的にはどこか軟弱になってスタカンに移行したと思っていたので、こういうライブアルバムをじっくりと聴いてみればその実、最もパンクイズムを通し抜いたバンドだった。歴史的な勘違いから損した感もあるが、結果的にはカッコ良さがしっかり響いてくれたので良かった。The Jam、カッコ良いじゃないか。
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